増収増益続きの不動産会社は要注意・・・・????? | 思うように資金調達ができない方へ

増収増益続きの不動産会社は要注意・・・・?????

5月8日

今日書く話は、連休に入る前の5月2日に聞いた話ですが、

かなり興味深く、参考になる話だったので書くことにしました。

年商200億円前後の中堅不動産会社の事業部長の依頼で、

ある都市銀行の拠点の新規案件の決済権者を紹介したのですが、

この時、この決済権者が話した内容が、非常に興味深いものでした。

それは、

「不動産会社で増収増益を、毎期毎期速いスピードで上げている企業に対する格付けは、

実は10ポイントくらいマイナスに、銀行はネガティブに見てしまうんですよね・・・・」

という話です。

 

このことについて、紹介した不動産会社の事業部長は怪訝な顔???をしていましたが、

実はこの話は不動産会社の資金調達の大切なポイントを示唆しています。

実際問題、中堅の不動産会社が倍々ゲームのようなスピードで伸びていって、

ある時、壁にあたり、一挙に成長が止まるだけでなく、

中には信用不安が出てしまい、崩壊していくようなケースは、

不動産会社には往々にして、よくあるケースです。

(現在、不動産業界の方なら、某中堅不動産会社が崩壊し始めていることはご存知の通りですが、

この会社も、調達方法や、その調達先を見ると、まったくこの悪い例の代表的なケースです。)

 

なぜかと言えば、

オフバランスにしろコーポレートで調達するにしろ、

金額の大小はあるものの、

仲介専門以外の不動産会社の場合、

売上と利益を速いスピードで上げようとすると、

必ずそれに見合ったボリュームの土地を仕入たり、建物を建築したり、

要は商品としての不動産投資が必要となります。

つまり資産の部分があっという間に大きくなります。

 

つまり、大きな売上をしようとすればするほど、

仕入額も大きくなり、資産が大きくなる分、総資本の額が大きくなってしまいます。

仕入のスピードに資本の増えるスピードがついて行っている場合は良いのですが、

どちらかと言えば、不動産業の場合は、仕入の額自体が大きな額なので、

スピードが早い場合は、

資本政策上、どうしても資本を簡単には増やせないことが多く、

資産が増えた分、債務も増えるので、

財務上のバランスが狂い、

つまり資本の額が総資本額と比べて小さくなってしまい、

自己資本比率が非常に低くなってしまう傾向になりがちです。

(この日紹介した事業部長の会社も5%を切っています。)

 

このブログでは何度も書いているように、

自己資本比率が低い会社=融資ができない会社ということであって、

増収増益を続けている会社であっても、

銀行としては、融資ができない状況になってしまうのです。

 

誰のプレッシャーがかかっているのかは知りませんが、

金融庁は、金融機関の不動産の関連融資に対しては、

なぜか特に最近は異常にうるさく、

特に不動産評価に対しては非常に厳しいものがあります。

(こんなことをしていると、良い不動産はほとんどすべてが外資の手中に入ります。

政府や国の戦略性のなさもそうですが、怖くて逆らえない圧力があるのでしょうね・・・)

投資物件の収益性、あるいは流動性に対するチェックは、

想像以上に厳しくなっています。

このことは、不動産会社本体に対してだけでなく、ノンリコースのSPCに対しても同様です。

(この日の某都市銀行の決済権者も同じことを言っていました。)

 

この結果、融資先の不動産会社の融資の債権区分が、

自己資本比率の低い会社の場合だと、

物件評価のチェックによって評価が落ちた場合、

すぐに資本を食いつぶした形、つまり実質的に債務超過の会社と判定され、

過剰融資とか、危険性の高い買い付け債権と判断される訳ですから、

債権区分が落ちてしまいます。

この結果、直ちに銀行としては引当金を積み増さないといけなくなる関係上、

増収増益の不動産会社であっても、

融資がしたくとも、できなくなってしまうのです。

 

またノンリーコースでも、最近はエクイティーの割合が

以前のように15%とか20%では無理で、

ケースによっては50%を超えないと、危なくて貸せなくなっていると言うのが現状ですから、

コーポレートでもSPCでも、不動産会社にとって見ると、

資金調達が以前より本当に厳しくなっています。

 

このため、急成長している会社は、

増収増益を目指してやるのは良いのですが、

資本と、売上・仕入のバランスによく注意して、

ケースによっては、一旦立ち止まって、

財務内容を良くしてから、つまり資本増強をしてから、次のステップに進むようにしないと、

往々にして不動産会社は急成長する過程で、

資金繰りが破綻してしまい、せっかくの会社が台無しになってしまう懸念が出てくるのです。


ですから、今日の銀行の責任者の話は、まさに的を得た話で、

決して不思議な話ではないのです。

 

不動産会社の場合、売上を増やす一方、

それに見合った、資本の増強を怠ると、大変なことになる訳です。

 

不動産会社を急成長させようとしている経営者の方は、

この話は他山の石ではなく、すべての不動産会社に当てはまる話なので、

よく検討していただければと思います。


また逆に増収増益の快進撃している不動産会社を見る場合、

その信用状況は、資本の大きさがどのようになっているか?

つまり、増収増益に相応しい資本の大きさになっているかどうかを見ると、

危ない会社か、安全な会社か、見分けられると思います。

ですから物件の売主側の方々にも参考になると思います。 

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