無担保・無保証融資の難しさ | 思うように資金調達ができない方へ

無担保・無保証融資の難しさ

3月25日

新銀行東京が経営難に陥った理由を、無担保・無保証融資に偏ったことと反省し、

今後の融資は有担保・有保証しかやらない方針を出しました。

しかしこんなことでは、新銀行東京は質屋とほとんど変わらない事になります。

要は質草、つまり不動産担保か保証協会の保証などがなければ融資しないわけで、

これじゃ、他の銀行と一つも変わらなくなり、

新銀行東京は他行との差別化を何に求めるのか理解に苦しんでしまいます。
 

まあ、新銀行東京のことはさておき、

せっかく中小企業への無担保・無保証融資であったビジネスローンが一般化してきたのに、

最近の銀行の質屋的ビジネスモデルへの回帰は顕著で、

いったいどうしたんだと思ってしまいます。 

中には、保証協会の保証がOKであるのに、融資を断るケースもあり、

さらにどうしたんだと思ってしまいます。

ご存知の方も多いと思いますが、

これは昨年の10月から、保証協会保証付融資は、100%保証協会が保証するのではなく、

20%を銀行がリスク負担することになったことによる影響が大きいと思います。
 

銀行が20%のリスクを負担するようになったことで、顧客にしてみれば、

以前のように、保証協会の保証が不要であったビジネスローンとか、

保証協会の保証があれば、銀行はノーリスクで融資ができた状況と比較すると、

銀行の審査と保証協会の審査を両方ともパスせねばならず、

この整合性というか、関係がイマイチスムーズじゃないので、

NGになる確率は倍に増え、時間もかかるようになったように思います。

銀行と保証協会の見解が違うケース多発で本当に面倒になったように感じます。

 

弊社の案件でも、保証協会はOKなのに銀行がNG、

その逆の銀行はOKなのに保証協会はNGということが頻繁に起こり、

まるで改正建築基準法の運用の失敗で、

マンションも戸建も着工件数が激減したこととよく似ていて、

中小企業の活動への大きな阻害要因になっているように感じます。

 

私はかねてからこのブログで書いているように、極端ですが保証協会不要論者です。

その理由は、この組織の理屈や考え方が極めて役人的で、

根本的に何を根拠に審査しているのか分からないようなところが多過ぎるからです。

銀行よりももっと硬直的で事務的で、

小渕内閣の時の安定化資金のように、ろくに審査もせず保証をしたケースもあれば、

一旦債権放棄した民事再生を終結した企業に対しても、

求償債権を完済しなければ保証をしないなど、

この辺りは民事再生法と言う法律の趣旨を踏みにじることでもあり、

本当に理解に苦しみます。

とにかく民間の普通の常識が極めて通りにくく、

中小企業の融資が保証協会に今のように依存している状況は、

経済の活性化の邪魔になっているとしか私には思えないのです。

 

そして、この保証協会の存在が、

日本の銀行や信用金庫の審査能力やノウハウ構築の邪魔といっては言い過ぎかも知れませんが、

100%ノーリスクで融資ができた訳ですから、

銀行の質屋化が進んだ元凶とも私は思っています。

こんなことから、日本の銀行の審査能力は本当に進んでいません。

確かに、新銀行東京も失敗したし、

一時ORIXも無担保・無保証で運転資金を中小企業に貸し付けたことがありましたが、

事故が多発して、今はこのようなサービスはやらなくなっています。

メガバンクも地銀も一時無担保・無保証のビジネスローンに力を入れていましたが、

今やほぼ機能不全になっているのは、これについて公式な発表を私は知りませんが、

多分デフォルトが多発したことが原因ではないかと思います。

確かに無担保無保証の融資は買い手にとって見れば難しいのだと思います。

しかし、デフォルトが多くなったから、無担保無保証の融資が間違っているのではありません。

審査方法を改善に力を入れれば良いのであって、

無担保無保証の融資を放棄して、有担保・有保証の融資に戻ることは違っていると思い、

本当に残念に思います。
 

確かにビジネスローンの審査方法は、

スコアリングと言う、ほぼ決算書の数字のみの審査で融資の可否を決定していたので、

経営者と行員の接点が希薄になったことと相まって、

粉飾決算をしている会社にも融資したような事故が増えたのは分かりますが、

あくまでもこれは、審査方法の成熟度が足りなかっただけで、

無担保・無保証の融資というビジネスモデルが間違っていたのではありません。


何か新銀行東京の記事を読んでいると、

いかにも無担保無保証の融資がいけないことのように書いてあるように感じますが、

これは間違っていると思います。

あくまでも審査の体制やノウハウややり方が未熟であっただけで、

新銀行東京もそうですが、他の銀行や信金も、

不動産担保や保証協会に頼らない、無担保無保証融資の審査力の向上を目指して欲しいところです。

日本の経済の活性化には、中小企業のダイナミックな活動は不可欠です。

このような活性化のためにも、銀行の無担保無保証融資は欠かせないことで、

質屋に回帰するような風潮だけは止めて欲しいし、

金融庁もこの部分を活性化するような政策を考える必要が本当にあると思います。

 

今のような状況が続くなら、日本の中小企業は駄目になってしまう懸念をすごく感じています。

  

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