社会的役割を果たしていない銀行 | 思うように資金調達ができない方へ

社会的役割を果たしていない銀行

2月9日

日本の銀行は本当に情けない存在だとつくづく思います。

失われていた10年を経過して、少しは進歩したかと思いましたが、

こと事業会社への融資という点で言えば、一つも進歩していないのではないでしょうか。

 

ご存知のように、サブプライマリーローンの破綻問題で、

アメリカが、低所得者向けの住宅ローンはもちろん、不動産向け融資全体が収縮するのはよく分かります。


また、サブプライマリーローンの破綻問題の余波を受けたヨーロッパでも、

アメリカ同様不動産向け融資が少なくなるのも分かります。


さらに、このサブプライマリーローン問題の影響がそれ程出ていない日本でも、

サブプライムローン問題とは別に、

不動産が加熱したことで、不動産向け融資がネガティブになっていることについて、

今のような総量規制的なやり方が正しいとは思っていませんが、でもまだ理解できます。

 

しかしながら、普通の事業会社向け融資自体まで融資をしなくなっている銀行は少し変で、

考え違いをしていると思います。

もし、この方針が金融庁の指示だとするのなら、

また馬鹿役人のミスリードがなされているとしか思えません。

 

この間も書いたのでご記憶にあるかもしれませんが、

最近銀行は、新規取引にものすごく慎重で、

特に不動産バブルとは無関係な、普通の事業会社への融資も、

何が何でも保証協会の保証付でないと融資しない状況になっています。

 

せっかく数年前に、保証協会の保証付きでなくても、

自らの判断でリスクを取って、融資をするようになったのに、

またまた昔に戻っているような印象を受けます。

 

実際問題、アメリカもヨーロッパも、

不動産融資は下落していますが、今言ったような、事業会社への普通の融資は、

両地域とも増えています。

であるのに、日本だけは不動産融資はもちろん、

事業会社に対する融資も前年よりも下がっていて、

このことが最近の景況感が悪くなっている一つの原因ではないかと思うのです。

 

もちろん日本の景況感が悪くなっているのは、

円高やアメリカの景気の下落、原油などの値上がり、

建築基準法の運用ミスによる建築許可が下りない問題なども原因と思いますが、

銀行融資の減少もとっても大きな原因ではないでしょうか。


不動産バブルがこけたり、株価が下落すれば経済がおかしくなる。

ある部分当然と言えば当然です。

資産が減少するわけですから、社会にお金が回りにくくなることにつながります。

だから、このような時にこそ、不動産バブルなどと無関係で、

かつ破綻懸念があるとは思えない会社に対しては、

普通以上に融資に積極的になる、つまりお金を回すように努力すべきだと私は思います。

でないと、以前のバブル崩壊の時と同じ状態になってしまうと、懸念してしまいます。

 

前回のバブルの時は、銀行も一緒になってバブルに参加していたから、

金融機関も大変な痛手を受けたので、融資をしたくてもできなかったことは分かります。

しかしながら、今回は日本の銀行が特に弱体化しているわけでもないのに、

貸し渋りにまい進して良いのかと思ってしまいます。

このことにより、中小企業やベンチャー企業の経営の経営がおかしくなるし、

せっかく成長過程にある会社の芽も摘んでしまっていると思います。

 

それと貸金業法の改正で、高金利の商工ローンが非常に融資しにくくなったことからも、

本来なら、銀行がこの部分の利用客の会社の中でも、

融資が可能と思われる会社を取り込むぐらいの考えがあっても良いのに、

商工ローンを利用する会社なんか、自分の客じゃないとばかり、

まったく目を向けないのも、社会的な責任を果たしているのかと言う観点から見れば、

少し違っているように感じます。

 

確かに商工ローンは、本来なら破綻していて良い会社の、

延命になっているということもないとは言いませんが、

弊社の顧客の中でもよくあるのは、

元々銀行が融資をしないから、仕方なしに商工ローンからの融資でしのぎ、

その後は順調に推移したり、発展している会社に対してさえ、

銀行は融資をしないことです。


商工ローンの利用が明らかになっているケースでは、

ほぼ銀行は融資をすることはありません。

 

だから一旦商工ローンを利用してしまうと、

ずっと商工ローンを利用せざる得ない状況を銀行が作っている側面もあって、

こんなことが、レベルの低い商工ローンの存在意義にもなっており、

銀行の社会的責任と言う見地から考えれば、

商工ローン利用者の顧客の中からも、融資できるところにはして行こうという視点がないのは、

本当に残念だし、銀行のビジネスの観点からしても不思議です。

 

