①前置き
私には今まで数多くの統合失調症とよばれる人を見て来た経緯があり、そのような経緯から何年にも渡ってこれについて考えて来た事を書き記したいと思う。
統合失調症については、数々の精神医療領域での研究やエビデンスとその療法がある程度確立されているものとは思うが、本記事はあくまで専門領域外から見た雑感である。
その中で、私が最も明確に推理できた1つの事は、高IQの統合失調症者と、ごく普通のIQの統合失調症者での違いだった。
両者の内、高IQの統合失調症者では、いわゆる現実を失うような陽性症状と呼ばれるものが極めて少なく、高い知能によって幻覚や支離滅裂な推理を客観的に見て、彼らはそれにブレーキをかける事が出来るように感じられた。
②仮説
統合失調症のメカニズムは、脳内の思考や認識において、辻褄の合わない理論的一貫性に欠いた思考にとらわれてしまうようになる事だと、私は考えている。
いわゆる、思考的「統合」がなく、その中で現実事実の誤認やそれとの乖離がある事である。
そのような状態に人間が陥ってしまい脳機能が正しく作動できなくなってしまうケースは非常に多く、精神医療での患者は統合失調症か抑鬱、躁鬱、この3パターンにほとんどが当てはまるくらい統合失調症はとても人間が陥りやすいものである。
この内、統合失調症と躁鬱は非常に良く似た精神疾患であり、実際には脳内での機能不全や萎縮箇所は全く同じであると伝えている研究や学説も多くある。
私なりに、この似通った2つの疾患は「大きく揺れる波」のような症状だと感じている。
この大きく揺れる波というのは、例えば、躁鬱では、躁状態の時の非凡な脳活動の高いレベルであり、統合失調症では現実を抽象概念に置き換えて理解したり発見しようとする創造性の活発化のことである。
一方で、私は、前置きにも触れた高い知能と統合失調症との関連性についても研究してきた。
③高IQと統合失調症
統合失調症の陽性症状とよばれる創造性の活発化の状態は彼らにおいて、その弊害として理論の一貫性や現実的な体系から逸脱してしまうものである。
通常、健常者の脳では、ここまで活発な創造性や思考の抽象化は生じない。
活発な創造性や思考の抽象化は、高IQの者にも良く見られる事から、両者は何かしらの共通項があるのではないかと考え始めて見たことが、私の統合失調症研究の始まりであった。
私自身、2歳3歳といった幼い頃から思考の抽象化が多く、また幼少期には目を瞑ると沢山の映像が脳内に流れて来るのを面白がって、その映像を母親に見せたがっていた事をよく覚えている。
青年になっても、私の脳は、やはり何か人とは違うなと思う事が多く、
⑴思考の抽象化
⑵現実にない物事から思考を初めて結論を見つけそれによって現実の問題を解決したり予測すること
⑶言葉の意味を正確に理解すること
⑷怒り所
といった点でそれは目立っていた。
この⑴から⑷の項目は私が見て来た統合失調症の人々においても共通している事が多くあった。
そのような経緯から私は何度か精神医療を受診してみたが、その内の医師全員から統合失調症では無いと言ってもらえた。
本ブログの読者の皆様には、私が人と「何か」が違うことは過去の記事内容から周知して頂いているかもしれません。
これらの諸々は、私なりに、普通の人々が1という数の中で物事を観察したり判断しているのに対し、1〜10という世界で観察したり判断している状態だと例えられるように思う。
この世界では多くの人間が活動する現実世界として認識される1の領域での理論概念が広く取り入れられている。しかし、クリエイティブや創造性を駆使して、発明や概念を生み出す場合、2から10までの領域世界まで脳思考を広げなくてはならない。
高い知能を持つ人は特に、通常世界の10倍ほどの概念世界に思考が向いている事が多い。
後ほど、ここで紹介した1の思考領域と1〜10までの思考領域という概念についてより掘り下げて分析するため、少し頭の片隅においてもらいたい。
④芸能人との関係
芸能人では、統合失調症を患う人々が多いようである。
彼らの中には、非凡な才能や天才的とも呼べる2足わらじ、芸能と作家、芸能と画家、芸能とシナリオライターなど様々な専門的な分野で才覚を表す人物が多い。
もっとも、そのような専門分野では、広範かつ深淵な思考プロセスが要求されることもあり、上記の例えに書いた1〜10の思考領域を扱って思考のワイド化とディープ化を行っているものと推測できる。
また、この芸能人という枠内でも1〜10の思考領域を扱える事と統合失調症との関連性は非常に強い。
⑤共通点と相違点
こういった私の思考の数々は、全て書く事はできないが、このような様々な外向的直観と分析から、私はこれらを1つの答えに繋ぐべく推論をしてきた。
1〜10の思考領域を扱う高IQ型の人々と統合失調症の人々の共通点としてまずあげられるのは、両者共に2〜10の思考領域を扱える事である。
現実世界で生きる人々の多くは、こういった(2〜10までの領域での)架空世界での思考プロセスを行う事はない。
相違点としては、統合失調症でない者は自由に、もしくはすぐに、簡単に、1の領域に戻って来られる事である。
統合失調症とは、2〜10の領域と1の領域がスムーズに移行できない状態であるとも言える。
