脂質の基礎

 

脂質のイメージ
イメージしにくい。
あえてイメージするなら、液体や固体に含まれる分子レベルの油状の物質とすればいい。

脂質の構成物質
グリセロールと脂肪酸が結合した、高分子化合物。
グリセロール・・・グリセリン
脂肪酸・・・脂質を構成する、分子レベルの物質(炭素、水素、酸素)
高分子化合物とは・・・比較的大きな物質。分子が1万以上集合してできた物質。

エネルギー源
エネルギー効率が良い・・・1グラム9キロカロリー
(タンパク質や炭水化物の約2倍のエネルギー)
太りやすい・・・エネルギーとして消費されなかったぶんは、体脂肪(中性脂肪)として蓄えられる。

細胞膜とホルモンの主成分になる

脂質には、コレステロール、リン脂質が含まれる。
コレステロール、リン脂質は、細胞膜の主成分、ホルモンの原料、胆汁酸の原料になる。
*汁酸・・・脂肪の消化吸収を助ける。胆汁は肝臓で作られ、十二指腸に送られる。十二指腸で、胆汁酸は脂肪を乳化する。

脂溶性ビタミンの吸収
その名の通り、油に溶けるビタミンD・A・K・Eを吸収する。

 

不足や過剰の影響

不足すると、脂溶性ビタミンの吸収をしにくくなる。

過剰になると、肥満になりやすくなる。

 

  脂肪酸の基礎

 

脂質の構成要素は主に2つ。

グリセロールと脂肪酸。

この項目では、脂肪酸について言及します。

 

◯脂肪酸の種類

飽和脂肪酸(動物性)

不飽和脂肪酸(植物性)

 

◯二重結合の有無

飽和脂肪酸・・・二重結合なし

不飽和脂肪酸・・・二重結合あり

 

◯二重結合とは

イメージ

単結合・・・元素同士が、右手だけで握手して結合している。

二重結合・・・元素同士が、右手と左手で握手して結合している。

 

 
◯二重結合の特徴
二重結合の場合、以下の特徴があります。
融点が低くなる・・・理由は、二重結合は分子が動き回るスペースがあるから。分子が動き回るぶん、液体となりやすい。イメージとしては、単結合の場合、右手側は元素Aと握手、左手側は元素Bと握手している状態で、スペースが少ない。二重結合の場合、右手側で右手と左手を使い、元素Aと握手している状態で、左手側のスペースがあいている。
酸化しやすくなる・・・理由は、上述のイメージをもとにすると、左手側にスペースがあいていて、酸素と結合しやすくなっているから。
*融点とは、固体が液体に変わる温度
 
◯飽和脂肪酸の種類
酪酸・・・牛乳、バター、チーズ
カプリル酸・・・ココナッツ油
ラウリン酸・・・パーム油
パルミチン酸・・・ラード、牛脂
ステアリン酸・・・ラード、牛脂
 
◯不飽和脂肪酸の種類1
一価不飽和脂肪酸・・・オメガ9
多価不飽和脂肪酸・・・オメガ6、オメガ3
 
◯不飽和脂肪酸の種類2
オレイン酸・・・オメガ9(オリーブ油)
リノール酸・・・オメガ6(大豆油、コーン油、ごま油)
アラキドン酸・・・オメガ6(レバー、卵)
αーリノレン酸・・・オメガ3(えごま油、アマニ油)
EPA(エイコサペンタエン酸)・・・オメガ3(青魚)
DHA(ドコサヘキサエン酸)・・・オメガ3(青魚)
 
◯必須脂肪酸の知識
リノール酸、アラキドン酸、αーリノレン酸は、体内で合成できない。もしくは、合成できても量が少ない。そのため、食品から摂取する必要がある。
 
◯感想
大豆油・コーン油・ごま油の注意点
現代の食事は、油を多く使用する。
多く使用するので、オメガ6の過剰摂取に陥りやすい。
コンビニの揚げ物、マック、ミスド、ラーメンなどあらゆる食品で油が使用されている。
 
マヨネーズの注意点
マヨネーズは、なたね油が使われていることが多い。
なたね油は、オメガ6とオメガ3に該当する。
ヘキサン処理されていないものを選択する。
多価不飽和脂肪酸は、酸化しやすいので、少量の摂取にとどめる。
 
マーガリンの注意点
マーガリンの主な原料は、植物油、加工油脂、発酵乳。
具体的に、なんの油が使われているか分からない。
何が使われているか分からないものは、食べないのが無難。
 
酸化に注意する
油が酸化すると、アルデヒドに変化する。
コンビニの揚げ物のにおいを想像するとわかりやすい。
酸化は体内でも起こる。
アルデヒドは体内で、臓器を壊したり、体臭の原因となる。
体臭にはいろいろあり、頭皮のにおい、ワキガ、性器のにおい、足のにおい、体全体のにおいなどがある。
 
ヘキサン処理に注意する
油を絞る工程で、ヘキサンという薬剤が使用される。
ヘキサン処理されていない油を選択する。

  コレステロールの基礎

 

「脂質」は、大きな分類を現す言葉です。
「コレステロール」と「栄養素としての脂質」は、「脂質」に分類されます。
 
   ┏栄養素としての脂質
脂質━┃
   ┗コレステロール
 
栄養素表示において、脂質とコレステロールは、別の項目として表示されます。
◯コレステロールの役割
・細胞膜、唾液、胃液、ビタミンD(プロピタミン)の材料になる
・ホルモンの材料になる
(テストステロン、エストロゲン、プロゲステロン、コルチゾール、コルチゾン)
・胆汁の材料になる
(肝臓で胆汁が作られ、十二指腸に分泌される。)
 
◯コレステロールの生産
コレステロールは、肝臓で生産される。
コレステロールの原料は、「糖質や脂肪酸」「食品そのものから得られるコレステロール」が挙げられる。
 
◯生産量(合成量)の調整
肝臓は、コレステロールの合成量を、一定になるように調整している。
摂取しすぎると、バランスが崩れる可能性がある。
 
◯コレステロール単独で移動できない
肝臓で作られたコレステロールは、血液によって、全身に運ばれる。
しかし、コレステロールは脂質なので、そのままでは血液で運ぶことができない。
(水と油)
なので、コレステロールはタンパク質と結合してから、血液によって全身に運ばれる。
タンパク質と結合したコレステロールを、HDLコレステロール、LDLコレステロールと言う。
 
◯HDL、LDLコレステロールの働き
HLDコレステロール・・・全身の細胞からコレステロールを回収して、肝臓に戻す。
LDLコレステロール・・・コレステロールを全身に運ぶ。
 
◯コレステロールが豊富な食材
たまご、レバー