融資のノウハウ 8 融資における不動産評価について
4月1日
前回の続きです。
路線価の評価が1億円だから、最低60%の6000万円ぐらいは融資が可能なはずだとか、近隣で同じような不動産が2億円で売れたそうだから、60%の1億2千万円は融資が可能なはずだとか言われるお客様がよくあります。
しかし、残念ながら、多くのファイナンス会社では、不動産担保ローンにおける、不動産評価はどちらの考え方もとっていません。
何度も申し上げていますように、不動産評価額は、不動産が稼ぐ家賃、あるいは稼ぐと予想される想定家賃を基準として算出される収益還元法と呼ばれる考え方で計算されています。
良くご存知のことかも知れませんが、路線化などの鑑定地価について、簡単にご案内いたしますと、鑑定地価には公示価格、路線価、固定資産税評価額、鑑定評価額といくつもあり、非常に複雑な複数の価格体系になっています。
いずれも不動産鑑定士が評価を下すのですが、私見を言えば、実状とは必ずしも一致しないというのが私の感想です。たとえば、税収が不足している現状では、固定資産税評価額をなかなか落とせないなど、この評価額にはいろいろな問題があると思います。
このようなことから、ファイナンス会社も鑑定価格については、参考にはしても、あくまで参考で、いくら路線価が、あるいは固定資産税評価額がいくらと言っても、融資の基準となる不動産の評価額が変わることはありません。
また、近くのビルがいくらで売れたから不動産評価額はいくらと言う論理も、参考にはしても、融資の基準となる不動産評価額には、ほとんど影響を与えません。
これについては少し説明をしますと、不動産の売買が成立した価格は、不動産の評価額を考える上で参考になることは確かです。
しかし、たとえば、たまたま不動産の購入希望者が複数いて、価格競争になって価格がつり上がっている場合だってあるでしょうし、買主の買いたい動機が非常に情緒的な思い入れがある場合もあると思います。たとえば銀座だから、恵比寿だから多少割り高でも良いとか、自社で利用するため空室率の高い方がかえって都合が良いとか、1件の売買価格は様々な要素によって価格が決まっています。
ですから、ファイナンス会社は、担保物件の不動産を、債務不履行になって処分する場合に、1件の売買価格を参考にして融資を行っていると、必ずしも融資額の残債分を回収できる価格で売れるとは限りません。
このようなことから、鑑定価格や市場価格は参考にはしても、融資の基準となる評価額の計算の根拠にはなりません。
ところが、不動産の所有者にとってみると、大切な財産ですから、家賃収入が余り見込めないから融資は不可と言われても、なかなか納得ができないことが多く、お手伝いをしていて、よくこのような事態に直面します。
しかし、不動産を資金調達の手段にするのですから、いくら借手が主張しても、貸手が納得しないと、融資は行われない訳ですから、不動産担保ローンの根拠となる不動産評価額は収益還元法で行われることがほとんどであることをご理解頂きたいと思います。
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