新聞記事との違和感
日銀が11日発表した06年度の貸出・資金吸収動向(速報)によると、銀行の貸出金の平均残高は、前年度比1.5%増の386兆2030億円だった。前年度を上回ったのは96年度以来10年ぶりで、伸び幅の大きさは比較可能な93年度以降で最大となった。
景気回復に伴う企業の高い資金需要を受け、地銀・第2地銀の貸出金が同2.7%増と大きく伸びた。都銀も同0.5%増と堅調だった。
3月単月の平均残高は、前年同月比1.1%増の390兆3440億円と14カ月連続で前年同月比プラスを維持した。伸び幅は前月より0.3ポイント縮小した。
この記事の中にもあるように銀行全体では貸金が増えていることは確かなようですが、
顧客が新規取引で銀行に融資を申し込んだ時の銀行の印象は、
明らかに、ここ数年よりはネガティブな感じになっている印象を受ける方は多いと思います。
また記事の中にもあるように、
一時中小企業のマーケットにすごい勢いでビジネスローンを貸し出していた都市銀行などより、
地銀の方が伸びが高いことは以前お伝えしたとおりで、
弊社のような資金調達のお手伝いをしているものから言えば、
この部分は非常に実感できるところです。
でも、あれほど新規開拓に余念がなかった都市銀行が、
なぜ現在のように新規開拓に熱心でなくなったかと言えば、
これはある都市銀行のある拠点の新規取引先への決済権者に聞いた話ですが、
その理由は一言で言って、コンプライアンス上の問題が大きな原因だそうです。
と言うのは、これも何度も書いていることですが、
最近の銀行の一般の中小企業への融資は、個別対応型のオーダーメードのような融資から、
ビジネスローンと言う、定形型の大量生産型の融資形態に変わっています。
この審査方法をスコアリングと言い、
パソコンに財務データを中心にインプットすると、
融資の可否だけでなく、融資の条件まで、その結果が一発で分かるようになっていて、
行員は個別対応型の審査をしなくなっているのです。
このため行員の企業との癒着による不正融資は防げても、
逆に財務データや属性調査だけでは分からない、
行員独自で判断する会社のポテンシャルなどを審査に加味することもできないし、
行員の勘で少し懸念を持っても、形だけ整っていれば融資が実行されるようなシステムになっています。
こんなことから時々皆様も聞かれるかもしれませんが、
決算内容を改ざんして融資を斡旋するような、
怪しからぬコンサルタントの出現も許すことになったり、
少しこつをつかめば、どんな会社でもけっこう簡単に融資を受けることができるようにもなっているのです。
だから計画的に融資を取り込んでデフォルトを起こすような人物でも、
体裁を整えれば簡単に融資を受けることが、
結果としてできるようになり、
このような案件が非常に多くなっているそうです。
だから、必然的に、銀行としては、
既存取引先で優良な企業には思いっきり融資をするような姿勢に変化せざる得ないので、
新規取引先への融資は、より慎重になっているのだそうです。
慎重と言えば、この間年商20数億円の会社に地銀からの融資をアレンジしたのですが、
なんと3000万円で融資期間6ヶ月でした。
まだ新規取引先に対して、アクティブな有力地銀でさえ、
新規取引先への融資はあまりにも慎重なので驚いたところです。
こんな状況だから、
新規取引の銀行に融資を申し込んだ時、
厳しい条件の提示があっても、今はスタンダードなのだと言う認識を持って、
間違っても、こんな条件なら融資はけっこうなんて断らない方が良いですよ。
ここ数年は、まずは既存取引先になることが先決です。
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