銀行融資で大切なこと 2
7月10日
昨日に続き、弊社の案件の実例で、
銀行から融資を受ける時に大切と思われる、二つ目の考え方について書きたいと思います。
今回の案件は、このブログを見ていただいてお知り合いになった会社の案件です。
某都市銀行に打診したところ、融資額3千万円、金利は3%台、ただし融資期間は1年、
この条件で良ければ、すぐにでも融資可能であると言う提案が返ってきました。
この条件は、時々、他の案件でも提案される条件なのですが、
顧客にとっては、非常に悩ましい提案だと思います。
まじめな経営者であれば、当然、返済のできない資金は借りれないと言う判断をします。
これは当然で健全な判断なのですが、と言って、良い融資の条件を提案する別の銀行があるかといえば、
このような提案をされる会社にとって、そう簡単にないことも事実なので、
この融資を受けるかどうかについて、判断がつきかねることになります。
しかし、私はこのような場合、
融資を申し込んだ会社の今後の事業展開を考えて、融資の必要性が今後とも継続してない場合を除いて、
融資を受けるようにお勧めしています。
その理由を、たとえ話でしてみますと、
あなたが商品を新規取引の会社に売る場合を考えていただきたいと思います。
新規取引の会社が、上場企業で、しかも優良会社で、
しかもいっぱい商品を買ってくれると予想できる場合は別として、
会社の内容が確実に分からない場合、
新規の会社との取引条件は、既存の優良取引先より、良い条件にするかどうかということなのです。
いっぱい買ってくれそうな場合は、本当に支払いが大丈夫かどうかを考えるでしょうし、
支払いのサイトについても、初めての取引の場合は、既存先よりも短くするのではないでしょうか?
そして、取引状況をみて、支払条件や販売価格を顧客にとって良くなるようにしませんか?
これと同様、銀行も余程の優良会社で資金ニーズも多いと予想される会社以外については、
新規取引先への融資条件は、慎重に考えて当たり前なのではないでしょうか。
つまり、良い融資条件を提示できない状況の会社については、
事業内容やキャッシュフローなど様々な観点から検討を加え、
融資額を減額するか、金利水準を高めに設定するか、融資期間を短くするかなど、
銀行は、なんとか融資をできる条件を考えて顧客に提案するようにしているように思います。
このことは、言い換えると次のようなことなのです。
「本当は融資を行うか行わないのかのギリギリの状況なので、
とりあえずこの条件で銀行と取引を始めませんか?
財務内容が改善されたり、取引状況によっては、融資額も条件も良くします。」
このような条件が出る会社の場合、たいていの場合は他の銀行に行っても、
それほど良い条件が出ることはめったにありませんし、
融資自体が難しい場合も多いので、
条件が悪いとは言え、せっかく銀行から融資をするという提案を受けたならば、
たとえ条件が悪くても、絶対に断わらない方が良いのです。
前にも書きましたように、このような提案は、銀行の予算の関係と、
たいていの場合、密接につながっていますので、
今回のような、次の機会がまたあるかどうかは分かりませんので、
このような提案を断わると、少なくとも提案を受けた銀行のセクションとは、
改めて融資の申し込みをしても、(この辺りは私も疑問に思う部分ではありますが・・・。)
融資がOKになることは、余程財務内容などが改善されていない場合を除いて、めったにありません。
ですから、都市銀行と取引を開始できるまたとないチャンスと捉えていただきたいのです。
では今回ように1年と言う融資期間の提示を受けた場合、
この資金をどのように考え、扱うのかということです。
どうしても今後の事業の展開の上で銀行からの融資が必要であり、
また黒字体質であることが条件になりますが、
まず考え方としては、今回受ける融資は、
1年以内に全額回収できるような資金使途でない限り、
当面はこの資金を使わないようにして、
銀行と良好な取引を継続し、財務内容を改善して、
融資額や融資期間の条件変更をしてから、必要な資金使途に使うように提案しています。
そして、支払う金利は、金融コスト、
つまり条件の良い資金を得るための必要経費と考えて欲しいと言うことなのです。
たとえば今回の場合は融資額3千万円で、金利が3%台としますと、
1年で約100~120万円程度の金利負担となりますが、
通常は会社の財務内容を改善し、
融資の返済を滞りなく返済し、
この銀行の口座に、売上回収された資金が経常的に入金され、
明確な資金使途で支払われていれば、
通常の場合は6ヶ月程度で、良い条件に変更される可能性は大ですし、
そもそも金利は税金を圧縮する事にもなりますので、
金利の実質負担は100~120万円の60%程度に収まることが多いと思います。
この話をすると、時々、融資の条件の改善は確実ですか?と言う、質問が良く出ますが、
この部分は社長の勘違いと言いたいのです。
なぜなら、融資の条件が改善できるかどうかは、
経営者と会社の努力による結果、財務内容の改善と銀行との良好な取引実績となるわけですから、
この部分は事業をやっているリスクと同じで、
事業自体、リスクと離れて考えることができないことと同様、
このリスクを前向きに受け止めていただかなくてはならないからです。
このリスクをノーの思うのであれば、断わればよいのですが、
では融資が今後とも不要であるのなら、ノーで良いと思いますが、
資金調達の方法として融資が必要な場合は、
たいてい別の銀行か金融機関で融資を受けることになると思います。
しかしながら、通常一つの銀行が、顧客の会社にとって悩ましい融資条件を言って来るような場合は、
別の銀行に行っても、似たり寄ったりの条件が出ることが多く、
それでも別の銀行で融資が受けられれば良いのですが、
往々にして、結果的には、
金利で言えば10%以上の高い金利でファイナンス会社から融資を受けるようなことになることも多く、
金利負担だけではなく、事務手数料まで取られて、
結局のところ、提案のあった銀行の金利負担より、高いコスト負担になってしまいます。
このようなことから、
なかなか思うように資金調達のできない会社にとって、
たとえ条件が悪くても、融資を前提としているのなら、この提案を受けて、
ともかく銀行の既存取引先になっていただくことが、重要であると思います。
以前にも書きましたが、
余程の優良会社でない限り、資金調達は必要になってからでは遅く、
条件の悪い資金調達になることが多いので、
半年先、1年先を考えて、資金調達を戦略的に考えてみる必要があります。
今回の提案も、戦略的に良い銀行と付き合うための、一手法と受け止めていただければと思います。
ともかくあなたの会社が超優良会社でない限り、
銀行から受けた提案は、即受けて、何はともあれ取引を開始することが、
良い銀行取引をするための第一歩であるとお考え下さい。
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