②非リニアな電源ケーブルをどのように使いこなせるか


例えばノードストという、非常に空間が広がり、音がほぐれるピュアな音のケーブルがあります。

その空間演出と解像度と音ほぐれはとてもレベルが高くオーディオの音をまるで別のシステムに変えてしまうチカラをもつケーブルです。

ただ、このメーカーのケーブルは低域の量感、帯域全体の押し出し、エッジ感やソリッド感、リニア感やライブ感、ビートのノリや楽しさという点において非常に欠けています。

強烈な個性を持つ魅力的なもので、この短所は長所の裏返しでもあります。

これは、いわゆる現代的な高音質を現したケーブルです。

ですが、これの個性を見極めると使う場所によって短所が現れないように使える事ができます。

①でもお話しさせて頂いた事ですが、後段はとにかくリニアな電源ケーブルを使用する事が大切になってきます。ノードストは非リニアですので、超前段に使う事が正解となってきます。

つまり、低域の量感や音のエッジ感というリニア的要素は後段のフレッシュな電源を要求するような箇所では大切になりますが、前段機器ではこれらをあまり要求しないためノードストの非リニア的な短所は前段機器に採用する場合にはほとんど目立たなくなるという事です。

すなわちこのような事が、リニアか非リニアどちらの性質がそこの部位で要求されているかを見極める事でケーブルの短所を極限まで少なくした上で長所を引き出す使い方を実践できる理論となっています。


例えばクロックの電源や光回線終末装置用のアナログ電源に使用すると非常に音が開けて超高解像度にほぐれて空間が広く新鮮で瑞々しい音になります。


レコードの場合には私はそこまで詳しくないのですが、おそらく40万円以上のプレーヤーと30万円以上のフォノイコ昇圧トランスを使用しているような場合にはノードストのケーブルは役立つと思われます。具体的にはプレーヤーかフォノイコ昇圧トランスあたりまでが適所なのではないかと思います。


また、ノードスト以外にも非リニアな電源ケーブルはたくさんあります。ステルス ドリームはノードストに押し出し感と低域の量感を加えリニアと非リニアの良いところどりが出来る上位互換のようです。


その他にはpurist audio design のproteusやdominusもオーディオ的な味と音楽性を足すケーブルです。

リニアな電源ケーブルを多用して音が硬くてキツくなってしまった場合に追加すると驚くくらい高音質化しますが、逆にdaliやb&oなどのようなリラックス系なシステムの場合にはこれらは過剰な柔らかさになってしまいスピード感が失われる事が多くあります。

また、musaeusはpadの中で最も音楽性の高いケーブルであり、音をほぐして柔らかく心地よい、広がる空間と気持ち良い余韻を楽しめるケーブルです。

musaeusは海外販売モデルで、国内販売はcs fieldという代理店がistaruというモデルを販売していました。

ネットにあるレビューにはistaruの方が高音質だったとしてあるレビューがありますが、実はこれは間違いであり、musaeusは非リニアistaruはリニア寄りという音の傾向の違いであり総合的に判断をするとグレードとしては同等かと感じています。付け足すと、musaeusはとても柔らかく音を開きリラックス感と広い空間を増やしますかistaruはわずかな余韻を残しつつもmusaeusよりスピード感があります。

たまたま、日本人リスナーにありがちな音楽を聞かずに音そのものしか聞かないという層向けにカスタムされたモデルといえます。ちなみに私はオーディオの本質は音を聞くのではなく音楽を聞くことであり、このような日本人リスナーにありがちな判断はよくよく耳にしますが、彼らは音の理解が進んでいないと感じています。


また、padのケーブルが非常に面白いのが、数あるグレードのケーブルの音がそれぞれに個性があり、同じメーカーでもモデルによって全く違うタイプの音である点です。

そのため、プロの制作側ではpadのケーブルの中でもmusaeusとproteusを愛用する方が何名かいました。

彼はpadのケーブルの中でも上位グレードのdominusではなくproteusとmusaeusとcorossusを場面に応じて使い分けるのが非常に使いやすい、と言っていました。


私自身も3.5M長尺のdominusを1本、proteusを4本、musaeusの長尺5Mを1本、corossusの1.5Mを1本と所有していますが、前段機器後段機器などに応じてこれらのケーブルの異なる個性を理論に当てはめて使い分けることによって最高のパフォーマンスが得られると確信しています。

musaeusとdominusは非常に音が柔らかく重みがあり、空間が広くほぐれます。proteusはやや柔らかめよりの中庸な感じでパワー感もありますので非リニアよりで少しリニアな音です。

istaruは先述の通りpadの中ではリニアの最極です。corossusもpadの中ではリニア寄りです。

ということで、padのケーブルはそれぞれに個性があり、決して安かろう悪かろうではなく、グレードで判断するよりは前段後段機器の判断も踏まえた上でリニア非リニアどちらに持ってゆくべきかという観点から選ぶ事ができると最高のパフォーマンスを発揮します。