阪急、阪神経営統合について | 思うように資金調達ができない方へ

阪急、阪神経営統合について

6月20日

  

 

村上ファンドの阪神株買占めから端を発し、今回阪急の阪神株に対するTOB成立で、

10月1日に経営統合する両社ですが、この経営統合については少し感じるところがあります。

 

それは、私は生まれが大阪の心斎橋で、

長年、芦屋や西宮の苦楽園や甲陽園に住んでいたことがあるからです。

今は住民ではありませんが、阪神間に住んでいたと仮定して、

今回の経営統合に対する感想を書いてみたいと思います。

 

どんな経営統合にしろ、

村上ファンドがいくら会社価値を最大化するといっても、

ホリエモン流に時価総額を最大化することが目的と言われても、

株主のメリットも必要ですが、究極は会社の顧客がメリットを感じ支持しなければ、

長いスパンでの成功はないと思っています。

 


 

阪急は梅田を基点として、神戸、京都、宝塚と結び、

阪神は支線はあるものの、大阪の梅田と神戸の三宮を結ぶだけの短い路線の私鉄です。

 

特に梅田と三宮は阪急と阪神以外にもJRがあって、

3本の鉄道が海側から阪神、JR、阪急の順で通っています。

 

地域によって若干違いますが、

基本的には工場地帯+下町の阪神、山の手の阪急、そしてその中間のJRといった状況です。

 

多分全国でも、同じ2地点を3本の鉄道が通っているところは珍しく、

東京で言えば、品川か渋谷と横浜との間に、3本の鉄道が通っているような状況と言えます。

実際はご存知のように、品川と横浜は京急+JR、 渋谷と横浜は東急+JRの2本です。

おまけに大阪の梅田と渋谷ならそのポテンシャルに遜色はないかもしれませんが、

良いところで大好きな街ではありますが、

神戸と横浜では、現在は人口も1:2以上離れていて、

小さなマーケットに3本の鉄道がある状況で、 

過当競争とは言わないまでも、非常に競争が激しい状況にあることは間違いありません。

ですから経営統合してやっと、確か東急、近鉄についで3位の私鉄程度の規模でしかないはずです。

 

また、面白いのは、

JRを含めて海と山の間を平行に阪神と阪急の3本が走っていますが、

JRを挟みますが、阪急と阪神の沿線の雰囲気は、距離は大して離れていないのに大きく違っています。

一部芦屋や西宮の甲子園などを除けば、

現在は少し違っているかもしれませんが、

私が住んでいた10数年前までのことかもしれませんが、

駅を降りればその違いは歴然としていて、

大げさに言えば違った文化の地域ともいえるぐらいです。

 

過当競争で、隣接はしているが異質な文化の市場を持つ両社の経営統合ということが今回の特徴で、

経営統合でどんなことが顧客のメリットとして考えると、
鉄道の分野だけ考えると、正直なところあまりピンときません。
 

JRと比較すれば現在でも、この両社の運賃はけっこう安いですし、

経営統合による運賃の減額もそれほど大きく期待できるとは思えません。

たとえば今回の経営統合が阪神と南海、あるいは京阪であれば、

結ぶ地点が違っているので、経営統合による顧客の利便性が上がるとは思うのですが、

全く同じ地点と地点を、10キロ程度の幅で収まるような地域を走る両社なので、

利便性の向上という点では、イマイチ私には理解できません。

それも梅田と神戸の三宮では、両地点とも両社の駅の距離は数百メートルですし、

他の地域もタクシーでなくても、歩ける程度の距離のところもあるぐらいです。

 

まあそれぞれのバスの運行まで考えると便利なところもあるのかと思う反面、

関西も東京のパスネットどころかJRまで含めた共通利用のシステムが既に構築されているので、

顧客の利便性が特に上がることもないと思います。

 

このように考えてくると、今回の経営統合は、

たとえば銀行で言えば、同じ道を挟んで対面とかにある店を持つ銀行同士の経営統合みたいで、

利用する顧客にとっては、イマイチピンと来る部分が少ないような気がします。

 

まさかとは思いますが、合理化を突き詰めれば、

阪神か阪急かどちらか一方だけを残して、

残った路線の敷地は売却か、別の分野での利用なんて大胆なことを考えれば、

運賃の大幅な減額の期待はできます。

しかし顧客によっては利便性を大きく毀損される場合もあるので、現実的ではない気がしますし、

いずれにしても鉄道で考えれば、長い時間と大胆な発想がなければ、

競争低下による顧客のメリット低下の方の可能性が高いかもしれません。

 

ですから鉄道分野だけを見れば、私は今回の経営統合に合理性を見出すことはできません。

 

ただ、他の分野、たとえばデパート事業やホテル事業まで考えると、

けっこうメリットが出てくるのではないでしょうか。

これについては日を改めて書きたいと思います。

 

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