中小企業の資金調達 18 取引銀行に融資を断られたら 8 不動産担保融資現況
10月31日
前回は取引銀行に断られた時に考える資金調達として、売掛金ファイナンスの次に考えていただきたい不動産担保融資の調達コストの問題をまず書きました。
本来なら、不動産担保融資の全体像を説明してから、調達コストの問題を説明するのが順番だと思いますが、銀行以外の融資の経験が少ない中小企業の経営者であるあなたにお伝えしたかったことは、ノンバンクの不動産担保融資と聞いただけで、よく理解しないで金利が高いと言うだけで敬遠し、資金調達の選択肢からまず外すようなことがないよう、まず取り上げました。
もちろん、あなたが経営する会社の経営が順調な時、わざわざ金利コストが高く、後ほど説明しますが、融資時に取られる事務手数料まで払うなんて馬鹿馬鹿しいと思われても当然と理解できます。
でも、もしあなたの会社が月末資金ショートの懸念が出て、取引銀行に追加融資を頼んだのに、「今度の決算が出てからにしてほしい」
「保証枠がないから難しい」
などと、本来、友好的な関係であれば、いの一番に頼りになるはずの銀行から謝絶されたのですから、この状況は、あなたが思っているより以上に、あなたの会社の金融上の置かれた立場は厳しい状況で、本当はかなりの非常事態なのです。
だから、金利は高いけれで、銀行融資に頼らない資金調達として、より多くの会社が検討できる売掛担保融資やファクタリング、そして、何よりも審査がシンプルで、実行までの時間もかからず、しかも長い期間借りることで返済額も抑えられる、不動産担保融資を毛嫌いしてほしくないと思って、まずは、不動産担保融資は金利が高い分、長く借りれる可能性があるから金利の問題だけでパスしないでほしい。
使い方を考えれば、非常に有効な手段になるとお伝えしたく、1回目で不動産担保融資の調達コストの問題を書いたのです。
今日の2回目は、不動産担保融資の内容について説明したいと思います。
ノンバンクの不動産担保融資とはどのようなものか?
これについては当ブログでも再三再四記事にしてきました。
ただ、1年、いや半年の間でも、いや、1ヶ月の間でも、融資条件はけっこう変化していますので、これから書くのが最新版のノンバンクの不動産担保融資の説明とご理解ください。
不動産担保融資とは
1.現在の不動産担保融資のサービスをしている代表的な会社
三井住友トラストL&F、ASAX、新生プロパティファイナンス、セムコーポレーション、日本保証など
2.代表的なノンバンクの法人向けの商品例
・対象となるお客さま 法人
・主な資金使途
事業の運転資金
新規開業資金
賃貸物件の購入からリフォーム工事の資金
納税、借換えなどの資金ニーズにも対応
・融資金額 300万円~3億円
・期間 1年~25年(12回~300回)
・金利(年率) 短期プライムレート+3.00%~7.00%
・事務手数料 融資金額の2.00%+消費税
・実質年率 年15.00%以下
・期限前返済違約金 0.00%~3.00%
・遅延損害金 年20.00%
・返済方法 元金据置一括(最長2年)、元利均等、元金均等
・保証人
原則不要。代表者の方に連帯保証人をお願いします。また、担保提供者の方にも連帯保証人をお願いします。
3.担保不動産の対象地域
・主に東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の不動産
あとは、関西圏、中部圏の不動産
・全国対応のノンバンクもありますが、どのような不動産でも対象になるのではなく、
単価10万円以上の地域にある不動産
次回は不動産担保融資になりにくい担保不動産の話をします。