日本は既に危機的状況にあると思った方が良い! | 思うように資金調達ができない方へ

日本は既に危機的状況にあると思った方が良い!

このレポートは、元総務省の官僚でまっとうな言論を継続して発信する政策コンサルタントの室伏謙一さんのレポートです。
 
日本は次のポイントについて、何か起こった時の対応力が誤った政策により脆弱になっています。
・食料受給率
・エネルギー自給率
 
なのに、
なぜか食料受給率を守る農業への補助金制度も、アメリカはじめ諸外国と比較する十分な対応ができていません。
※参考記事
そしてエネルギー自給率。
東日本大震災時の原発事故が起きたことで、確かに原発事故の重大なリスクはあるのは理解しますが、エネルギー安全保障上の代替エネルギーに対する冷静で合理的な議論を容認しない風潮に対して、自然エネルギー一辺倒の無策な政治。
 
そして、日本には、非常に高性能、かつ環境にも優しいと言われる火力発電があるのに、エネルギー安全保障の観点よりも、闇雲に自然エネルギー重視の政策を取り続ける政治の、代替エネルギーになり得るのかどうかという視点を欠いた自然エネルギー偏重政策をとる政治。
 
日本は、太平洋戦争でエネルギー問題で追い込まれて戦争に追い込まれた過去があるのに、その学習も反省もない政治に、薄ら寒さを感じます。
 
室伏謙一さんのレポートをご一読下さい。
  
『日本は既に危機的状況にあると思った方がいい
 
 From 室伏謙一
  @政策コンサルタント
   /室伏政策研究室代表
 
 煽りでも脅しでもありません。単なる事実です。  
 
 先日あるレストランに行きました。どれを食べても美味しく、お腹いっぱいになりました。が、その時考えたのは、この食材はどこから来たのだろう?ということ。このレストランの場合、多くのものが国産ですし、国内の飲食業では、今やかつてのように中国産野菜ではなく国産の方が多いのではないかと思います。(あくまでも私の経験に基づく推測ですが。)  
 
 では、その国産野菜、種はどこから来ているかと言えば、その多くは海外の圃場から。つまり国内で栽培したものではあるが、栽培に不可欠な種は海外産ということ。
 
 また、美味しいパン、日本人はパンが好きですよね。なぜパン食がここまで普及したかと言えば、これはご承知の方も多いと思いますが、米国が戦争用に増産した小麦が余ったので日本に押し付けたところから。もっとも、これには日本側からの要因もありますし、パン食推進の動き自体は戦前からあったものです。(霞が関リークスで詳しく解説しました。)
 
 ということは、日本のパンの材料である小麦はその多くが海外からの輸入によるものだということ。戦後の数次の貿易協定経て、輸入依存度は高まる一方、国産の生産量は減る一方。
 
 それから、美味しいお肉、これも国産だから・・・と言いたいところですが、確かに国内で飼育されたものですが、その飼育に不可欠な餌はと言えば、海外からの輸入飼料が多くを占めています。
 
 ということは、海外からものが入ってこなくなったら、日本人は食べられなくなる人が続出するということ。しかも、海外からものが入ってこなくなる状況はいつ起きるかわかりません。中東における戦火の拡大、スエズ運河経由の物流のリスクの増大により物流ルートが喜望峰回りに変更になれば、時間がかかるだけでなく、物流コストも上がります。もしかしたら、高すぎて買えなくなるかもしれません。例えば、それを中国が高くてもいいから大量に買うようになったら、国際価格はさらに跳ね上がり、更に入手困難になるかもしれません。(既にアメリカ産牛肉やワイン等で起きていますね。)
 
 戦火の拡大は、食糧供給のみならず、様々な資源・燃料の需要に影響を与えます。日本の場合、石油の中東依存度は極めて高いですから、中東における戦火の拡大、戦線拡大は人ごとではいられません。「ゼロエミッションを目指しているのだから、これからは太陽光だ!」などと無邪気なことを言ってくる人が、左翼リベラル系や若者にいそうですが、では、太陽光パネルはどこで作られていますか?こちらもその多くは中国です。中国が日本を敵視して輸出を止めたら、それでおしまいです。そもそも太陽光で現在稼働している火力発電所全てを代替できませんし、ガソリン車を全てEVに仮に替えたとして、それに必要な電力もまた然りです。
 
 もっとも、現状では火力発電の主力は天然ガスと石炭ですから、石油はガソリンや化学製品等の原材料となる方が多いですが、それも石油が入ってこなくなれば製造できませんし、車も動かせなくなりますね。もちろん、天然ガスも石炭も輸入が主流。
 
 例えば、物流について自動車がガソリン不足で困難ということになれば、鉄道貨物に主軸を再び移す必要がありますが、現政府も北海道知事に代表される首長らも、鉄道ネットワークを分断するのに躍起になっていますね。したがって、このまま進めば、国内の物流は寸断されて、江戸時代以前の状態になってしまうかもしれません。 
 
 ということで、色々書いてきましたが、日本はいつの間にか、事業活動のみならず我々の生活に不可欠なものまで輸入に頼る状況にされてしまったということ。有事、危機に備えて国内の供給能力を確保・強化するのが本来国の、政府の役割ですが、この数十年でそれを解体する方向に一生懸命動いてきてくれました。
 
 何かことが起これば、日本は一気に危機に陥るということです。そしてそれは、国内外の実情を踏まえれば、もう目の前に来ていると言っていいでしょう。にも関わらず、岸田財務省政権は増税によって国民に負担を課し、国民経済から貨幣を消して、国民経済を縮小させようとしていますし、「今はもう平時だ」と勝手に思い込み、主張して、緊縮財政を更に進めようとしています。
 
 危機に対応する気がない以前に、頭がおかしいとしか言いようがありません。
 
 まずはこうした危機意識を日常的に持つことから始めましょう。「あのラーメン屋のラーメンが食えなくなる⁈」といったところから始めてもいいです。とにかく今は日本は危機なのだ、危機はすぐにやってくるのだ、そうした認識を持ちましょう。
 
 そうしないと、次の「ならばどう対処すればいいのだ?」につながりませんから。ちなみに政府が考えている対処法は対処法になっていませんね・・・・』
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