超幻想的投資&融資ビジョンを持つ顧客
4月22日

3ヶ月ほど前にお手伝いをした案件で、弊社の提携するコンサル会社のお客様で、都内や神奈川県に8棟のビルとカプセルホテルを経営している会社の社長T氏の話です。
T氏はバブル崩壊までは豊富な自己資金をバックに多数の不動産投資をされ、成功されていた人物です。
ある商工ローン系金融会社から、3つの不動産を購入するために借りた借入金の、より低利な金融会社への借換のご依頼案件でした。
3物件の購入総額は12億円で、ご自宅マンションを共同担保にはなっていますが、なんと購入総額の98%を借入れるという、超借入依存の購入をされていました。
更に金利は10%で、家賃収入と利払いだけでも逆ザヤの状況になっていました。
貸した金融会社も金融会社ですが、借りたT氏もT氏で、このような購入方法は、不動産価格が上昇基調にあるか、悪くても横ばいでないと大変リスクのある、危険な投資方法と言わざるを得ません。
おまけに融資期間も1年と、経験豊富な投資経験や修羅場を体験した方とはとても思えず、ずいぶん焦って不動産を購入されたのだなというのが感想でした。
何度か書きましたのでご存知の方も多いと思いますが、
不動産購入のための融資は、不動産の価値などに応じて、掛け目といいますが、たとえば不動産評価の80%とか高くても85%までしか融資をしないのが通常です。
このことは、金融会社の融資のリスク回避のための処置でもありますが、
購入者にとっても、収入と金利支払いの逆ザヤ回避や、不動産価格が下落した場合のリスク回避にもなっています。
ご本人曰く、破綻寸前の不動産会社から買い叩いて購入したので、どこの金融会社に出しても十分な評価を得ることができ、融資の掛け目を通常の80%程度でも、十分融資は可能なはずという事でしたが、
私の目から見ても、度々書いています収益還元の方法で計算すると、かなり高買い、忌憚なく言うと「つかまされた」と思われるような物件も3物件の中にはあって、とても良い投資とはお世辞にも言えないのが感想でした。
不動産担保専門の金融会社の中でも、比較的不動産の評価額を高く出す会社に査定をしてもらったところ、案の定、不動産評価は高く見積もっても3物件で9億、融資の可能額も、短期融資で最高に出したとしても8億弱と言うのが結論でした。
それから何社かに評価を出してもらったのですが、ほぼ結論は同じ程度で、ほぼ金融機関から見た評価としては崩しようのない価格であると思いましたが、
T氏は思い込みの激しい方のようで、
「収益還元で出した評価なんか、クソ食らえ。その辺りの地価を見てみろ」
「買い叩いて買ったのに、俺を騙す気か?」
「懇意のS社が融資しているのに、なんでそんな評価になるのか?」
挙句の果ては
弊社からの依頼で査定をした何社かの金融会社の担当者たちに、
「不動産評価を20%水増しして、掛け目を掛けたら満額の融資ができるじゃないか?お前ら馬鹿か!」
と言い、顰蹙を買うだけでなく、有力な不動産担保ローンの何社かのデータベースのブラックリストに、多分記録されたと思われます。(半分冗談ですが・・・)
整理しますと、この方は次のような幻想を抱いているのが分かります。
・自分は経験豊富で、不動産の目利きの能力が高いので、凄く有利な条件で良い物件を購入している。
・不動産評価の満額を融資するのが良い金融会社であり、有利な資金調達方法である。
・不動産評価額や融資額を、担当者の裁量でどのようにでもできると思っていて、このようなことのできる担当者は有能な担当者だ。
・不動産評価は収益性が低くても、銀座など有名なところにある物件なら、収益性に係わらず高い評価を得ることができる。 などなど
これだけ、不動産投資と融資を考えるにあたって、考え違いをしていては、この方の考え方が「超幻想的投資&融資ビジョン」と言われても仕方がないと思わざるを得ません。
まだこの方から、新しい物件を買うので、良い収益物件と高い評価を出す金融会社を紹介しろと連絡が来ますが、とてもまともに対応できません。
東京の不動産に詳しい方なら、お分かりになると思いますが、
「どのような物件をご希望ですか?」と聞くと
「山手線の内側で実質利回り15%位で回る、良い立地のビル・・・・」
この辺りまで聞いて、この方は不動産市場の現況も分からないで投資していると思い、
とても物件のお薦めもできないと思いました。
これ以上、購入を勧めることは破滅へ誘導するお手伝いになると思ったからです。
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