でんさいとは?そして、でんさいが普及しない理由は? | 思うように資金調達ができない方へ

でんさいとは?そして、でんさいが普及しない理由は?

 

3月10日
手形に代わって普及が待たれるでんさい(電子記録債権)ですが、スタートした年が2013年ですから10年以上になります。
 
手形の減少はまさに激減と言う状況です。
手形の減少は景気の良くないバブル崩壊と重なったこともあり、中小企業の資金繰りは悪化し、コストの高い2社間ファクタリングの普及につながったことは否めません。
 
もしも手形の流通量が減っていなかったら中小企業の経営者の負担やストレスは増えなかったと思われます。
 
手形と2社間ファクタリングでは、手形は審査もシンプルで譲渡登記の有無とか資金繰りとか継続的取引で新規取引の問題とかめんどうくさい審査は不要です。
 
そして何よりもコストが比較にならないほど低く、銀行融資も審査が厳しくなり手形が難しくなったことで中小企業の資金繰りはかなり悪化したことで、コストが高くても2社間ファクタリングの利用をせざるを得ない状況になったと思われます。
 
本来なら手形の代わりにできたでんさいが代替のシステムとしてスムーズに代わっていれば良かったのですが残念ながらでんさいは普及していない現状があります。
 
手形やでんさい割引サービスを行う日本倉庫による発表です。
『当社の紙の手形とでんさいの取扱いを比較してみますと以下の結果となっております。
*2021年5月31日 
でんさい9.5%
*2022年5月31日 
でんさい8.1%
*2023年5月31日 
でんさい11.0%
 
でんさいの割引が1割程度とまだまだ紙の手形が主流であり、紙の手形とでんさいの扱いが逆転するまでには時間がかかりそうです。』
 
「でんさい」とは株式会社全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が提供している電子記録債権の略です。
 
でんさい(電子記録債権)は、電子データとして取引記録や証文を保存・管理することにより、債権などの権利関係を電子化する制度のことを指します。
 
でんさいでは、取引経緯や権利関係、支払い条件などの情報を電子化して記録し、電子的な債権や証文を生成・管理・転送することができます。これにより、取引の透明性や効率性が向上し、管理や処理の容易化などの利点があります。
 
でんさいを利用することで、債権管理の効率化やリスク低減、取引の迅速化、環境負荷の削減などが期待されます。しかし、導入には情報セキュリティや法的課題などの課題もあります。
 
では、便利なはずのでんさいがなかなか普及しない理由について考えてみたいと思います。
 
でんさい(電子記録債権)のデメリットや普及しにくい理由には以下のような点が挙げられます。
 
①システムの導入コスト
でんさいシステムを導入するには、システムの構築や導入に伴うコストがかかるため、中小企業や個人事業主などにとっては負担が大きい場合があります。
 
②情報セキュリティのリスク
デジタルデータの取り扱いには情報漏洩やハッキングなどのリスクが潜在しており、これらのセキュリティリスクに対処するための対策が求められます。
 
③利用者間のハードル
電子記録債権のシステムを利用するには一定の知識や技術が必要となるため、特にデジタル技術に不慣れな利用者にとっては利用しにくい場合があります。
 
④法的な課題
紙の債権や手形は法的な基盤が整備されているため、電子記録債権の法的な扱いや規制が未だ整備されていない場合もあり、法的な課題が普及を阻害する要因となる可能性があります。
 
⑤慣習や文化的要因
紙の債権や手形が長い間使われてきた伝統的な仕組みであるため、そこからの脱却や切り替えが進むまでには時間がかかる場合があります。
 
これらの要因により、電子記録債権の普及には課題やハードルが存在しており、従来の紙による債権や手形に対する信頼や慣習を変えるための取り組みが求められています。
 
そして、やはり経済成長しない、いわゆる景気のよろしくない時期にスタートしたことと無関係ではありません。
 
次回以降ででんさいを発行できるための銀行審査などについてご案内させていただきます。
 

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