ファクタリング≠売掛担保融資
昨日、工事代金早期資金化サービスの顧客に電話で話してたら、根本的な質問がありました。
「ファクタリングと売掛担保融資は違うのか?」
あまりにも基本的な認識違いで、瞬間驚きました。
でも考えてみれば、自分にとってみれば当たり前のことでも、顧客にとってみれば、どこが違うのか?同じ売掛金を前提とした資金調達じゃないかと理解されていても、むしろ当然です。
このブログを読んでいただいている読者の方にはお分かりと思いますが、その違いをまとめてみたいと思います。
あくまでも私の経験から見た見解なので、細かく言えば間違いがあるかもしれませんがご容赦ください。
①融資はお金を借りる資金調達。
ファクタリングは売掛金と言う資産を売却して行う資金調達。
②融資は自社の信用力が重要。
ファクタリングは売掛先の信用力が重要。
③融資は過去の金融トラブル、財務内容などが悪いとNG。
ファクタリングは自社の金融トラブルや財務内容が悪くてもOK。
④融資はリコース。
ファクタリングはノンリコース。
⑤融資は自社の信用力によって資金調達額が決まる。
ファクタリングはファクタリングの対象になる売掛金の額以上は資金調達ができない。
④について少し説明します。
リコースとノンリコースの問題です。
シンプルに説明します。
あなたの会社の大口の販売先(売掛先)が倒産したとします。
この結果、融資が返済や金利払いができなくなると遡及されます。
代表者のあなたが連帯保証している場合は、あなたの個人資産にも遡及されます。
でもファクタリングはファクタリング業者に売却した売掛金の販売先(売掛先)が倒産しても遡及されません。
この違いがとても大きい違いです。
ただ、ややこしいのは、実質的に売掛金担保融資なのにリコース型のファクタリングなんて呼ばれることがありますが、融資は遡及型、ファクタリングは非遡及と理解していただいて間違いはありません。
もうひとつ⑤も少し説明します。
この部分は多くの方が勘違いされていることがよくあります。
融資はあなたの会社の信用力で資金調達の額が決まります。
担保はもしかの時の保全のためのものです。
でも、ファクタリングは売掛金と言う資産の売却ですから、売却する売掛金の額以上の資金調達はできません。
この部分も重要な部分ですのでご認識いただきたいと思います。
そして、2社間契約のファクタリングの場合、②と③を読むと、自社の決算書や資金繰り表など不要なはずなのになぜ?と言う疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
次回説明します。
売掛金担保融資とファクタリング【売掛金ファイナンスコラム】vol.1
画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
画期的な売掛金担保融資(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.3
戦略的な資金調達の必要性【売掛金ファイナンスコラム】vol.4
2社間契約によるファクタリング(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.5