楽天について
昨日楽天のTBSに対する経営統合が難しくなったと言う記事を読みました。
ホリエモンの時もそうでしたが、楽天はインターネット事業とテレビの融合のために、
経営統合した方がお互いに企業価値が上がるからと言っています。
理屈は分かるのですが、こじ付けの空理空論ぽくって、
こんなことより、楽天はTBSを傘下に置いて支配することだけを、
目的にしているような印象を受けて仕方がないのです。
新聞記事でも同じような懸念が書いてあります。
◇株主は楽天の具体策に疑問
「ネットと放送の融合」--。楽天の三木谷浩史社長は繰り返し、インターネット事業とテレビ局が提携する意義を訴え、株主の支持を取り付けようと試みたが、28日の総会では結局、2%程度の株主の賛同しか得られなかった。
総会でTBSのOBの株主は「楽天はTBSに乗り込んできて、具体的に何をやろうとしているのか」と疑問を投げかけた。ネットベンチャーの旗手だった三木谷社長は、放送と通信の融合について数年前から考えていたというが、業務提携の協議を重ねても、結局、「楽天トラベルと連携した紀行番組」程度の具体策しか打ち出すことができなかった。
ライブドアがフジテレビを傘下に収めようとした際も、「ネットと放送の融合」がうたい文句となったが、結局、実体のないまま交渉は決裂。こうした過去の事例に加え、三木谷社長がTBS株の保有にこだわったことがかえって反発や不信感を生む結果となった。TBS経営陣や株主の目には、個別・具体的な業務提携よりも、「最終的にTBSを支配することに関心を持っている」と映ったようだ。
私はアメリカのM&Aの実状に詳しいわけではありませんが、
聞いた話では、敵対的買収の成功率は非常に低く、
現在は流行らない手法になっているとのこと。
これは当然なことだと私は思います。
そもそも会社は株主のもので、
企業活動は何よりも株主に対するメリットを最大限にすることであると言う考え方が、
敵対的買収が成り立つ理屈だと私は理解しています。
でも会社は単なる金融商品ではなく、
顧客と経営者や従業員が日々入り混じって動く生命体でもあるから、
株主であればなんでもOKで、
株主が一番偉くメリットを一番享受して当然なんてことにはならないと思うのです。
顧客や経営者や従業員は、すべて感情を持っている人間なのだから・・・。
そもそも株主が何よりも一番と言う考え方は、
金融と軍事しか得意分野のないアメリカにとっては好都合な考え方で、
アメリカの生き残りのための屁理屈だと私は思っています。
日々努力して会社を発展させるより、
屁理屈をつけて、日々努力して発展している会社を、
上手く買取った方が手っ取り早いのは事実ですし、
これを売買すれば良いのですから・・・。
だからホリエモンにしても村上ファンドにしても、
すべてが悪かったわけではないし、確かに株主に対する配慮の少ない会社もあるから、
一石を投じたことは確かだと思います。
でも、会社の経営よりも会社をいかに傘下に置くかにしか興味がないように見えるので、
従業員から猛烈な反発があったのは当然だし、
社会の支持も得ることができないのも当然だと思うのです。特に日本では・・・。
よく話される陳腐化した話になるかもしれませんが、
手段を選ばず株式を買い取って、経営権を握ったら、
土足で今までの経営を否定して、何でもありと言うのは、
どうも私なんかにはピンと来ませんし、日本では多くの支持を得ることは難しいと思います。
アメリカ人だって、格差社会でそもそも、お金の力があるものには勝てないとあきらめているだけで、
本当はこのような敵対的買収には多くの従業員はNGなんじゃないかと思います。
だからここのところの株主総会で敵対的な買収の事案がほぼ全面的に拒絶され、
会社対ファンドについては裁判所も会社側の主張に軍配を上げているのは当然と思います。
私は楽天については、特に悪い感情を持っているわけではありませんが、
TBSの件については、ものすごくシンプルに感情的に言って、
何をいつまでしつこくやっているんだと言う感想を持っています。
私はTBSとの提携による、インターネットとテレビの融合については、
楽天が主張しているように経営統合などまったく意味がないと思っていて、
経営統合しないでも十分可能なことだと思っています。
だから、楽天の規模拡大とステータスアップが目的なのが見え見えで、
TBSが拒否するのは当たり前だと思います。
