銀行融資のポイント 流動資産の査定 | 思うように資金調達ができない方へ

銀行融資のポイント 流動資産の査定

4月12日

このブログは体系的に整理して書いているわけではありませんから、

書いた本人の私でも、いつ何を書いたか、あるいはあるテーマがあったとして、

そのテーマをいつ書いたかは分からず、今日書く話題も何度か書いていることですが、

銀行融資の一つのポイントとして大切なことなので、改めて書くことにしました。

ちょうど今やっている二つの案件で直面していることなので、ご参考になると思います。


会社を経営し、銀行に融資の打診をしたことのある方であればご存知の通り、

銀行から融資を受ける最低条件は、保証協会の創業支援制度などを除けば、

会社設立して2期決算を経過しないとまずはお話になりません。

そしてもう一つ重要な最低条件は債務超過でないことです。


今日はこの債務超過でないことに関連する話をしたいと思います。

まず言いたいことは、

銀行は決算書を見る時、資本の部がマイナスになっているかどうかだけをチェックして、

債務超過かそうでないかを判定しているわけでは決してありません。


もちろん、資本の部が真っ赤っかであれば問題外ですが、

総資本と比較して資本の分が厚くないケースでは、間違いなく資産査定を厳格に行います。

理由は資本の部が薄ければ、資産の数字が少しぶれただけで、

すぐに債務超過になる懸念があるからです。


固定資産はもちろんですが、今日お話したいのは流動資産の資産査定です。

流動資産はバランスシートを見ていただくと、

上から順番に、現金・銀行預金・受取手形・売掛金・有価証券・在庫・その他の順番に並んでいます。

これは現金化しやすい順番に並んでいると思っていただいて良いのですが、

現金や預金はもちろん現金そのものなので問題ありませんが、

受取手形・売掛金以降については、計上されている数字が、

本当にそれだけの価値があるかどうか銀行は非常に興味を持ちます。

 

受取手形については不渡りになったり、ジャンプされる懸念がないかどうか、

あるいは何度もジャンプされているのではないかなどをチェックします。

また売掛金いついては、本当に回収できる債権なのかどうかをチェックします。

たとえば、売掛金計上されていても、1年も2年も未回収であれば、

この売掛金は実際のところ回収できないから、

今は資産ではないのではないかとチェックが入ります。

有価証券も現在のように株価が概ね下がっている環境では、

もちろん時価で計算するとどうなのか、

また在庫も本当に売れる在庫なのか、あるいはその時価はどうかはチェックされます。 

特に利益調整(悪く言えば粉飾)を、この在庫で行っている会社が多いから、

在庫の数字が大きければ大きいほど、また流動資産に占める在庫の数字が大きいほど、

間違いなくチェックされるポイントになると思います。

 

そして、ここからが今日の主題なのですが、

今お手伝いをしている2つの会社で問題になっていることなのですが、

その他、つまり前渡金、短期貸付金、未収入金、仮払金などの中に、

大きな金額を計上されているものがある場合の話です。

一社は短期貸付金にあり、もう一社は前渡金にあります。

まずは、短期貸付金の会社の話です。

この会社は売上は前期で16億円上げている中堅の会社で、

株式公開を見据えて、上場準備に入っている会社です。

短期貸付金は、役員の一人に貸し付けられていて、その金額は3000万円ほどです。

ですから、年商から見れば、決して大きな金額ではありませんが、

役員個人にお金が出ているにしては金額が大きいのと、

何よりも年々増えていて、出す一方でまったく返済を受けていないことが問題になっています。

おまけにこの会社、売上の割には資本金が2000万円弱で資本の部も3000万円程度しかなく、

これだと銀行にしてみれば、この短期貸付金が回収できない不良資産と考えれば、

実質上は債務超過の会社ではないかと判定されていて、

融資が受けにくい状況になっています。

 

もう一社は前渡金に約1億円の計上があって、ここ2期数字が動いていない、

まったく回収できていない状況にあります。

この会社は年商約6億ですから数字としても大きいのですが、

ただ先ほどの会社のように自社の役員個人に貸し込んだと言った、

不明朗な資金供出ではなく、新規事業のために盛業中の会社に出した、

真っ当な支出でもあり資産でもあるのですが、

新規事業の公的な許可がまだ下りていない状況で新規事業が止まっていて、

回収がまったくなされていない状況にあります。

とは言え、2期も数字が動いていないとなると、銀行は不良資産ではないかと疑うわけです。

この会社ももう1社よりは大きな資本金になっていますが、

でもこの前渡金が回収できないとなるとやはり債務超過の懸念を持たれます。

このため新規での銀行取引がなかなか上手くいかない状況になっているのです。

ここでこの2社のケースで何が言えるかと言うと、

まずは大きな金額の前渡金、短期貸付金、未収入金、仮払金などに該当す出金をしないことです。

このことが一番需要なのですが、もしせざる得ない状況の時は、

その出金した額に見合う資本増強を必ずしておくことです。

そして、できるだけ決算をまたがない様にする事と、

間違っても2期も3期もそのままの数字で残して置かないことが重要です。

せめて少しずつでも回収するか、銀行から指摘されるくらいなら、

税法上可能なケースでは償却してしまうことです。

あるいは、可能なら何らかの方法でオフバラ化した方が良いですね。

なお、方法は顧問の公認会計士か税理士の先生に相談してください。
 

そして最後になりますが、少し銀行に言いたいことがあります。

実はこの2社双方とも支店は違いますが、

同じ銀行で過去1年以内に新規取引NGになっています。

でも、双方の会社とも、なぜNGなのか、銀行から説明を受けていないんですね。

ここが私は常々疑問に思っているところなのですが、

おそらくよほど元々親しくしていない限り、銀行は顧客に、なぜ融資がNGなのか、

明瞭な説明をしたがらない傾向がなぜかあって、

そのくせ、我々のような、本来なら言ってはならない者には言うのだから、

真に変な習慣だと私は思っています。

私の記憶が間違いでなければ、確か顧客から融資のNGの理由を聞かれたら、

誠実に対応し、正確な説明をするようにと、

金融庁からの通達か指導かは定かではありませんが、出ている筈なのに、

どうして本人なのに説明しないかいつも不思議に思っています。

融資がNGの理由を聞いたら、

当行の基準に合わないからだって、ふざけるなと思いませんか。

当行の基準さえ正確に開示していないのに、これじゃ説明していないのと同じですよね。

この部分は、多分銀行特有の独善的かつ保守的、

かつ過剰反応をする体質からの理屈があるんでしょうが、

顧客に融資をできない訳を正面から言ってあげることは、とても大切なサービスと思います。

サービスと言うよりも、義務でもあると思うのですが、どう思われますか?・・・・

  

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