読書感想

タイトル:武士道を行く

著者:与国秀行

 

自分のなりの解釈と、一部要約です。

筆者の一番の主張は、武士道を通じて、愛国心を育み行動することが大切と解釈しました。

 

  筆者が考える武士道

 

著者が考える武士道は、儒教の「五常の徳」がベースにある。
五常の徳とは、仁義礼智信を言う。
(じんぎれいちしん)

仁・・・優しい心。他者に愛情を持ち、他者の悲しみを己の悲しみとする。
義・・・正義。損得勘定を抜きにした、美しい心。
礼・・・礼儀礼節。天に対して、人に対して。
智・・・知識、知恵。
信・・・言行一致。一貫した行動。

 

  知行合一(ちこうごういつ)

 

本当の知識には、行動が伴うと言うこと。
単に知っているだけでは、本当の知識とは言えない。

 

  殺身成仁(さっしんせいじん)

 

天下国家のために尽力すること。己の損得勘定を抜きにすること。

 

 

  公のためにどう過ごすべきか?

 

天下国家のために、尽力する方法。
それは、1日を大切に使うこと。
明日、明後日、今月、今年を大切に使うこと。
1日を大切に使うことで、どういった人生を歩むか決まってくる。

 

 

  むやみに現金を受け取らない

 

むやみに現金を受け取ることを、恥とする風潮があった。

 

  ザビエルの言葉

 

日本人はみな貧しいが、貧乏を恥と考えている者はいない。
(むしろ、徳がないことを恥とした。)

 

  上杉謙信の言葉

 

戦いは弓矢でするものである。
米や塩でするものではない。
塩が必要であるなら、戦争相手であっても送りましょう。

 

  侍たちはなぜ戦ったのか

 

侍たちは、なんのために狂人となり、戦い、仁を貫き通したか。
それは、天下国家のため。

 

  国の大切さ

 

夜間家族で過ごしていたら、強盗が入ってくる。
ギャングが警察に賄賂を渡し、警察がまともに動かない。
少年が誘拐され洗脳され、反体制組織の兵に育てられる。
しかし、ある者は、家族団らんで平和に過ごし、恋愛を楽しみ、自由にビジネスを行っている。
人により環境が異なる。
なにが違うのか?違いは国である。

その国を守ってきたのは誰か?
我々はどう考え何をすべきか?
おのずと答えは見えてくる。

 

  人生の四季

 

人には天命がある。
何歳で死去するか分からない。
人それぞれ、人生には四季がある。
吉田松陰は30歳で他界した。
松陰は言った。
「決して短くない。私なりの四季があったのだ。」
自分自身の人生は、どの季節だろうか?

 

  七生報国(しちしょうほうこく)

 

楠木正成が、死を覚悟したとき口にした言葉。
生命が尽きても、七度生まれ変わっても国に報いると言った意味。

 

  吉田松陰の句

 

死が間近になったときの句
親思う 心にまさる 親心 けふの音ずれ 何ときくらん

辞世の句
身はたとえ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂

 

  視点を国家に向ける

 

自分の心の向きを、金銭、権力、地位と言ったものから、天下国家に向けることで、自分の生きざまを替えられる。目標を持って生きられる。

 

  米国が本土地上戦を断念した理由

 

パラオ・ペリリュー、硫黄島、沖縄、神風特攻隊などの戦闘を見て、占領は容易ではないと考えたため。

 

  日本分割統治案がなくなった理由

 

侍による反乱が断続的に起こり、分割統治は不可能と考えたため。
(フィリピンの国名は、スペイン国王フェリペ3世が元になったもの。愛国心が強い日本では、受け入れられなかっただろう。)

 

  徳高い者には言がある

 

年老いても心幼い者はいる。
逆に、幼くても徳高い者がいる。
徳高い者には、必ず言がある。

 

  真の友とは

 

筆者が考える真の友とは。
互いに学びを深め、互いに人格を向上させ、互いに優しく思いやり、心ざし(愛国心)を共にし手を取り合うもの

 

  夢があれば老いはこない

 

夢があれば、何歳でも熱い気持ちで過ごすことができる。
夢がなくなったとき、本当に老いていく。

 

  徳がもっとも大切

 

徳ばもっとも大切な理由。
徳をつめば仁が大きくなる、仁が大きくなれば志が大きくなる、志が大きくなれば行動ができる、行動ができれば知行合一となり、知行合一となれば殺身成仁となれる。

 

  転生輪廻

 

佛教では、転生輪廻を説いている。
人は、生まれ変わることができる。
武士道のベースのひとつは、佛教である。
転生輪廻の考えに基づいて、死生観が養われてきた。