銀行融資に対する常識との乖離 4
12月29日
今日で弊社の年内の業務は終了です。
今年も多くのお客様の案件をお手伝いさせていただき、本当に感謝しているところです。
また、2月よりこのブログを書き始め、これが思わぬ誤算と言うか、
多くの方々に読んでいただき、中には弊社の顧客となっていただいた方の数も少なくありません。
いやらしい話になりますが、このブログのお客様からの収益も決して小さくなく、
客単価が弊社の場合は相当高いので、かなり収益の額が大きいブログになるのかもしれません。
本当に感謝感謝です。
では本論に入ります。
今日は複数の銀行との取引に関することについてです。
昨日まで書いてきましたように、
銀行の中小企業への対応がビジネスローン中心になり、
このことで会社の銀行に対する考え方を180度変える必要が出てきたことは述べたとおりです。
それは、ビジネスローンの可否が、
100%会社の直前期の2期あるいは3期の決算書の内容で決まるということ。
だから決算書の重要度が以前より何倍、いや何十倍も高くなったこと。
そして、このことが銀行取引の今までの常識を大きく変えたことです。
以前なら、一つの銀行と深く、そして長く取引することが、銀行取引の常識でした。
このことをメインバンク制と呼んでいました。
融資が行われている会社には、必ず銀行は担当者を付け、
この担当者が銀行の窓口となり、
ある時は会社の無理を聞き、また逆に銀行も顧客に新規で預金や融資について無理を言うような関係で、なかなか他の銀行がこの取引の中を割り込むことは難しく、
会社が他の銀行と取引を始める意思を見せると、
担当者が会社に飛んできて、そんな不義理をするようなら取引の見直しをするぞと脅したり、
場合によっては泣きに入ったり、そこには非常に密度の濃い会社と銀行の関係があったと言えます。
ところが、このような会社と銀行の関係が、バブル崩壊で、大きな痛手を被った銀行は、
行員の情実ができる限り反映しないように、会社の財務内容も、その状況も数値化し各付けして、
銀行はこの会社の各付けで取引を見直すようなスタイルに変化し、
このことが財務内容や状況の良くない会社については、
融資の条件変更、あるいは貸し剥がしのような形となったりしました。
更に銀行は、会社の状況などは全く無視で、
決算書のみのスコアリングで融資するビジネスローンにスタンスを変えてきたことが、
更に銀行と会社の関係を変化させてきたと言えます。
それは、銀行と会社の関係が薄くなったため、
別に新しい銀行と取引しようがしまいが、既存取引銀行は、ほぼ無関心になってきたと言えます。
そもそも、以前のように、何かあったときにすっ飛んでくる担当者さえいなくなった会社もあると思います。
ですから、あなたが会社を経営する社長であるのなら、
資金調達が必要になってきた時、
既存取引の銀行が融資が難しいと言う場合、
躊躇なく新しい銀行、特にビジネスローンの取り扱いのある銀行に融資の申込をすると、
それほどの時間をかけなくても、できてしまう可能性があります。
たとえば、あなたの会社(所在地は東京とする)が年商3億円で財務内容も良く、
あなたの金融履歴に問題がなく、メインの金融機関が信用金庫であり、
新規事業への資金調達8千万円が必要な状況とします。
既存の信用金庫に追加融資を申し込んで、現在の融資残を考えると難しいと回答が来た時、
会社の近くの三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行(来年の1月1日誕生)の2行から、
各5千万円づつの合計1億円の融資が十分可能です。
それも上手く手続をすれば10日以内に融資が完了します。
更に近くに横浜銀行の支店があれば、横浜銀行からも5千万円といった具合に、
今までの取引先の信用金庫だけあれば、いくら交渉しても、
一社あたりの融資限度額から難しかった資金調達が、
同時並行で融資手続きをやれば最高1億5千万円、いや場合によればもっと、
簡単に融資が受けることができるようになったと言えます。
しかし、同時に三行から同時並行にやればできると言ったところがミソで、
この会社の今期の決算書には、間違いなく、1億5千万円の新しい負債ができた事になるので、
自己資本比率は間違いなく落ち、財務内容はよほどこの融資によって売上高が増加し利益が出ないと、
今期の決算書が根拠となる、この会社の各付けはもちろん、経営内容自体が悪化する、
言わば諸刃の刃のような懸念が出てくる訳です。
つまり融資を受けることはできるが、では目一杯借りていいのかどうかという問題について、
今までメインバンクの担当者がチェックしてくれていた部分を、
社長自らが判断する必要が出てきて、この判断を間違うと、
融資を受けたことが引き金となって、倒産への道を歩むような事態も出てくるわけです。
この辺りがビジネスローンの功罪の一つではないかと思いますので、
社長の財務内容に対する認識、
言い換えれば決算書への認識や知識が不可欠になってきたといえるので、
今までのような税理士任せの決算書作成は、
見直さないといけない時期になったことをご認識いただきたいと思います。
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