本当に統合した伊勢丹と三越
何度か書いたことがありますが私は大学を卒業して2年間弱、
高島屋の管理部門で働いた経験があります。
生家がサラリーマンとは程遠い環境であったし、
私自身極めてわがままで、よく言えば独立心が高く、
おまけに父が経営していた会社の一部門を任されるような話もあって、
大卒で入社した東京支店の男性社員の中で一番早く退社したのは、
高島屋には悪かったのですが、ほぼ予定通りの行動でした。
ただ配属されたのが売り場であれば、多分もっと長く勤めていたか、
今年の定年までひょっとしたらくびにでもならなければ在籍していたかも知れず、
管理部門に配属されたのは私にとっては致命的で、
コースとしては良かったみたいですが、肝心の百貨店の営業に魅力を感じていたから、
早々に退社した訳です。
だから、わずか2年の在籍でしたが、百貨店業界にいたこともあり、
今でも百貨店業界の動向や百貨店の経営にはかなり興味があって、
定期的に様々な記事を読んだりしたり、新しい店舗があれば見に行ったりしています。
そんな中、私の認識では伊勢丹と三越の経営統合は、
聞いた時かなり驚きましたね。
そもそもここ数年の三越の不振はひどく、
私が高島屋にいた頃のダントツだった存在から考えると、
その凋落振りは激しく、いずれは高島屋か大丸と経営統合するかなと思っていました。
いろんな見方があると思いますが、
伊勢丹も呉服店出身で、その意味では高島屋・三越・大丸・松坂屋と同じですが、
昔の伊勢丹は知りませんが、呉服の営業の存在感が、他の4つの百貨店と比較すると少ないし、
美術品や絵画や宝石貴金属のイメージも希薄で、
多分年配の人に聞くと、今では押しも押されないナンバーワンのイメージですが、
どちらかと言えば高級デパートと言うイメージはなく二流の百貨店だったのに・・・・、
と言う認識が強いと思います。
だから多分三越の社員にしてみれば、
伊勢丹に救済合併されたような現状は容認しにくかったと思います。
でも三越は本当にここ数年、ダメな百貨店になっていたように思います。
一番何がダメかと言うと、全国にいっぱい店舗はあるものの、
まともな店舗の数は本当に少なく、
多分東京日本橋の本店で、全店のほとんど収益を上げているのではないかと思います。
もちろん、全国くまなく各店舗を見たわけではありませんが、
まだまともなのは名古屋店と福岡店ぐらいで、銀座店だって地下と1階はまだしも、
上のフロアに行くと田舎百貨店丸出しのイモ臭い売り場で、
なんで天下の三越がとびっくりしていましたね。
でも名門意識の強い体質の会社だから、
伊勢丹と経営統合が決まった頃から、
伊勢丹はファッションは上手いけど、高級品については三越の方が得意だと言うような、
三越の社員の話とかが記事にもなって、
大手百貨店では一人負けしていたから、あるにはあっても、
直ちに倒産なんて状況ではないから、
私は60・40で経営統合しないと踏んでいたので、
本当に経営統合したことを見ると、相当三越の社員も危機感が強かったのだと思います。
一方伊勢丹の素晴らしさは周知の通りですが、
ここも三越同様、新宿の本店一店への依存度の高い体質は同じで、
伊勢丹にしてみると、この経営統合は非常にメリットがあると思います。
まさに資産の三越をソフトの伊勢丹が凌駕したわけですから、
伊勢丹のメリットは計り知れないと思います。
確かに良いハードを持っていても、良いソフト(ノウハウ)がなければ経営になりませんが、
ノウハウを持つものが一挙に良質のハードを手に入れた訳ですから、
これはすごいことですよね。
このことを言い換えると、三越は人材よりも資産に強みがあり、
伊勢丹は資産よりも人材に強みがあったことになり、
遅かれ早かれ、よほどのことがなければ、
伊勢丹出身者でいずれ要職は占められていくと思います。
このようなことが予想されるのに、経営統合が実現したことは、
繰り返しになりますが、三越の危機感は相当だったんでしょうね。
この経営統合で、三越は悲願であった大阪店の再開のめども立ったし、
何よりも銀座店のリニューアル、いやリニューアルと言うよりも再開発に近いと思いますが、
の目処がたったと思います。
前にも書きましたが、銀座と言う地域は一等地ですが、
大型店がなかったこともあった上、
銀座の街自体が百貨店のような性格の街で、
普通の百貨店では存在感を出すことが非常に難しい地域であったと思います。
普通の百貨店が強みにする高級ブランドのショップだけに頼っていたら、
高級ブランドの日本の本店のような店舗が銀座の街には点在しているわけですから、
もっと高級ブランドに頼らない店作りをしないと成功するはずがなく、
その意味では、独自のノウハウで世界各地から良い物を集めることが、
銀座で百貨店を成功させる必要条件だったと思うのです。
だから、このノウハウに優れる伊勢丹なら、
銀座でも存在感のある、ものすごく魅力のある店作りは可能で、
この意味では、今回の経営統合の最大のメリットは、
新しい銀座店の創造になり、今までの百貨店の殻を抜け出る存在の店舗ができることだと思います。
さらに銀座店は拡張して大型店の最低ラインの5万平米の売り場面積も持つから、
このインパクトは相当強いと思います。
これは、高島屋や大丸・松坂屋にとって見れば脅威だと思いますよ。
ただ、新宿の伊勢丹本店や日本橋の三越本店に与える影響力も強いから、
この辺りの棲み分けをどうするかにも注目しています。
参考までに、この経営統合の記事をどうぞ。
三越伊勢丹HD会長「統合、果実は2年後」
1日に誕生した三越伊勢丹ホールディングス(HD)の武藤信一会長兼最高経営責任者(CEO、伊勢丹社長)と石塚邦雄社長兼最高執行責任者(COO、三越社長)は同日記者会見した。武藤会長は「経営統合の果実は2年後」と述べ、システムなどを一本化する2010年からはっきりした統合効果が表れるとの考えを示した。
武藤会長は統合の目的は「顧客満足の最大化」と強調。高級ブランドに独自企画商品を導入するなどの短期的効果が見込めるものの、目に見えた効果が出るのに2年はかかると表明。10年秋に増床開業する三越銀座店がは「統合のシンボルになる」と述べた。
お願い
お一人でも多くの方にお読みいただけますよう、ブログランキングに参加しています。
☆クリックよろしくおねがいします m(_ _ )m
¥1,470
Amazon.co.jp