日本経済は決して大企業だけで持っているわけではなく、

中小企業の技術などがあって初めて成り立っているような構造になっています。

だから、商工ローンの利用を余儀なくされている中小企業も元気でないといけないし、

このような中から発展して大企業になるような会社もないといけないと思うのですが、

銀行は、すでにある程度良いレベルになっている会社でなければ、

保証協会の保証がなければ融資をしないようなことをしていては、

経済が活性化するはずもありません。

 

最近日本の株式は外国人がどんどん売っているようで、

このことが株価のさえない動きにつながっていると思うのですが、

日本の銀行が普通の会社への事業融資をしなくなっている現状も、

経済が活性化しないという、市場として魅力を感じられない印象を与え、

売り越しが続くのも理解できます。

もちろん日本株の下落は、外資がサブプライムローンの損失補填のため、

日本市場での利益確定売りにつながっているとの指摘もありますが、

そんなことに関係なく、一昨年の年末くらいから始まった、

銀行の中小企業に対するネガティブな姿勢も大きな要因だと私は見ています。

 

私が関わるファイナンスアレンジメントの案件でも、

最近、なんで融資しないんだろうと思われるようなケースがやたら増えています。

たとえば、確かに2期前は一時債務超過状況になりましたが、

その後上手く資産を売却して利益を確定し、資本増強までした会社があります。

現状を見れば、粉飾でもしていない限り、

破綻なんかまったく懸念がないと思われるのに、

前々期の決算書の状況だけ見て、もう1期みないとできないとか、

本当に銀行ってなんでこんなに硬直した考えしかできないのか、

申し訳ないけれど、馬鹿じゃないかとさえ思ってしまいます。

今ここで資金注入をすれば、大きく伸びる可能性を感じる会社でも、

商工ローンからいっぱい借りているとか、

保証協会とリスケしているとか、前々期の決算が悪いからとか、

その内容もよく見ないで、一つの現象だけをNGを出す銀行。

苦境を乗り越えて、苦労して正常化してきた会社に対して

高金利の商工ローンから銀行の低利の資金に借換させれば、

一気に発展していく可能性があるのにも関わらず、

行内基準でNGなんて、本当に柔軟性に欠けていると思ってしまいます。

  

よく言われることですが、銀行の体質は、

まさに傘が必要な時に傘を貸さない状況にあり、

これって本当に容認されていて良いのでしょうか?

 

もし普通の事業会社で、顧客のニーズがある時に、

商品やサービスをタイムリーに提供できなかったとしたら、 

こんな事業会社は潰れていくと思うし、

消費者も株主もNGを出すはずです。

確かに銀行は取引時に債権も利益も確定せず、

長期間にわたり、債権の保全を考えないといけない性格があって、

他の業種とは違うことも理解はしているつもりでも、

でも銀行も今のまま、顧客のニーズを充足しないことがあたり前であってはならないと思います。

今のままなら、十数年前の銀行と何ら変わっていないと言われても仕方ない状況です。

 

でも、私の印象に過ぎないかもしれませんが、

バブル崩壊の頃までと比較すれば、銀行のサービスも多様化し、

大企業や大型案件に対する時のサービスは飛躍的に進んだと思いますし、

この部分を担当するスタッフもすごく柔軟で優秀な人が増えたと思います。

でも、こと中小企業やベンチャーが日ごろ接触する銀行は、

銀行もスタッフも以前と代わり映えせず、

未だに人事評価が減点法であるのか、本当に保守的で内向きで、

一時の進歩が、まさに後退した印象を受けてしまいます。

  

保証協会の保証がなければ新規融資はできない。

こんな状況は決して銀行の審査能力を高めていくことにはなりません。

この部分で鍛えられないと、それこそ外資の銀行と競争して勝ち抜くなんてことは夢又夢ですよね。 


それにメガバンクはじめ、ほとんどの銀行は公的資金の資本注入で生き延びてきた歴史を持っていて、

これって、銀行が社会にとって大切で頑張ってくれないと経済全体がおかしくなるからと言うことで、

公的資金=税金を投入されたのであって、

今こそ、積極的に事業会社への融資をする気概を持つ時期だと思うのに、

内向きになって、ただただ一切リスクを取らない銀行って、

何か間違っていると思いませんか?

   

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