資金調達の現実 4 (なぜ貸金業者は狙い撃ちされたか?) | 思うように資金調達ができない方へ

資金調達の現実 4 (なぜ貸金業者は狙い撃ちされたか?)

5月16日


昨日の関連の話です。

まずは、日経の記事をお読みください。 

 

消費者金融、金融庁が初の改善命令・三和は業務停止に

金融庁は16日にも消費者金融準大手の三和ファイナンス(東京・新宿)の一部店舗に業務停止命令、大手の武富士に業務改善命令をそれぞれ発動する。貸金業者に対する改善命令は初めて。三和では一部の支店で悪質な取り立て行為が発覚。武富士では債務者との交渉の内容を適切に記録できていない例などが判明した。

 金融庁は過剰な貸し付けや悪質な取り立てなどで社会問題化した貸金業界の健全化に取り組み、規制を強化する貸金業法が2006年に国会で成立した。しかし今回の処分によって健全化が道半ばであることが浮き彫りになった。

 

この記事を読んで改めて思うのは、

この期に及んでも、まだ悪質な取立てをする阿呆な貸金業の会社があるのだと驚きませんか?

それだけ経営が厳しくなっているのかもしれませんが、

こんなことをすれば、記事にもあるように貸金業界の健全化はまだ道半ばと、

もっと国の厳しい監理監督が必要と、厳しい対応をされると思わないのか不思議で、

本当に馬鹿な業界だなと、今更ながら思ってしまいます。

消費者金融各社に厳しすぎると言う声もある中、

悪質な取立て、要は人権問題に抵触しそうなことをすれば、

もっと厳しく指導しなければならないと国や監督官庁が喜ぶだけなのに、

馬鹿につける薬はないとはまさに三和ファイナンスのような会社を言うのだと思ってしまいます。
 

昨日の続きですが、今商工ローンや今日問題になっている消費者金融各社の経営は、

かなり厳しいものがあります。

その原因は資金調達が非常に困難になっているからです。

特にメガバンクなど銀行は、はっきり言って、

独立系の貸金業者など今は邪魔で仕方がないはずで、

金融庁から業務停止命令を受けるような会社には融資はできないと、

融資を止める言い訳ができて喜んでいると思います。

貸金業者の場合、銀行が直接にしろ迂回にしろ、

融資を止めれば弱体化したり破綻するのは明らかで、

銀行の胸三寸で潰すのは簡単です。


あくまでも私の勝手な想像なので、

正しいかどうかはそれこそ何年か経ってみないと分らないと思いますが、

私は多分5年もすれば大手で独立系の事業ローンを行う貸金業者や、

大手消費者金融各社はなくなるか、

どこかの銀行の傘下に入る以外に生きる道はなくなっていると思っています。

 

最初は、銀行各社だって、特に消費者金融の会社が、あるいは業界が、

こんなに大きくなるとは思っていなかったと思います。

当然ながら、銀行は消費者金融各社の風評に対する懸念や経営者の属性の問題もあって、

ノンバンクを迂回して貸し込んだのです。

ところが銀行の最も収益源であった大手企業への融資が、

大手企業各社の資金調達の多様化により銀行離れが顕著になってきたのと、

貸しても高い金利が取れないから儲からない半面、

消費者金融各社への融資は迂回融資でもエンドの金利が高いから、

ものすごく儲かることが分ったのでしょう。

 

ただ銀行は消費者金融のノウハウも顧客データーも持ち合わせていないから、

自前ではできないと思っていたけれど、

消費者金融各社の成長を見て、これは自前でやるべきだと思ったのも当然だったと思います。

ノウハウも顧客データも持ってしまえば、自前でやれば当然、より儲かるのですから、

この辺りから、進出機会を狙い、消費者金融など貸金業潰しが始まったのだと私は思っています。

 

みずほだけは消費者金融事業には、まだ確か進出していませんが、

その流れで、三井住友はプロミス、三菱東京UFJはアコムと言う具合に囲い込みが始まり、

それから、三井住友はアットローンや自前のローン、

三菱東京UFJはキャッシュワンと、三井住友同様、消費者金融事業に参入し、

ここで、上限金利を出資法の29.2%から利息制限法の15%(100万円以上)にすれば、

消費者金融各社は銀行のローンとの棲み分けができなくなるから、

銀行は圧倒的な競争力を持つことになり、

そしてご存知の通りグレーゾーン金利は違法となったのです。

さらに消費者金融各社への融資をしないようにすれば、消費者金融各社は自然と弱体化し、

いずれ囲い込むか排除していけば、まさにメガバンク独占でそのメリットは計り知れませんし、

消費者金融各社はあまりにも質が悪く、社会問題化してきたので、

ここで国とメガバンクなど銀行の思惑は一致して、

その流れが貸金業の規制の強化になったように私は思っています。
 

もちろん、大手となると質は低くても上場企業には違いないから、

理由もなく排除することは国もできないので、

何かないかと思ったら、消費者金融各社のお粗末な取立てなど、

潰したり、株価を下げても十分に国民を納得させるような事態が相次ぎ、

一気に厳しい対応ができるようになったのだと思います。

しかしながら、私は違う見解を持っていますが、

貸金業の規制強化は景気の悪化にもつながっていると言う声が出始め、

やりすぎだと言う批判が出て、若干貸金業各社に対する同情の風潮まで出てきていたし、

消費者金融大手各社の決算も黒字転化したので、まずいと思っていた矢先、

今回のように業務停止命令や改善命令を出せるようなことをしてくれたわけで、

国と銀行にしてみれば、まさに飛んで火にいる夏の虫で、渡りに船だと思います。

 

みずほは今後この市場についてどのようなアクションを考えているのか分りませんが、

ゆうちょ銀行なんか日本全国に店舗があるから、進出すればインパクトはすごいでしょうね。

何かこのように考えてくると、最近の貸金業への規制が厳しくなってくる理由が、

確かに顧客保護と言うことも言えますが、

一連の流れは銀行に消費者金融事業を独占させるためのことであったと私は思います。

もちろん事業ローンも同様です。

 

あまり確信の持てないことは言わない方が良いかもしれませんが、

確かに消費者金融や商工ローンなど貸金業の創業者の中には、

成功したから過去は問われないが、

決して身綺麗に生きてきたとは言えない人もいるようですし、

パチンコや不動産の大手もそうですが、

コンプラ上感心できない人とのお付き合いやお金が流れるようなことがないとは言えません。

かなりオブラートに包んだ書き方になってしまいますが、

新興成金への制裁とも思える国の対応は否定出来ないと私は感じています。

結局のところ、美味しい事業を新興成金から、

以前から脈々と続いているエスタブリッシュメントへ移行するのが、

貸金業規正法強化の本当の狙いではなかったかと勝手に思っています。

こんなことから、独立系の消費者金融各社にしても事業ローン各社にしても、

すべてなくなったり、銀行を中心に再編されるとは言いませんが、

少なくとも今よりもこれらの貸金業各社に追い風が吹くとは思えず、

このような会社からの資金だけでお金を回しているような会社や個人の方は、

根本的に資金調達の方策を検討しないと、

今までお金を貸してくれていたところが急に貸せないと言ってくるケースは、

今後はますます増えると思いますので、十分注意していただきたいと思います。


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