若い人はご存じないかもしれませんが、日本の戦後の芸術家で異彩を放っていた人に、岡本太郎という人がいました。
有名人だった父親と、より有名人だった母親から生まれましたが、ずいぶんと変わった母親の血を引き継いで当人も変わった人でした。
「変わった」と書きましたが、わたしも子供の頃から宇宙人と呼ばれて「変わった」人だったので、岡本太郎に惹かれるところがあります。
世間の言う「変わった」には多少批判的な面もあると思いますが、わたしにとって「変わった」は個性です。
(わたしにとって)同じ作品を何度鑑賞しても飽きないのは、岡本太郎・棟方志功・いわさきちひろです。
何故かわかりませんが、好きです。
話はかわりますが、昨年の後半ぐらいから、「孤独」に関する本を図書館で借りたり買ったりしています。
どうも今後の人生の過ごし方に関して、「孤独」について勉強しろと言われているようです。
世間では「孤独」について否定的な感情があります。
「孤独死」というネーミングも、孤独が持っているマイナスのイメージがあるからこそセンセーショナルな言葉になるのだと思います。
ところが、孤独に関する書籍を探していると、「孤独」の良い点を訴えたり、「孤独」を薦める書籍があることに気付きます。
例えば戦後の有名な思想家で、団塊世代に大きな影響力を持っていた、吉本隆明が「ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ」という本を書いています。
そして例の岡本太郎も「孤独がきみを強くする」という本を書いています。
本には各タイトルに自由詩のような文章が書いてあります。
もしかしたら口述筆記ではないかとも思いました。
そんな中から2つご紹介します。
岡本太郎はもともと心の強かった人ではなく、普通の人だったようです。
彼のやりたいことは世間の常識からは外れていたようで、当然世間からは孤立したようです。
でも世間と迎合せずに、自分を鼓舞して、不完全な自分を押し通して、やりたいことをやり続けました。
ですからこの本の文章は彼が彼自身に語ったものではないでしょうか。
とても勇気をもらいました。