ある資産家に来た出資の話
6月23日
「個人投資家から資金調達をしたいので、個人投資家を紹介してほしい」
このような依頼がよくあります。
まともの話も、もちろんありますが、
とてもお手伝いのできない、あぶない、ふざけないで欲しいと言いたくなる要請もよくあります。
だいたい依頼者は、最初の中は会社や事業の将来性の話から始めることが多いのですが、
よくよく聞いてみると、
大体の場合、今日明日のうちに調達しないと、手形が不渡りになったり、支払いができないような、超緊急を要する資金である場合が多く、
計画性がないだけでなく、返済原資も特定できない、
要するに返済するあてが依頼者本人にもなく、
迷惑の連鎖を見ず知らずの会社や個人に広げるような、
まったくふざけた内容であることが多いので、
もちろん投資家の紹介など断わりますし、資金提供するような奇特な人もいないとは思いますが、
中には、実にうまくこの手の話を、有利な投資話に仕立てる天才的な人もいるので要注意です。
先週驚いたことがあったのですが、
ある地方の資産家A氏から、
とても良い会社への出資の話があるので、
投資に値する話かどうか、上京するから相談に乗って欲しいと連絡があり、
会ってみて、会社名を見てびっくりしました。
もう何年も前に相談を受けたことのある会社で、
この当時も資金繰りは火の車で、しかも危ない人たちに手形が渡っていたりして、
とてもお手伝いのできる状況の案件ではなかったのでお断りした会社でした。
ただこの会社、
この会社のバイタリティー溢れる女性社長がビジネス書に取り上げられていたり、
巧みに有名企業との提携の話や、
超有名企業ではありませんが、誰もが知っている会社が株主であるとか、
このあたりの演出は見事で、
相談を受けた数年前でも、良くここまでもったなという財務内容でした。
であるのに、数年たった現在も、同じような内容で出資を募っているのには驚かされましたし、
存続していること自体が意外でした。
もちろん、私もずっとこの会社を見てきたわけではありませんし、
やり手の社長なので、劇的に内容が改善されている可能性もあるので、
絶対にやばい話とは断定できませんでしたが、
よくこの資産家に聞いてみると、
出資なのに財務内容の説明がなかったり、
出資の目論見書のようなものもなく、
ともかく、今日中に決めないと出資のチャンスはないと言った、
ただただ資金調達を急いでいる話でした。
でも、この投資家は投資を諦めきれないようでしたが、
ともかく決算書ぐらいは見ないで出資はできないと言うことには納得した資産家が
決算書を入手したところ、
その内容は、とても上場どころではなく、出資できるレベルの内容ではありませんでした。
私が見た数年前の財務諸表より、売上高は横ばいなのに、資本金は10倍にもなっていて、
しかも、証明の難しい株主の内容も有名銘柄がチラホラで、
オフィスも超一等地に変更されており、
怒られるかもしれませんが、この社長、たいした詐欺師だと思わざるを得ませんでした。
私もたまたま数年前に、この会社の深い内容まで把握していたので、危ない案件と断言できましたが、以前の会社の状況と現状を時系列で比較できなかったら、
この資産家の出資を100%の自信を持って断念させることはできないぐらい、
うまくお化粧されていたので、
これなら、中には出資する人もいるかもしれないなと感心しました。
なんども繰り返しになりますが、
未公開株への投資は、気を付けないと危険がいっぱいです。
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