M資金もどきの体験談 最終回
5月24日
そろそろ、この馬鹿な体験談も最終回にしたいと思います。
頭取と資金者と称する側の、先に資金を入れるか、先に頭取の意思確認をするか、
この二つのことが平行線をたどり、どんどん時間が経っていきました。
そろそろ頭取が退任を撤回できるための時間も期限が迫り、
我々も焦りましたが、
もっと焦ったのが資金者と称する側の人達でした。
ある時は、頭取に今回の話が本当の話であると信用させるために、
頭取の紹介者であるY氏に、
なぜか多くの場合、この手の話はT銀行がよく登場するのですが、
上京してもらえばこの銀行の本店に連れて行き、資金の証明となるものを見せるから、
確認をして、頭取に上京するように説得をして欲しいと言う話が来ました。
わざわざY氏は上京したのですが、T銀行の本店ではなく、新橋の喫茶店に連れて行かれ、
別のM銀行の某支店の別段預金の口座番号*******番に50兆円預けてあるという、
本当か嘘か分からないようなメモ書きを見せられたました。
まったく頓珍漢な話で、
そもそもT銀行の本店に資金があるといいながら、M銀行の某支店に資金があると言い、
また別段預金に資金が入っていると言うことなのですが、
私の常識でも、弊社の元銀行員の社長の常識でも、
別段預金はM銀行の預金量にカウントされるので、
この銀行の預金量は70兆円前後ですから、
他の預金は20兆円しかなくなってしまうと言った具合で、
本当に超法規的措置でもない限り、映画の見すぎか、小説読みすぎ症候群でないと、
とても信じ切れない話になりました。
またある時は、実は資金者とは、元大蔵省の事務次官のC氏であるとか、などなど、
資金者と称する側から、ありとあらゆる説得が始まったわけですが、
この説得の材料が、はなはだインチキ臭く、説得活動をされればされるほど、
欲ボケをしていた我々も、さすがに気持ちが引くようになりました。
もちろん頭取もです。
もっともっと傑作な、馬鹿げた話が本当にいろいろありましたが、
最高なのは、ある資金者と称する人から出たと思われる情報が、
後で分かったのですが、回りまわって、もとの資金者と称する同一人物に戻ったりもしました。
現在、案件の紹介をしてもらったりして、この資金者と思われていた人と親しくしているのですが、
全く人の良い、信じやすい好々爺で、とても資金者ではなく、(当たり前ですよね 苦笑)
結局のところ、現実的な仕事がうまく行かなかったり、
過去の栄光が忘れられず、一攫千金の夢を見る信じやすい人々の中を、
インチキ情報が循環していると言うことがよく分かりました。
もちろん、確信犯的に詐欺や恐喝を目的とした場合もあると思いますが、
何のメリットがあって多くの人が、熱心に活動しているのかと言う点については、
このことで納得したものでした。
賢明な読者の方々は、こんな馬鹿な話に誰が乗るのだろうと思われるでしょうが、
多くの、それなりの地位や名誉や財産のある方でも、
この話に一度は乗ったことがある方が結構多いので驚きます。
私ももちろん、馬鹿の一人なのですが、
少し親しくなって、まさかと思われる方に聞くと、
「イヤー実は」と頭を掻きながら告白される方も多いので、
大金の夢物語には気を付けないといけないとつくづく思います。
長々と、この馬鹿話にお付き合いいただきありがとうございました。
この手の話は100%インチキなので、気をつけましょう。
一番気をつけないといけないのは、私ですが・・・・・・。