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H4ー2 OTAKU日和

愉しいヲタク L I F E

「その執事 黒薔薇」結婚編その4です☆





『…そうだ。共に生きる。…これが、僕のささやかな願いだった。セバスチャンを愛し、そして愛される幸せを知った時からの…。だが、所詮これは叶わぬ夢。…ならば、共に生きる事が出来ないのなら、主人とその執事としてでいい。今のこの時間(とき)を、セバスチャンの傍で…そう、思っていた』



ふいに強い風が吹き、セバスチャンは思わず瞳を瞑った。彼の長い髪が風になびく。


頭上では、風に驚いた鳥達がバタバタと一斉に飛び去っていく。



先程シエルが脇に置いたグラスが風で倒れ地面に落ちたが、幸い柔らかな芝生の上だった為割れずにすんだ。



再び顔を上げたセバスチャンの視線の先に、風により乱れた髪を手で押さえるシエルがいる。



未だ跪いたままでいる彼を見つめるその表情は幸せに包まれ、瞳には涙が光っていた。



「坊ちゃん…」



「なっ、ちっ違うぞ。これは…。目にゴミが入っただけだっ」



無意識とはいえ、不覚にも涙を見せてしまったシエルは慌てて瞳を擦る。



セバスチャンは優しく微笑み、シエルの左手を取ると、その薬指にそっとキスをした。



「セバスチャン…」



「…今の私には、これだけしか出来ません。ですが、後程貴方に相応しい指輪を用意致します。それまで、どうかお待ち頂きたい」



「いい…」



シエルは左手を空にかざし、眩しそうに瞳を細める。



「これで、いい…」



セバスチャンはおもむろに立ち上がるとシエルに手を差し延べ、誓う。



「愛しています。坊ちゃん…。永遠に貴方だけを…」



「僕も愛してる。セバスチャン…。今までも、これからもお前だけだ」



シエルは手を伸ばすと、誓いの証であるようにセバスチャンの掌に自分の手を重ね、微笑む。



おもむろにセバスチャンはシエルを軽々と抱き上げると、そっと唇を重ねた。



不意を突かれ瞳をパチクリさせていたシエルも、やがて静かに瞳を閉じセバスチャンの首に腕を回す。



ひとしきりのキスを交わし唇が離れた後も、二人は強く抱きしめ合ったまま動かなかった。



どのくらいそうしていたか、ふいに頭上から鳥達の鳴き声がし、二人は我に返る。



セバスチャンは空を仰ぎ、ため息を吐いた。



「嗚呼…、日がもうあんなに高い。坊ちゃん、お屋敷に戻り昼食に致しましょう」



「ああ、そうだな。もうそんな時間か。気付かなかったな」



セバスチャンはシエルをもう一度ベンチに座らせると、帰り支度を済ませ(勿論、落ちたグラスも拾い)、



「さぁ、参りましょう。坊ちゃん」



「待て。…今日は朝から歩き回って疲れた。…抱いていけ」



「喜んで…。坊ちゃん」



セバスチャンは微笑むと、シエルを優しく抱き上げる。



「…ちょっと待て」



屋敷に帰るべく来た道を戻ろうとしたセバスチャンに、シエルは声を掛けた。



その5へ続きます☆


「前回までのあらすじ」





こんにちは♪
獄寺・パラリーナ・銀子です(*^ー^)ノ♪

「その執事 黒薔薇」結婚編その3、や-っと完成です!!

長らくお待たせしてしまい、すいませんでしたf(^_^;


†前回までのあらすじ†

セバスチャンと共に森へ来たシエル。馴れない森の中を歩き回ったせいか、始め不機嫌だったシエルも次第に回りの景色を楽しむようになっていた。

やがて湖にたどり着き、その美しさに目を奪われる。
セバスチャンが半ば強引にもシエルを森へ誘い出したのは、是が非でも伝えたい確固たる想いの為だった…。


それでは、本文へどうぞ☆




シエルはレモネードを一口飲むとホッと息をつき、視線を湖へ向けたままおもむろに口を開いた。



「セバスチャン。今日、僕をここへ誘い出したのは、単なる森林浴の為だけじゃないだろう?」



傍で、セバスチャンがハッと息を飲む気配がする。



「どうなんだ。セバスチャン」



シエルは振り返り、更に聞く。



セバスチャンは意を決したようにシエルの前に出、その足元に跪いた。



「仰る通りです、坊ちゃん。本日は貴方に大事なお話をする為、ここへお連れしました」



「…何だ。急に改まって。いいぞ、話せ」



セバスチャンの自分を見つめるその真剣な眼差しに、シエルはあの一夜を思い出した。



―初めてセバスチャンにキスされた次の日。寝室で僕に、何時になく真剣な顔で許しを乞うセバスチャンのそれに…。



あの時、初めてセバスチャンに抱かれた。



その時は、セバスチャンの意図が分からず頭を混乱させた。



それに加え、あの忌まわしい記憶までもが蘇り、正直セバスチャンを恨みもした。



…が、あの夜以降セバスチャンに抱かれても、あの記憶が思い出される事はなく、変わりにこいつの存在が僕の中で確実に大きくなっていった。



「…私は、悪魔として生を受けてからの気の遠くなるような長い時間(とき)を、ただの一度も誰かを愛した事がありません。そんな私が貴方と出会う事によって、初めて人を愛するという喜びと幸せを知りました」



セバスチャンはここで一旦言葉を切り、微笑む。



その微笑みをシエルは無言で受け止める。



「ですから…」と、セバスチャンは更に続けて、



「私はこの先も、貴方と共に在りたい…。坊ちゃん、悪魔とその主人としてではなく、愛する恋人として私と共に生きて頂けますか」



それまで一言も口を挟まずにいたシエルは、その言葉に瞳を見開く。



セバスチャンは跪いたままの姿勢で自分を見つめている。


二人だけの時にしか見せない、穏やかで優しげな瞳で…。



ふと、手に持ったままのレモネードをくいっと一気に飲み干すと、空のグラスを脇に置き静かに口を開いた。



「共に生きる…。それがどういう事か、お前は分かってるのか」



「はい」



セバスチャンはコクリと頷く。



「そうか。…なら、僕の答えは一つだ。……僕も、お前と共に生きたい。これから先も、ずっと…」



シエルが優しく微笑みながら答えると、セバスチャンは身体を震わせながらやっとの思いで声を出した。



「あ、ありがとう…ございます。坊ちゃん」



その4へ続きます☆


謹賀新年


新年明けましておめでとうございます。



今年もH④Memberblogをよろしくお願いします。


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さて、
またもや頂きました月間アップ賞。



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あなたはひと月がんばってブログを書き、たくさんの人に楽しい時間を提供しました。これを記念して、第20回月間段位アップ賞を贈ります。新年あけましておめでとうございます!今年もブログをたくさん書いて、ランクアップ目指しましょう♪
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m(__)m
いつもアクセスして下さる皆様のおかげさまです。



ありがとうございます。



カ-ドのアップは後日にやりますので、お許し下さいませ。



今年も萌えパワーで爆発しまくります。



(^^ゞ
よろしくお付き合い下さいませ。