不動産価値について
8月17日
毎日毎日暑い日が続いていますが、今日たまたま忘れ物をして一度家に戻った時、
一昨日にも触れた隣地に建てられた新築の戸建に、久しぶりにお客がありました。
このお客は若い20代後半の夫婦と小さな子供がいる家庭のようです。
別に聞こうと思って聞いたのではないのですが、ローンの話をしていました。
業者は完工して3ヶ月も経っているのに1件も売れていないのですから、
それは一生懸命に、今買った方がメリットである点を、汗をかきながら大きな声で説明しています。
ですから、聞き耳を立てないでも話の内容が分かったのですが、
どうやら、自己資金はほとんどなく、毎月ローン返済に充てられるのも数万円と限られていている様子で、
購入をするのが難しい状況のようでした。
ここで、この業者は、説得のために、いよいよとんでもないことを言い出しました。
「日本は土地が狭いので、絶対に不動産の価値は今以上は下がらない。
確かにこの土地は借地だが、住環境や交通の便も良いので、
今以上の価格で売れるのは間違いない。
それに金利も低いので今がチャンスだから、生活費などを削っても買った方が良い」と説明しているのです。
私がブログでも、常日頃、お客様に話していることとは全く逆のことを言っているので、
思わず笑いましたが、このお客はけっこう説得されそうになっていて、
思わず「違う、違う!」と言いたくなりましたが、
営業妨害をする権利もなく、それほど暇人でもないし、アポイントの時間も迫っていたので、
後ろ髪を引かれながらクルマを出しました。
運転をしながら気が付いたのは、
不動産を金融の観点から見る習慣の我々と、マイホームを買う方の不動産の価値についての考え方が大きく違うと言うことです。
それは、我々は、それこそ収益の生まない不動産の価値はゼロと見るのですが、
一般のマイホームを買う方の不動産の価値は、収益を生む生まないよりは、
住宅を購入することで得られるテータスであったり、良く分からないのですが老後の安心感であったり、
一家団欒の楽しさであったり、要するに情緒的なものが多く、
経済的ことも価値云々よりは、支払いをどうするかと言うことにのみ興味があるのではないかということです。
このような心理に多くの方が陥るのは、
一昨日紹介した本にも、非常に明快な分析がしてありますので、紹介しますと、
「昔からマイホームを無理して購入する習慣があった訳ではなく、
借家法の変更、工業に国のお金が集中投資され、国民の住宅の開発を個人に託したこと、
あるいは、企業が終身雇用の中で良質な労働力を確保するために住宅ローンで囲い込んだことなどが、
マイホームを持つことが、良い人生であったと思えるための必要条件であるかのような錯覚を呼び、
既に時代は変化しているのに、この重厚長大な時代の名残の意識が未だに国民に残り、
これに、新しい変化に順応できない業者が群がり、国も金融機関もメリットがあるので応援している図式である」と解説されています。
詳細はぜひこの本をお読みいただきたいのですが、
私も現在多くの方々の資金調達と、資金調達に関連して不動産を扱っていますが、
まったくこの本の解説には99%同意できます。
多分、金融機関の多くの人間も、官僚も、業者もナチュラルな分析力がある方であれば、
私同様99%同感と言う人が多いと思いますが、商売だから仕方がないと言うのが本音だと思います。
弊社でも偉そうなことは言えません、住宅ローンの斡旋こそしませんが、
あまり良い不動産投資でなくても、顧客がどうしても購入したいと言う場合、やはりビジネスとして割り切って、資金調達のお手伝いをしたり、購入物件の紹介もしています。
不動産業者にしても、ビジネスモデルを変更したりしない限り、
所有する不動産を販売し、土地は建物を建てて販売する以外に、経営が成り立ちませんし、
お金を貸し込んだ金融機関も、住宅ローンをつけないと、融資自体が不良債権になってしまいますし、
国もダムや余計な公共施設を造れない財政状況ですから、まさに個人の住宅所有が公共工事の代わりになって、ある意味経済の下支えになっているは事実だと思います。
私見ですが、後5年もすると不動産は下がると思いますので、
それからでも遅くないから、35年ローンのような無理してマイホームを購入される方が、
1人でも減ることを祈るばかりです。
私自身は35年後は生きているかどうか分かりませんが、35年後の社会を予測することはできません。
あなたは35年後の社会とご自身のことを予測できるのでしょうか?
もし予測できないとしたら、
35年ローンを借りてマイホームを購入するのは、どう考えても??????????????
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。

