資金調達と演出力の関係 創業後2年以降編 2
7月15日
昨日少し書いた ④バランスシートはシンプルでクリアにする の続きです。
まず大切なことは公私混同のような、本来会社の業務と関係のない
自動車・ゴルフ会員権・自宅(店舗併用は除く)・本来の事業と関係のない資産は計上しないことです。
自動車、ゴルフ会員権、自宅についてはご案内するまでもないと思いますが、
ご案内したいのが、新規事業に対する貸付金、仮払金、出資金などの処理についてです。
ある程度会社の業態が大きくなり、今の商材やサービスが頭打ちになっているような場合、
新規事業への投資は不可欠かもしれませんが、
まだ設立後数年で、しかも既存事業も十分やりつくしたような状況でない場合、
既存事業と関連性のない、既存事業の発展と無関係な事業への投資について、
銀行は決し快く思いません。
なぜなら、融資した資金が、この会社の事業と無関係なことに使われ、
回収できなくなるのではないかと懸念するからです。
私の経験でも、現在の事業が上手くいかないので、
苦し紛れに、無計画に、宝くじを買うような動機で新規事業に投資をした会社で、
発展した会社を見たことがありません。
むしろ、このような投資が結果として収益につながらず、回収もできず、
このことが原因で倒産した会社なら、いくらでも知っています。
前職の時に同じような体験をしたこともありますので、社長の気持ちは私もよく理解できます。
しかしながら、このような資産が会社のバランスシートに計上されていることは、
融資を受ける側面から考えると、大きな阻害要因となります。
弊社が扱う案件でもよくあるのは、
新規事業のために、貸した貸付金、とりあえず支払った仮払金や立替金、出資した株式など、
我々もチェックしますが、銀行も流動資産の現預金以外の勘定科目については、
本当に資産として価値があるのかどうかのチェックを必ずしています。
いくら自己資本率が高いといっても、資産計上されている科目に価値がなかったり減損していれば、
当然、自己資本率云々どころか実質は債務超過ではないかと判断され、
もちろん融資を受けることはできなくなります。
どうしても新規事業をされるなら、当初は個人の資格でするか、
新会社を立ち上げてするかなどして、
本来の会社のバランスシートには載せないようにするようお勧めいたします。
このことが、経理処理の観点からは、本来正しい処理かどうかは判断しにくいのですが、
融資を受けるための演出と言う観点から考えると、
本来の事業と何ら関連性のない事業への支出が大きいような状況は、
絶対避けたいことなので、この点よくご理解され検討されるようにしていただきたいと思います。
たとえ新規事業でなくても、
取引先や知人に貸した金を貸付金などに計上したり、
取引先の有力者への賄賂的なお金を、
社長個人への貸付金として処理したりしている会社も良くありますが、
現実的に仕方がないこともあるのでしょうが、融資という観点から見ると、
このような処理も大きな懸念材料になると言うことをご理解下さい。
最後に、これから書くことも何度もこのブログでも触れていますので、
ご理解いただいている方も多いかと思いますが、
不要な固定資産は絶対に持たないようにするということです。
会社にとって必要な機械設備や不動産なども、
できるだけリースやオフバランスをするようにされた方が融資にとってはベターです。
なぜなら次のような図式になってしまうからです。
固定資産の増額⇒総資本の増額⇒自己資本率の低下⇒格付の低下⇒融資条件の悪化&融資不可
少し話は飛びますが、このような懸念を考えると、
会社を大きく発展させようと思った時、
単純に、銀行から融資を受けて、資産に投資して会社を発展させることには大きな限界があるように思われませんか?
その通りで、この点でリースの利用やオフバランス化したSPC(特定目的会社)などを使ってする資金調達も必要になってくるのです。
話を戻しますが、以上のように、バランスシートはできるだけ簡単で分かりやすくスリムにすることが、
融資を受ける場合の一番大切な演出になることをご理解願いたいと思います。