この理論は、前置きに書いた高IQの統合失調型適応障害(幻覚や幻聴といった陽性症状がみられない)の者が、統合失調症者とは異なり2〜10の領域からすぐに1の領域に戻って来ることが出来ることと整合する。なぜなら、彼らに統合失調症の陽性症状が現れないのは、1の領域へ戻る事ができる高IQ者としての特性を兼ね備えているためである。
また、陽性症状が現れていない統合失調症患者は、精神医学において国際的基準であるdsm-5の分類から統合失調症とされず、精神病としてのカテゴライズはされず、それよりも軽いものであるものとして、適応障害などと同じカテゴリに統合失調症型障害とされている。
そのため、健常者高IQと幻覚等の陽性症状の出ない高IQ型統合失調症での違いは非常に少ないのかもしれない。
この部分の鑑別には、感情の平坦化や抑鬱などの陰性症状があるかが重要な要素になる。
⑥発症機序
このような、推理と分析から、なぜどのように脳的に健常であった者が統合失調症患者となるのか推論する事が可能である。
Aパターンは、1の領域でだけ生活していたのに、2〜10の事を思考しなくてはならなくなったパターンである。
これは、過大なストレスや多忙により脳内の情報処理が追いつかなくなってしまった状態である。
これは脳機能のキャパシティオーバーともいえる。
Bパターンは、もともと1〜10の領域で生活していたが、2〜10の創造性領域に歯止めが効かなくなり、創造性に感化され過ぎてしまった状態である。
これは、特に、創造性を活発化し過ぎてしまったが故に1の領域に戻って来れなくなってしまった、才覚ある2足わらじタイプの芸能人のような典型例ではないかと考えられる。
このように、統合失調症とは、脳機能の急激な活発・暴走により、1の領域を失った人々であるとも言える。
⑦予防
統合失調症を患わないために、私が考える対処法は、むやみに2〜10の領域に足を踏み込まないことである。
創造性領域は抽象化や概念的思考、推論のオンパレードであるが、これらは時に現実感領域である1の領域を失うこともあり得るものである。
⑧ユング理論
私はカールユングが大好きで、彼の理論は本当に感動的なものばかりだと思っているが、カールユングの生み出した内向的直観とは、正しく2〜10の領域のことを指している。
内向的直観とは、主に未来を見据える先見性や創造性、直観的思考、推論といった、見えない世界を見るための脳機能のことである。
彼のタイプ論では、この内向的直観を1番目に持つタイプの人々であるINTJとINFJの2タイプでは、外向的感覚が落込んでしまう事が理論的に記されている。
ユング理論の凄まじい所は、このようにある一つの優れた機能をもつ人について見たときに、同時にその人が苦手とする機能が決まってしまうということである。
この関連性において、先にも書いた2〜10の思考領域を持つ事は、現実的な判断を行うべく機能ではある外向的感覚の鈍化に繋がる事が記されている。
つまり、2〜10の領域の思考を続け過ぎると1の領域の思考がなくなってしまう。
このような視点からも、統合失調症にならないようにするためには1の思考領域である現実世界での淡々とした日常や人間関係や雑務にもフォーカスする事が大切である。
またその逆も然り、1の思考領域である現実世界の雑務や人間関係ばかりにとらわれていると、2〜10までの幅広い見方や見識や可能性的示唆といった創造性分野が見出せず、分析力や想像力の欠如に繋がる。
⑨まとめ
1の領域思考と2〜10の領域思考という例えを設けて、統合失調症や創造的思考世界がどのように現実思考と異なるかについて持論を交えて解説をしてみた。
中でも、統合失調症になるものと健常を保てる者の違いとして、1の思考領域への往復可能性が明確な違いとなっている事を私の研究結果として記した。
③では、高IQ者も2から10の思考領域を扱うということを述べた。
④では芸能人にも2〜10を扱うものが多くいるという事を述べた。
また、⑤では統合失調症の人々も2〜10を扱う事を述べた。
⑥では、発症しているとは1の領域へ戻れなくなる事であると述べた。
⑦では予防とは1を失わない事であることを述べた。
⑧ではユング理論でも1への回帰能力が重要である事を述べた
そこで結論として、往復能力こそが統合失調症と健常者との違いである事をまとめとして書き記したい。
統合失調症患者では2〜10の思考領域から現実的思考である1の思考領域にすぐに戻って来れないが、健常者や高IQ者では1の思考領域を保てる事がこれまでの研究により分かった。
何より冒頭に記したように、高IQの統合失調症型障害と呼ばれる状態のモデルを何名か研究でき、彼らが統合失調症の陽性症状による幻覚や幻聴や思考乖離、現実認識の劣化といった部分が無かった事が、健常者高IQと非常に近しい思考脳であった事が、この理論を導き出すための非常に重要なサンプルとして、研究材料になった。
このようにして、統合失調症、特に高IQでは統合失調型適応障害という陽性症状が出ないケースが多く見られた事を研究材料として、創造性とは何か、さらに知能とは何かという部分まで研究できたように思う。
このような解釈を持つことで、身近にいる統合失調症の人々だけでなく、様々な相手を理解するために、または自分自身の思考方法の確認のためなど、多種多様な視点で参考になるかもしれません。