ノンリコースローン | 思うように資金調達ができない方へ

ノンリコースローン

【社長の錯覚④ 固定資産に対する考え方 ノンリコースローン】

総資本はできるだけスリムにした方が良いということについては、前回までのご案内でご理解いただいたと思います。固定資産いついても同様で、現在、きるだけ固定資産を持たない経営を、銀行など金融機関は評価するようになってきています。
格付けの点で言えば、固定資産の総額が、資本金+固定負債の総額を上回るとマイナス要因になりと思われますので、このことも融資を可能にするかどうかについて重要なポイントです。

私どものお客様の中にはパチンコホールを経営する会社も多いのですが、この業種でも同様で、最大手の会社はじめ大手の会社ほど、店舗を所有ではなく賃貸で開設するようになってきています。
このことはもちろん資金の調達コストを安くするため、金融機関の格付けを高く保つための方策でもあります。更に店舗をとりまく市場の環境の変化にスピーディーに対応するためでもあり、この部分でも店舗を所有することより、賃貸で営業する方がリスクがなく有利と思われてきています。

ノンリコースローンについて
パチンコの店舗には条件的に難しい融資方法なのですが、会社や個人投資家の方が自社ビルや投資不動産を1棟で購入されるような場合に、とても最適な融資方法があります。
この融資方法はノンリコースローンと呼ばれ、アメリカでは主流の融資方法です。最近扱う金融会社も増えてきましたが、まだまだ馴染みがないので一般的になっていませんが、現状の日本で、リスクが高い不動産購入には最適なローンだと私は思います。

私どもの会社のコンサルでも、不動産購入や、不動産の流動化や、既存金融機関とのトラブルによる不動産事業の再生などには、積極的に案内しているローンです。

上の図はこのローンの大まかな仕組みの図です。
あなたが不動産を購入するときに普通のローン(リコースローン)を使うと、不動産を担保に入れるだけではなく、あなた個人の保証も必要で、もし地震などで不動産の建物が崩壊して家賃収入がなくなって、約定した元金の返済と金利の支払いができなくなると、あなたの他の財産まで含めて返済しないといけなくなります。ですから建物が壊れていて使えないのに、返済や利払いだけは続けないといけないような悲劇が起こるわけです。

一方、ノンリコースローンは、上記図のように、あなたも不動産購入の一部を特定目的会社に出資し不動産購入の一部に充てますが、ローン自体も特定目的会社にされますので、先ほど述べたような地震で建物が壊れた場合は、あなたが出資した出資金自体はなくなりますが、ローンの返済義務はなく、他の財産まで返済義務が及ばないので、壊れた使えない不動産のローンの支払いを続けていくような悲劇を避けることができます。

ただこのローンは全ての不動産の購入には使えません。
既に家賃収入があることが条件ですので、純然たる自宅の購入や、新しく建物を建築する場合には使うことができません。
またこのローンは不動産の収益性に対して融資がなされるので、購入する不動産が今後将来に向けて、長期間安定した収益が確保(家賃を取れる)できるものかどうかも重要なローンの条件となります。
このため耐震性はどうかとか、土地の汚染がないかとか、建築基準法に違反していないかとか、土地や建物自体の調査を予め様々な専門家によって行われますので、イニシャル的なコストや時間が掛かることは覚悟しなければなりません。

数年前までは、このローンを取り扱う金融会社も少なく、条件も出資比率が高かったり(不動産購入価格の20~30%の現金出資が必要)、小規模な不動産は対象外であったり、イニシャルコストが1千万円もかかったりするため、中々広がりませんでした。

ところが、最近は競争原理が働き、新規参入の金融会社のサービスでは、出資比率も極端な例では5%程度から可能になったり、イニシャルコストも100万円前後から可能であったり、小規模な不動産も対象になったり、私どもの会社のコンサルティングでも、ここのところ相次いでお手伝いできるようになって来ました。

このローンは不動産を購入するときだけではなく、所有の不動産も流動化(現金化)するのにも利用できますので、貸借対照表から不動産を消すことができ、何度も申し上げているように総資本額が減額され、自己資本率アップにつながる有効な方法です。

状況によって様々な方法や使い方がありますが、全てを書くことはなかなか難しいので、詳細に対するご質問などは、どうぞご遠慮なくご連絡をいただければ幸いです。


tomtom