ともかく、楽天が主張する、経営統合よって生まれる合理的なメリットの説明がないのが、
私には致命的に思えてなりません。
さらに楽天がTBSとの経営統合にこだわる理由について、
分かりやすい記事があったのでお読みください。
TOBに成功するには少なくとも過半数の株を取得することが必要だが、その際の資金調達もネックになりそうだ。国内金融機関は「敵対的買収なら融資には応じられない」との立場で、外資系も「株価がここまで下がると、融資の理屈がつかない」(関係者)と慎重になっている。
TBSに経営統合を提案した05年10月当時、楽天株の時価総額は1兆超とTBSの倍近い規模だった。それが今では、約5000億円台に低落し、7000億円規模のTBSに逆転を許した。時価総額を背景に資金を調達し、その資金で企業を買収してきた好循環に、楽天はもはや頼れない。
楽天が傷を最小限にして攻防から降りる道は、TBS株を売却し、売却益を得て撤退するというシナリオ。楽天はTBS株購入に約1170億円を費やしたが、業務提携などの効果は得られず、株は「塩漬け」のままだ。だが、TBSの株価は購入時より上昇しており、全株を売却すれば、300億円程度の利益が得られる。「もう、TBSの株を売るしかない」(外資系アナリスト)との指摘も聞かれる。
しかし、楽天はそう動きそうにない。TBS株を20%超まで買い増して持ち分法適用会社にすれば、TBSの最終利益を株式保有率に応じて楽天の連結決算に算入できる。楽天の06年12月期の最終(当期)利益は86.1%減益。これまでけん引役だった楽天KCや楽天証券など金融事業が不振に陥るなか、楽天経営陣にとって、TBSの持ち分法適用会社化は一つの選択肢なのだ。
楽天関係者の一人は「経営の選択肢としても持っておくべきであり、長期保有が基本的な方針だ」と強調する。持ち分法適用会社にするため20%超まで買い増せば、TBSの買収防衛策の発動を招く可能性が高いが、「法廷闘争になれば勝つ」(楽天幹部)との自信が長期抗戦論を支えているようだ。
そうなんですよね。
前年の決算で楽天は決して良く儲かったとは言えず、
グループの収益力に陰りが見えるため、
一時的な株式譲渡によるキャピタルゲインよりも、
むしろ長期的なインカムゲインが上がるよう、収益力のある会社を買収する方が、
より楽天にとって魅力的なのは当然です。
確かに、楽天本体のネットショッピングモール事業は良いと思いますが、
関連会社で特に目を引く会社はありません。
『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べると次の通りです。
- 楽天証券ホールディングス 傘下に楽天証券 株式会社(旧 DLJディレクトSFG証券株式会社)を抱える。
- 楽天トラベル株式会社(旧 マイトリップ・ネット株式会社 他)
- 楽天KC株式会社(旧 国内信販株式会社)
- 楽天クレジット株式会社(旧 株式会社あおぞらカード)
- 株式会社楽天野球団(東北楽天ゴールデンイーグルス )
- 楽天ティービー
- LinkShareCorporation
- ドットコモディティ株式会社
- 楽天インシュアランスプランニング株式会社
- デジパ・ネットワークス
- 楽天オークション
そりゃここに、TBSが加われば楽天にとってはメリットが非常に大きいですよね。
こんな状況だから、楽天のTBS統合の目的は、
経営統合の結果生まれるメリットではなく、TBSの収益力であるとしたら、
TBSの株主も同意しないのは当然です。
TBSだって、目に見えるメリットがあればまだ良いでしょうが、
そのメリットはあまりなく、楽天だけが得するようで、
わざわざカルチャーの違う会社と一緒になるなんてこと容認するはずがないのも道理です。
結果としてどのようになるかは分かりませんが、
私は楽天が経営統合がTBSにも顧客など社会にもメリットがあることを説明できないのであれば、
この段階で経営統合を諦めたほうが良いように思いますが、いかがですか?
多くの一般顧客が対象の企業は、そのイメージの良し悪しが業績に与える影響は大きいので、、
社会の支持なき経営統合はリスクが大きいと思います。
楽天もここでミスリードしたら、ファイナンスにも懸念があるので、
大きなダメージを受けてしまうことになるような気がしてなりません。
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