資金調達で言う決算書とは
8月26日
決算書の重要性を一昨日書きましたが、決算書の件で、非常に基本的な認識違いのある方が時々いらっしゃるので、今日はこの件について書きたいと思います。
時々融資やリースの申込をするにあたって、
2~3期分の決算書のコピーの提出をするように言いますと、
貸借対照表、損益計算書、利益処分案のみを送ってくる方がいます。
確かに弊社もきちっと税務申告書と言えば良いのですが、(最近は細かく言うようにしています。)
融資などの資金調達をした経験のある方であれば、
通常の場合、融資の申込に必要な決算書と言えば、税務申告書であることは常識です。
税務申告書は、貸借対照表、損益計算書、利益処分案と勘定科目明細書を添付して提出することはご存知の通りです。
中には、紹介者が資金調達コンサルタントと言いながら、
顧客の融資の申込のための資料を送ってもらうと、
貸借対照表、損益計算書、利益処分案だけが同封されていることがあります。
中には、このような書類を送付するコンサルタントに税務申告書や勘定科目明細書の提出をお願いすると、
「この顧客、今まで何回も融資の支援をお願いして上手く行かず不信感を持っているので、今は提出できないと言っています。提出してある貸借対照表、損益計算書、利益処分案だけで融資の目処を立てて下さい。」と全くトンチンカンな回答が返ってくる事があります。
最近は、さすがにこのような素人なコンサルタントとのお付き合いはなくなりましたが、
開業したての頃は、このようなコンサルタントと顧客に悩まされたものです。
なぜ、貸借対照表、損益計算書、利益処分案だけで審査ができないかと言えば、
当たり前のことなので、説明することもはばかりますが、
まず、これらの資料だけでは、本当に真実の決算書かどうか分からないと言う点が一つです。
これらの資料と整合性の取れた税務申告書に税務署の受付印や税理士の署名捺印が押してあって、初めて本物の貸借対照表、損益計算書、利益処分案と判断できるわけです。
また、融資などで大きな懸念材料となる税金が完納されているかどうかも、
貸借対照表、損益計算書、利益処分案だけでは分かりません。
さらに勘定科目明細がないと、
既存の取引金融機関とその取引内容も分かりません。
更に流動資産の売掛金、貸付金なども明細が分からないので、本当に資産に計上してよいものかどうかの判断もできません。つまり、本当は資産に計上されているが回収不能なインチキ資産かもしれない訳です。
更には、借入金の明細も分からないと、この会社の資金調達の状況や内容も分かりません。
同じ借入金でも、銀行と商工ローン、あるいは代表者自身と金融機関では、
まったくこの会社の格付けは変わってくるので、
どのようなところから、どのような条件で借入れているかが分からないと審査のしようがない訳です。
このように、貸借対照表、損益計算書、利益処分案だけを提出して、
金融機関に審査をしろといっても、できるはずがないことはご理解いただけると思います。
ところがへそ曲がりなのか、知識がないのか分かりませんが、
資金調達の支援を頼みながら、税務申告書や勘定科目明細を提出したがらない会社があるのも事実で、
インチキなコンサルタントに騙されたトラウマがあるのかもしれませんが、
こんなことをしていては、できる資金調達もできるはずがありません。
本当に、資金調達が上手くいっていない会社や流行っていないコンサルタントに限って、このような資料を提出しがちですが、考えてみれば当たり前で、このようなことをしているから資金調達が上手く行かなかったり、支援実績ができないわけで、上手くいっていないことを証明しているようなことなので、この辺り、ご認識をいただきたいと思います。
多く方々は、今日の話は当たり前と思われると思いますが、
このような基本中の基本が分かっていない方もけっこういらっしゃることも事実です。
資金調達の上手く行かない方の中には、こんな当たり前のことで、提出すべきかどうかグズグズ悩んで、
資金調達機会をみすみす失っている場合もあるので、
該当する方は今日の件、ぜひご認識を改めていただきたいと思います。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。

