財務担当者について 2 | 思うように資金調達ができない方へ

財務担当者について 2

4月20日

 

昨日は財務担当者に資金調達を任せきりにした場合の極端なデメリットの話をしましたが、

今日はもっと身近でよくある例です。

 

2年前に、あるITベンチャーのお手伝いをしたことがあります。

この1年前にも某都市銀行から、無担保融資5千万円のお手伝いをしており、

社長もテキパキと物事を運ぶ有能な方で、

非常に気持ちの良いお手伝いをさせていただいた会社でした。

 

この社長からのご依頼は、銀行取引の多様化と、売上の拡大に応じた運転資金の調達の2つの目的で、

首都圏にある有力地銀との新規取引を支援して欲しいという内容でした。

 

以前の気持ちよい仕事をさせていただいた記憶もあり、

喜び勇んでこの会社を訪問しました。  

                                          銀行員

ところが、世の中はそうそう甘くなく、

会社の規模拡大もあって、財務課長と称するノンバンク出身という人物が銀行取引の手続を担当するということで、社長から紹介を受けました。

 

この時、失礼ながら、この財務課長の社長に対する態度が異常と思われるほど、

ゴマすり、YESマン的な感じで、嫌な予感がしました。

 

50数年生きていると、けっこうこのような時の予感は当たるもので、

何一つ決めきれない優柔不断としか思えない性格の人物でした。

 

私に対してもそうですが、

経理処理における簡単な質問ですら、いちいち社長の許可を取らないと返答できないとか、

銀行から要求された、非常にシンプルな資金繰表の作成をお願いしても、

社長が海外の出張から帰国して許可を得るまで提出しないとか、

挙句の果てに、銀行に対しても、、社長同席の初面談時、

社長が明らかに勘違いな説明をしているのに、否定しないばかりか、

自分の正しい説明内容まで翻すようなことが度々あったとかで、

その異常さに銀行の担当者は驚いていたのを記憶しています。

 

このような人物が担当者になったため、

融資の手続は遅れるばかりで、通常であれば、業績も上向きで財務内容も良いので、

長くても1ヶ月以内に完了するところ、3ヶ月半位かかりました。

 

何よりも、銀行も私も参ったのは、融資条件の些細な条件の交渉です。

確か、金利の年利で言えば0.05%程度のところの交渉にほぼ1ヶ月ぐらいかかったと思います。

 

今回のこの会社の目的は、銀行取引の多様化のための新規銀行との取引開始と、

運転資金の早急な確保が目的であったはずですから、

私見を言えば、1%程度の金利のブレは許容範囲であり、

何よりも、新しい銀行と取引することが大切です。

もちろん財務内容に応じた金利の水準から大幅に違っている場合は交渉も必要です。

しかしながら、必要以上の金利の交渉は、新規取引の場合、取引自体が崩れる可能性が高いので、

0.05%程度の差は問題外です。

 

本格的な金利の交渉は取引を重ねてから、業績のアップや財務内容の改善点をバックに、他の取引先銀行の条件などを提示しながら、じっくりやるのが得策で、まだ取引をしていない銀行とやるものではありません。

 

今回の場合は、このような担当者でしたが、この会社の財務内容と将来性を高く銀行が評価していたこともあり、時間はかかったものの、何とか融資に漕ぎ着けましたが、数多いお手伝いできた案件の中でも、

最も時間がかかった案件でした。

 

まだ続きがあって、この財務担当者は、自分の存在感を社長にアピールしたかったようで、

既に契約が締結しているコンサルフィーまで、それも0.3%値切られ、もう笑うしかありませんでした。

 

今回の例も非常に稀な特異な例で、ここまで、どうしょうもない担当者はそうそういませんが、

社長の方々にはぜひ気をつけていただきたいと思います。

財務担当ということで、銀行との新規取引の手続きについても、全面的に一任している場合、

非常にしっかりした意見を持ち、社長にも物を直言できるような財務担当者もいますが、

多くの場合、社長の顔色を気にしたり、自分の功績というか存在感を示すために、

瑣末な部分の交渉に時間をかけ、資金調達の阻害要因になっていることがよくありますので、

財務担当者に任せて、資金調達がうまく行かないような場合は、チェックされることをお薦めいたします。

 

資金調達、特に新規で取引をする金融機関との交渉は、できれば社長が担当される方がベターです。

どうしても無理な場合でも、財務担当者に任せきりにはならないように、ポイントポイントは把握されることが大切だと思います。

 

 

 

 

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