融資を受けるために 4 | 思うように資金調達ができない方へ

融資を受けるために 4

3月3日

銀行からの融資の可能性は業種業態によって違うことがあります。
今日はこのことを3つのポイントに絞ってお話をしていきたいと思います。
昨日同様、主に都市銀行から新規融資を受ける場合の傾向とご了解の上お読み下さい。

①融資を受けやすい業種、難しい業種
②融資を受けやすい会社の規模
③シンプルな組織の会社が融資を受けやすい


【融資を受けやすい業種、難しい業種】
まず非常に融資を受けにくい主な業種は金融業、性風俗関連産業、産業廃棄物処理事業などです。

金融業の中でも金利水準の高い消費者金融系、商工ローン系には、風評を懸念するため、都市銀行が取引をすることは非常に稀で、大手と言われる一部の会社でさえ子会社のノンバンクを経由して融資を行う傾向があります。ただ銀行も一般消費者に対する金融に力を入れてきていますので、大手に対しては融資をする方向にあると思われます。

またファッションホテル、ソープランドや性風俗関連の事業を経営する会社への融資は99%行われません。ファッションホテルの場合のみ、通常のホテル旅館業がたまたま時間貸しをしているとエクスキューズできる会社には融資をする可能性はあるものの、風営法に基づいた営業をする会社にはまず融資は行われないと思われます。

産業廃棄物処理の事業会社も、財務内容が良くても、銀行が融資をしたがらない業種です。100%難しいと言うわけではありませんが、かなりの事業規模と優良な財務内容がないと難しく、弊社のお手伝いでも融資が成功したケースは非常に稀です。しかし地銀や信金についてはこの限りではありません。

弊社の顧客の中でも比較的数の多いパチンコ業界についてですが、数年前のように全社にネガティブと言う状況ではなく、銀行それぞれの基準で選別融資をしています。
財務内容が良く、数百億円以上の売上を多数の店舗で計上しいる会社には、かなり積極的に融資を行っています。この業界の件に関しては、後日改めて詳細を書くつもりです。

また90年代のバブル崩壊以降、不動産関連会社への融資は非常にネガティブでしたが、昨年の夏以降、銀行によってはかなり積極的に融資を実施するようになってきています。
ただ銀行の場合は、取得する不動産の収益が高くても、過去の会社の財務内容が良くないと融資は難しい上、審査に時間がかかるため、不動産を担保に運転資金を借りるような場合は良いのですが、スピードが必要な不動産取得のような時には機能しないことが多いと言えます。

以上の業種以外の業種による、融資の可能性の高低は基本的にはないと思われますが、前にもお話をしましたように、一般的には新規性、独自性、成長性などの要素が少ない業種の会社への融資は不利と言わざるを得ません。


【融資を受けやすい会社の規模】
以前にも書いたと思いますが、融資の条件をクリアした会社への無担保の融資額は、概算ですが月商の1~2ヶ月が基準です。
銀行も営利を追求する企業ですから、費用対効果を考慮し、また融資を担当する部署やスタッフの予算上の都合でも、500万円を融資するより3~5千万円の融資をできる会社を望む傾向がありますので、ミニマム1億円以上、理想的には3億~10億円の年商の会社が一番融資受けやすいように思います。このような傾向の真偽は分かりませんが、経験上の感想なので多分遠からずあたっていると思います。

ただ売上規模が10億円以上の会社なら更に可能性が高いか言うと、確かに高いのですが、そうとも言えない時があります。
事業規模の大きい会社への融資額は当然大きくなる場合が多いので、融資額が大きすぎると、銀行の営業部門が審査部門の審査を通す手続が大変で、会社の資産内容の査定やキャッシュフローの流れなどを通常より精査しますので、その結果、結局のところ融資が実行されないことも多々あり、売上規模の大きい会社ほど融資が受けやすいかと言えば、新規取引の場合は必ずしも受けやすいとはいえないところがあります。


【シンプルな組織の会社が融資を受けやすい】
弊社のお客様の中にも時々見受けられるのですが、多種多様の事業を多数の会社で運営していて、財務内容を拝見しても、実際のところどのような状況なのか、非常に分かりにくい場合があります。社長も分からないよう場合も多く、特にパチンコホールや飲食業などサービス業で良く見受けるのですが、このような状況の会社への融資はほぼ絶望で、できたとしてもかなり時間がかかります。
ですから弊社がお手伝いする場合、まず事業内容に応じて合併、廃止など整理をお願いし、シンプルな組織になってから、銀行に打診していただくようにしています。