新銀行東京の話
新銀行東京に対して東京都は出資する方向を決めたようです。
まずは記事をお読みください。
新銀行東京、都に増資要請を検討経営難で数百億年規模
2008年02月13日03時01分
東京都が1000億円を出資して設立し、経営難に陥っている新銀行東京が、都に増資の引き受けを求める方向で調整に入った。累積赤字が昨年9月中間決算で936億円となり、増資で経営安定化を図る方針だ。しかし、増資が再建につながるか不透明で、都は対応を検討する。
関係者によると、新銀行東京は数百億円規模の増資を求める方針。銀行側は、ファンドを含めた企業グループにも経営強化に向けた接触をしてきたが、協議が進まず、都側と調整を続けている。また、中期経営計画の抜本的な見直しにも着手する予定だ。
都は、追加の税投入の是非を検討。都単独の増資か、他の民間企業と協調した経営強化かなど調整を続けている。
新銀行東京は石原慎太郎知事が2期目の公約に掲げ、資金繰りに苦しむ中小企業支援を目的に05年4月に営業開始。無担保無保証の融資を看板商品としたが審査が甘く、多くの貸し倒れが発生、経営悪化が懸念されている。
今日は、新聞等で書かれている、石原都知事の責任問題とか、
新銀行東京の件についての批判とは別に、
資金調達をお手伝いする立場から見た新銀行東京の問題を、
少し別の角度から考えてみたいと思います。
この銀行が開業されたのは、まだ3年ほど前の2005年4月で、
3年弱で1000億円程度の累積赤字を負ったことになります。
この銀行はそもそも都銀(今のメガバンク)や地方銀行などの、
中小企業に対する貸し渋り状況を打破する目的で設立された経緯があり、
この構想ができた2003年の頃は、本当に必要とされた状況にあったと思います。
ただちょうどこの頃、巨額の不良債権から身動き取れなかったメガバンクも業績を回復してきた頃で、
新銀行東京が開業した2005年は、メガバンクもビジネスローンと言う形で、
中小企業への無担保融資を急激に推進するようになった時期でもあったため、
構想ができた2003年頃なら非常に競争力のあったビジネスモデルでも、
開業した途端、既存のメガバンクと真っ向から勝負する状況下になったので、
特に目新しいビジネスモデルではなくなっていたと言うのが私の感想です。
だから、私のような仕事をしていて感じたのは、
最初こそ、少し存在感はあったものの、
開業1年も経つと、私なんかの頭の中でも存在感はなく、
メガバンクと取引できない会社に対してのみ、
新銀行東京を紹介したように記憶しています。
何がそうさせたかと言うと、
ずばり言って、審査基準が本当に分からない銀行だったことが、まず問題でしたね。
他の銀行だと、我々のような立場でも、
OKかNGか、ほぼ予想がつくのですが、この銀行だけはまったく何を基準に審査しているのか、
さっぱり分からず、この会社なら大丈夫だろうと思った案件がNGとなり、
駄目もとと思って打診した案件がOKになるようなことがすごくありましたね。
これには面白い話があって、
融資を受け付ける係りの元都銀の行員も、
「うちの銀行は審査基準がイマイチ分からないんですよね」なんて言っていたことからも、
多分銀行の審査基準自体が、行内的に明確でなかったか、
審査基準は明確にあったが、メガバンクなどとの競争激化で、
ちょうどバブル期の銀行のように、ともかく融資残を増やすような意識が強すぎて、
審査が混乱していたのかも知れません。
それと何よりも問題であったのは、
多分、融資する資金の調達コストが高かったのか、
金利が概ね高く、良い取引先が確保しにくかったことだと思います。
もともと、他の銀行が貸さない会社に融資することに、その存在意義があったのは確かですが、
でも銀行の経営の観点から見れば、絶対に安定的な収益源になる優良顧客の存在は必要で、
この層の顧客を上手く取り込めなかったことが、
多分実質破綻するまでの状況になった大きな原因かと思います。
開業したての頃はまだ良かったのですが、
昨年の3月には業績悪化の責任を問われて、
トヨタ出身の経営者が更迭され、りそな銀行出身の経営者が就任しましたが、
この頃になると、融資限度額も大幅に減額され、
この頃には案件の紹介をまったくしなくなっていたから、よく分からないものの、
私なんかは新銀行東京は開店休業をしているかのような印象を持つようになっていましたね。
でも、他の銀行が融資に慎重になってきているから、本当はこれからこそ、
新銀行東京の出番のように思います。
これから数年は、少し審査の観点やルールを他の銀行と差別化し、
審査方法を変更すれば良い顧客が取り込めると思います。
でも数百億円レベルの出資じゃあかんでしようね。
たぶん縮小均衡のような状況になり、結局数年後には解散するようなことになる予感がします。
石原都知事にしても、批判が大きいだけに、
思い切ったことが出来ないでいるみたいですが、
ここまで累積赤字がどんどんかさむ様な状態になった会社を再建するには、
本当は事業を止めるか、債務を圧縮して再出発するか、
さもなければ、大幅に資本増強をする以外に方法はなく、
たぶん出資額は300~400億円前後になるようですが、
このような中途半端な額なら、出資するお金はどぶに捨てるようなものだから、
解散した方が良いと私なんかは思います。
中途半端な資本増強は抜本的な経営改革や転換にはつながらず、
どうしても今までのやり方を踏襲するようなことになるから、非常に下手なやり方ですよね。
1年くらい経って赤字体質に変化がないようなら解散と腹をくくっているのならまだ良いのですが、
また同じ額程度の出資で先延ばしをするような気なら、
今その分を含めて増資するべきじゃないかと、私は思います。
本当はこれから融資環境が悪くなる中小企業の支えになって欲しい銀行なので、
事業を継続するのなら思い切った増資をして、
新しく開業するような体制で望んで欲しいと思います。
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