融資計画における顧客の認識違い
4月17日
今日からは、
銀行などから融資を計画するお客様の大きな認識違いを、いくつかお話をして行きたいと思います。
今日からお話をすることによって、不可能な融資を追い求めることなく、
現実に即した事業計画や直接金融など資金調達戦略の見直しに反映していただければ、
これ以上の幸せはありません。
先々週に来た二つの案件です。両方とも業種はパチンコホール運営です。
まず1つ目の案件は、
地方都市の年商120億円の会社で、新しい店舗開設のための12億円の資金調達をご支援する案件です。条件は金利水準の低い銀行に限り、融資期間は10年です。
2つ目は、年商600億円の会社で、十数社の銀行やファイナンス会社からの借入金180億円を、
できれば都市銀行1行にまとめて一本化するようご支援する案件です。
この両案件とも、設立間もない会社でもなく、どちらかと言えば融資の経験も豊富な会社と言えます。
しかし、今回の融資計画は、100%無理です。
このような不可能な資金調達や借入金の一本化を計画されていること自体が、
両者の経営者の資金調達や銀行取引に対する認識の甘さを感じます。
まず1つ目の案件ですが、
弊社や提携する会社の支援案件をみても、パチンコホール経営の会社に対する都市銀行の新規取引の大枠は、年商120億円の会社ですと、財務内容が良好として、無担保で最高2億円、有担保の借換で4~5億円位が現実的な数字です。
ところが、この案件の場合、いくら財務内容が良くても(実際は良いとは言えませんでした)、新規取引で、それも銀行一本で12億円、更に10年の長期での融資は、1%の確率もないのが現実です。
2つ目については、
180億円の複数の金融機関からの融資を、銀行に一本化する案件ですが、
これも600億円の年商では不可能です。
いくら財務内容が良くても、1つの銀行など金融機関が、1社にリスクをかけることは、
私が銀行であってもできる融資ではありません。
やはり、複数の金融機関でリスクヘッジをするのが常識なので、
この依頼も、いくら借換で、担保があるとは言え、不可能です。
ここまでお読みいただいた方の中には、パチンコホールなんて売上も大きく、凄く儲かりそうで、キャッシュフローも豊富なのに、なぜと思われるかもしれません。
しかしながら、大手都市銀行と大手ファイナンス会社のパチンコホールに対する考え方は次のようなところが一般的です。私の認識とは違うところも多いのですが、ご参考までご説明いたします。
(地銀、信用金庫、リース会社の認識は異なります。)
①金融機関の本音
ここでは地元に立脚する地銀、信金、リース会社は別にして、
都市銀行や大手ファイナンス会社などの本音は、
年商100億円以下、5店舗未満の会社への新規融資はやらない。
また既存取引先の場合は回収をするというのが本音です。
よほどマーケティングや立地が特殊で、年商が1兆円にも達するような大手の会社が進出できないところに、地域一番店のような店舗を持つ会社でない限りは、このルールの方針で見ていると思われます。
②急激に財務内容が悪化する懸念
金融機関は、パチンコ業界は2極分化していて、勝ち組には積極融資、負け組には貸金の回収というのが、偽りのない本音と思います。
確かに弊社の案件からも、提携するパチンココンサルタントや経営者の話を聞いても、
強力な大手の競合店ができたため、売上が3分の1になったなんてざらにあることも事実で、
金融機関は現在の財務内容で融資やリースの可否を決めますが、この業界については、プラス、今の収益の継続性についても注意深く審査します。
この時の審査ポイントは、収益の上がっている店舗に競合店のできる可能性があるのかどうか?
あるいは、競合店、それも大手の競合店ができたとして、競った場合に勝ち残る差別化ポイントを持っているかどうかの2つのポイントです。
今まで地域一番店と胡坐をかいているような経営者の認識や経営をしていると判定された場合、
現在の財務内容が良くても融資が見送られることも多いのがこの業界の特徴です。
③経営者と経営管理の懸念
さすがに大手の会社になりますと、監査法人に監査を依頼したり、どんぶり勘定から脱却しているようですが、失礼ながら、売上は大きくても、経営は個人経営のレベルという会社が多いのも事実です。
最近は経営者も2代目3代目となり、かなり変革してきたような印象を持ちますが、他の業界の会社に比べるとまだまだレベルが高いとはとても言えないと金融機関は捉えています。
例を上げると、
・会社が何社もあり、その必要性や棲み分けが不明、しかも複雑に資金の流れが入り組んでいる。
・資産勘定にグループ会社や役員に対する貸付金などが、高額に計上されていることが多く、資産勘定の信憑性に疑問がある。
・経営者自ら資金調達を管理せず、財務担当者にまかせっきりにしている。
・経営者の公私混同が多く、中には業務以外の外出や出張も多く、連絡が取りにくい。
・本業と関連性のない事業を併設しているので、融資した資金が本業に使われない懸念がある。
・裏金などの資産があり、脱税による課税リスクと実際の懐具合が掴みにくい。 などなど
悪口のように書きましたが、この懸念は全ての金融機関と行員が持っていると言っても過言ではありません。
少し長くなりましたが、このようなことをお話をすると、今回の上記2つの案件が、いかに実現性のない資金調達であるかご理解していただけると思います。
明日は、特に1つ目の新規店舗の資金調達は、どうすれば可能性が出て来るのかについて、明日は実例を上げながらお話をしたいと思います。
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