決算書紛失など決算書について
決算書は会社の資金調達にとってもっとも貴重な資料です。
いわば会社の顔と言っても過言ではありません。
なのに、稀ですが、決算書の提出を求めると、手元にないケースがあります。
その理由を聞くと、会計関係は会計事務所にすべて任せていて、原本も預かってもらっていた。現在、会計事務所との関係が悪くなって入手することが困難とか。
資金調達のアレンジを依頼していたコンサルタントに決算書の原本を預けたら失くされたとか。
普通に考えれば、あり得ないようなことが実際にあるものです。
会計について、いくら会計事務所にすべて任せていたといっても、決算書の原本まで預けているなんて普通はありません、
また、決算書の原本をコンサルタントに預けるって、悪いけどあり得ないことと思います。
なぜコピーして渡さないのか?
世の中には不思議な人がいるものです。
まあ、決算書の原本やコピーをすべて失くしても、税務署に提出してある決算書を閲覧できます。ただコピーはできないので、控えを転記することになります。
だから控えを清書しておけばいいわけですが、そもそも、決算書を紛失する経営者って、あなたが銀行の融資担当者だったら、融資する気になりますか?
私ならとても融資を実行する気にはなりません。
多分、行員もノンバンクの社員も感じていると思いますが、決算書の取り扱いを見ると、その会社や経営者の質が分かるような気がします。
試算表についても一緒です。
本来あるべき決算書から抜けている部分があったり、提出された決算書が本来あるべき、税務申告書⇒BS,PL⇒勘定科目明細の順番になっていなかったり、異常に申告書部分や勘定科目明細部分の提出を渋ったり、あるいは試算表がすぐに準備できなかったり・・・・・・
中には決算書に訂正箇所があるのに訂正していない決算書を提出してしまったとか。
決算書の訂正!!!
ちゃんと修正申告していればまだしも、金融機関に提出する決算書は税務署の受領印などで実際申告した決算書だと証明されなければ、信ぴょう性を疑われます。
不思議なもので、このような会社に限って財務内容も業績も悪いのは偶然ではありません。
逆に良い会社で、決算書や試算表の取り扱いが変な会社はありません。
次のような決算書にまつわることがあると資金調達がしにくくなります。
・決算書や直近3ヶ月以内の試算表がすぐに提出できない
融資を打診したら99%決算書類の提出を求められます。
ここですぐに提出できない会社が時々あります。
また、決算から6ヶ月以上経過していると、直近3ヶ月以内の試算表の提出が必要になりますが、試算表ができていなくて提出に時間がかかる会社がありますが、資金調達上はNGです。
3ヶ月以内の試算表がない会社⇒月次の経営内容をタイムリーに把握していない会社という悪印象を与えます。
・決算書の内容に不備がある
決算書にも相があります。
内容も良いに越したことはありませんが、汚い画質の、たとえばFAXを何度も経過した決算書を提出してくるようなケースが紹介者がいると稀ですがあります。
FAXで紹介者に決算書を送って、それをコピーして金融機関に提出してもらうなんてNGです。
送るのであればPDFで絶対に送るべきです。
見た目が汚い決算書は内容まで悪く見せてしまいます。
また、あるべきところにあるべきページがない、あるいは順番が違っているような決算書は落第です。
相の悪い決算書を出すと、本当に融資謝絶される可能性が高くなるのでお気を付け下さい。
・決算書が手書き
まさかと思われるかも知れませんが、長年アレンジの仕事をしていると、本当に稀ですがあります。
絶対にNGです。
・決算書に訂正箇所がある
決算書の信ぴょう性に懸念を持たれるから、融資の審査に悪影響を及ぼすのは当然です。
・決算期を変更している
時々、特段必然性がない理由で決算月の変更をしている会社があります。
利益操作なのか何か知りませんが、本当に合理的に考えて必要性があるとき以外は、余計なことをしないことです。
普通の中小企業においては、非常に印象が悪いので、資金調達上は絶対にNGです。
私の場合、アレンジさせていただくファイナンスの中には決算書不要なファイナンスもありますが、普通は、決算書は資金調達する上で不可欠なものです。
要はあなたの会社の印象付ける不可欠な必要資料で、いわばあなたの会社の顔でもありますす。
良い相の決算書を提出できるようにしていただければと思います。
くだらないことと思われるかもしれませんが、15年やってきた経験から言って、綺麗な良い相の決算書の会社の資金調達できる可能性は高いから不思議です。