借入金過大会社の実例 特別編 | 思うように資金調達ができない方へ

借入金過大会社の実例 特別編

9月25日

 

              

 

一昨日まで何度かにわたり書いた借入金過大会社の実例ですが、

今日の打合せで新たに分かった、よくあることで、非常に解決の難しい事例に出会ったので、

今日はこのことについて書いてまいりたいと思います。

 

以前のブログでも書きましたが、

この会社の直近の試算表をもらった時、その試算表が手書きであったので、驚いたことがありました。

 

確かに設立間もない会社や、規模の小さい会社で手書きの試算表を見たことがありましたが、

年商30億円、店舗数も20を数える会社で、手書きの試算表を作成している例は本当に珍しく、

凄く印象に残っていたのですが、今日その理由が分かりました。

 

その理由は、創業時から努める女性の経理責任者が、この責任者を含めて5名で、

経理処理から給与計算まで、全て手作業で処理していたのです。

 

と言うことは、コンピューター会計のように、

経理処理が資金繰り表やキャッシュフロー計算書などと全くリンクしていず、

それぞれ必要な時は、別物として一から作成するのと、

このようなことですから、タイムリーに見たい資料を見ることができないと言う、

この規模の会社としては、とんでもないリスクを抱えている状況なのです。

  

今日話を聞いて初めて知ったのですが、

各店舗の収支は月次で把握しているものの、

全社の月次決算も、資金繰りも、タイムリーにはできない状況で、

金融機関からこれらの資料を求められても、

すぐに提出できないそうで、これは全く論外ともいえるこの会社の欠点です。

 

もちろん顧問の税理士もこの点を是正しようと、経理処理のコンピューター処理を提案してみたもの、

この経理責任者は新しいやり方を理解しようと言う意欲を持たず、

むしろ自分の領域を置かされる懸念を持ったり、場合によれば職を失うのではないかと言う懸念を持ち、

経理処理の改革に全く協力しない状況で、 

しかし、すぐに解任すると、部下は何人かいるものの、経理などの全容を理解しているのは、

この責任者1人なので、たちまち経理部が機能しないと言うのです。

 

これは難問です。

私なんかは単細胞なので、会社の状況に適切でない責任者は、

適切な人物に代えれば良いと考えて前職の時はやっていましたが、

実はこの問題は成長をしている会社の経営者にとっては、

とても大切ですが、一朝一夕に解決することは困難な問題でもあります。

 

この会社の場合は、創業時代からこの女性の経理責任者に、

経理処理、給与計算、

それから資金繰り、と言っても月次や年次でどうと言うことではなく、

何月何日にいくら足りない程度のレベルですが、

しかしこの辺りを一手に、部下はいるものの、全体像が分かるのは自分だけというスタイルで、

運営されてきたので、

今さら、人をチェンジすると言っても、簡単ではありません。

 

また考えてみると、万一この責任者が病気にでもあれば、

年商30億円の会社の給与計算ができないので、給料日に支払いができないと言った、

まったく会社として正常な運営とは言いがたい状況も可能性があったのです。

 

この経理責任者のことではありませんが、

このような社内で1人だけしかできない分野を持たせると、不正を働く温床となったり、

特に経理責任者のように、会社の深層部まで把握している社員を解任したりした時に良くあるのは、

あることないことを税務当局に告発したり、会社にとってネガティブな情報を流される懸念です。

 

やはり、会社を経営するにあたり、

1人の責任者に長く、独占的に、一つの業務分野を任せてしまうことは、

絶対に避けないといけません。

 

よく弊社のお客様の会社でもあるのですが、

1人の担当者に、財務、経理、入出金管理などを任せているケースです。

社長が営業や研究開発に忙しい会社に良くあるパターンですが、

このようなケースは、必ずある時期にトラブルが発生していることが多く、

手形乱発や、とんでもない事故の原因ともなっていますので、

1人の責任者に長く任せないことと、必ず社内的なチェック機能を作っておくことが、

特に成長している会社の場合は大切ですので、

経営者の方々は現在の社内体制で、このようなことに該当するところがないかを確認していただきたいと思います。

 

この会社の改革は、かなり厳しいかもしれません。

 

 

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