円安のメリット 続編 | 思うように資金調達ができない方へ

円安のメリット 続編

5月3日

1985年のプラザ合意により2年で一気に120円ほど円高となり、アメリカを追い越していた半導体事業は壊滅的に衰退するきっかけとなりました。

 

慶應義塾大学の島田晴夫名誉教授はプラザ合意について次のように述べています。

 

『1980年代、日本は経済バブルのピークを迎えると同時に、DRAMの半導体ではほぼ世界を制覇するほどまでに発展した。敗戦の壊滅状態からわずか数十年で日本の経済力はアメリカに次ぐ世界第2位の地位を築いた。そして、半導体分野で日本に追い越されたアメリカは、一転して日本叩きに猛進した。日米半導体戦争ともいわれるもので、そこで行われたのが有名な「プラザ合意」である。それは、現在の米中対立の中国への締めつけの比ではなかった。』

 

いろいろネットなどで調べると、この辺りのことは次のようになります。

 

プラザ合意による円高が半導体産業を含む日本の製造業に影響を与えたことは事実です。

 

円高によって日本製品の輸出が押され、生産コストの高さを背景に海外への生産拠点移転が進む傾向が強まったと言われています。(このことも日本のGDPが伸びなくなった要因のひとつです。)

 

中国への生産拠点移転もその一つであり、中国の経済成長に大きな影響を与えたと言えます。(現在の安全保障上のリスクにつながっています。)

 

このような移転の背景には、円高による輸出競争力の低下だけでなく、中国などの途上国での生産コストの低さや市場へのアクセスの容易さなどが要因として挙げられます。

 

とにかくプラザ合意による円高はこれだけの日本の根幹を揺るがすような事態になったのです。

 

でも、この頃の海外旅行者や輸入業者や輸入品を仕入れする者にとって大きなメリットがあったのはもちろんです。

 

急激な円高が緊縮財政と消費税とともに日本経済を著しく毀損させた要因であったことは疑いの余地はありません。

 

つまり、今回の円安はプラザ合意により円高になった為替レートが元に戻ったわけで、日本にとっては決して悪いことばかりではないのは確かです。

 

ただ、確かに円高でコストプッシュインフレが起きていることは事実です。

 

これについては、まず消費税を撤廃することでかなりのインフレを抑制する効果が期待できます。(社会保障の財源よりも国債の償還や法人税減税分の代替財源になっていることは明らかです)

 

更に、緊縮財政から積極財政にシフトすることで、社会の金回りを良くして景気を良くし、非正規雇用をしても、消費税が撤廃されていることで雇用側の企業のメリットがなくなることで正規雇用を増やすことにもつながります。

 

そして多くの国民の所得が増えて消費も伸び、GDPも伸長します。

 

コストプッシュインフレで上がった商品やサービス価格差の値上がりは国民所得の伸長で吸収します。

 

海外旅行のコスト増も、旅行者の所得の伸びで吸収するのが私は健全だと思います。

 

特に円安で増収増益の企業、特に半導体事業が日本に回帰して、伸びなくなったGDPを押し上げる効果を見込める円安をわざわざ円高に戻そうとするメディアは無知なのか馬鹿なのか、それとも別の良からぬ動機があるのか、それとも儲けるためなのか?!

 

いい加減にしろと思うとともに、メディアに従事する人がますます嫌いになりました。

 

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