不動産担保融資 道路付・第三者保証・リースバック
4月6日
今回は不動産担保融資のアレンジの現場からの記事です。
「不動産担保融資 道路付・第三者保証・リースバック」と言う変なタイトルですが、不動産担保融資を利用する上でご認識していただきたいポイントをご案内します。
少し話を分かりやすくするためにポイントを押さえてシンプルな案件にしてご案内します。
本件は、ご自身が所有する世田谷区の一等地にあるご自宅とお父様名義の都内の別物件の二つの不動産担保で、現在、大手ノンバンクから約9000万円の融資を受けています。
この大手ノンバンクの返済条件が厳しく毎月の支払額は大きいので、真水のニューマネーの調達とともに、この大手ノンバンクよりも毎月の負担が少ないノンバンクに借り替えたいと言う希望の案件です。
実際、この案件の相談があった時、担保不動産も優良な物件で、そんなに難しい案件ではないと思いました。
今借りているノンバンクの掛目はどの案件を見ても相対的に、特に最近は融資掛目を厳しく見ていて、そこまで融資掛目が低くない別の大手ノンバンクに借り替えれば成約と感じたのです。
実際、机上評価では、2物件の融資目線で1億2千万円程度可能と言うことでしたので、融資申し込みをしてもらい、現地調査を受けたところ、お父様所有の物件が2項道路に隣接していることで、40坪を前提とした評価が29坪で見なければならなくなって、このノンバンクでは借換が精いっぱいで真水は全くでない結果になったのです。
ここまでで重要なポイントは次の2つです。
①不動産担保融資は申込をしないと融資の金額など条件が確定しない。
中には机上評価よりも低くなって文句を言う人がいますが、それはノンバンクの不動産担保融資に対する認識が違っています。
これは紹介者のコンサルタントの中でも分かっていない方が時々います。
「わざわざ申込をしてもら以上、融資は大丈夫なんですよね?」なんて、訳が分からないことを言う方がいます。
ノンバンクの不動産担保融資は申込を経過しないと、案件として正式な融資目線や条件は出ないのです。
また、申込の時の金融情報をチェックすることへの同意書への署名があって初めて取り扱いが可能な案件かどうか分かるのです。
だから、ノンバンクの不動産担保融資は融資申込をしないと何も始まらないのです。
申込前に出るのは机上評価で、確定した条件ではないと言うことはよく誤解される方がいるのでご注意ください。
②道路付け
原則再建築可能かどうかが不動産担保融資が可能かどうかのポイントになります。
今回の案件で問題となった2項道路とは、再建築するには道路幅4m以上の道路に隣接していないといけないのですが、建築基準法施行前から使われていた既存道路で、かつ特定行政庁が道路として指定したものは建築基準法上の道路とみなされます。
この規定が建築基準法42条第2項に定められていることから、一般的に「2項道路」と呼ばれているのです。
ところが再建築する時には道路の中心線から2m後退したところに道路境界線があるとみなされるため、セットバックすることになります。
このことから不動産担保融資の価値としては、このセットバックした後の面積が対象になるため、本件で対象面積が40坪から29坪に減少してしまったのです。
地図など資料だけでは道路幅が4メートル以下であることは分からなかったのです。
そして、もう一つ本件には問題がありました。
③第三者担保提供
融資を受けるのは世田谷にご自宅を所有する顧客が経営する会社です。
ご自宅は問題がないのですが、この2項道路に隣接する都内の物件を所有するのはお父様で、お父様が債務者となる会社の経営に携わっているのであれば良いのですが、高齢、かつまったく携わっていないことから、最も融資掛目が高いノンバンクを利用できないのです。
多くのノンバンクは第三者担保提供には時流もあってネガティブにはなっていますが、多くの場合債務者の代表者の両親が持つ不動産の場合は、担保提供に対して問題がないと判断していることが多いのですが、融資の掛目が最も高いところは、両親でもNGなので利用できないのです。
以上3つのポイントはノンバンクの不動産担保融資のご利用を検討される時、ぜひともご認識をしておいていただきたいポイントです。
では、どうやって成約したかは次回に続きます。
売掛金担保融資とファクタリング【売掛金ファイナンスコラム】vol.1
画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
画期的な売掛金担保融資(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.3
戦略的な資金調達の必要性【売掛金ファイナンスコラム】vol.4
2社間契約によるファクタリング(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.5
2社間契約によるファクタリング(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.6