※チェルシ―チエルの妄想です。
タイガ-&バニ- 二次小説
虎薔薇 White・Love Song ~ブルークリスマス~
12月。 クリスマスを目前に、 シュテルンビルトの街は、賑やかさ を増している。
学校が冬休みに入ると、 カリ-ナはヒ-ロ-の仕事と音楽制 作で忙しい毎日を送っていた。
今手掛けている曲はラブソング。作 詞がどうも上手くいかない。
春に、ブルーローズとしてのアルバ ムを発表する予定で、何曲か作詞作 曲を担当している。
部屋のベットに寝そべりながら、頭 を悩ませていた。
「う-ん。どうしても言葉が浮かば ない。気分転換に外で考えようかな ?」
窓から外を覗き込むと、薄暗くなっ て、大つぶの雪がちらちら降ってい た。
家路を急ぐ人々が、白い息を吐き、 手袋をした両手で口元を覆っている 。
「雪が降って来たのね。」
急いで、新しく買った白いコ-トを 取り出し、赤いミニスカ-トに踵の 高いブ-ツを履き、小走りで家を出 た。
「カリ-ナ?出掛けるの-?!」
台所で夕飯準備をしていたママが、 慌ただしい物音に気付き、声を大に して叫んだ。
既に彼女の姿は無い。
クスリと笑うママは優しい顔で、何 か懐かしがり、愛おしみながら窓の 外の雪景色を見ている。
小さい頃から、カリ-ナは雪が降る と落ち着きが無くなって、すぐに外 に行きたがるのよね……。 変わってないんだわ。
大つぶの雪は小降りになり始めたが 、益々、体に突き刺さるような寒さ だ。
「フフン、フン、フン……♪」
鼻歌を歌いながら早足で、いつも通 っているカフェへ向かう。
ふと、前方を見ると、よく知ってい るシルエットが目に入って来た。
身長が高く、スラリとした体型、長 い足、頭には帽子をかぶって、大き な声で笑っている。
「あ……。」
思わず顔がにやけ、胸がドキドキし て来た。
あれは、タイガ-だ!!!! 偶然、 会えるなんて思わなかった!!!!
同じヒ-ロ-である、ワイルド・タ イガ-、虎徹(こてつ)が歩いてい る。
よく見ると、左側に同じくヒ-ロ- のバ-ナビ-も一緒で、二人の間に は、虎徹の娘、楓(かえで)が居た 。
楓と手を繋ぐ虎徹を遠目で見ている と、娘が可愛くて仕方ないという、 優しい眼差しの父親の顔をしている 。
カリ-ナは暫く立ち止まり、見入っ ていた。
楓ちゃん、ちょっと羨ましいなぁ… …。
虎徹と隣り合わせで歩き、あんなに 優しい眼差しを自分に向けて欲しい と願った。
「ボォ-っとして、ここで何をして るんです? 風邪を引きますよ?」
「え……??あれ??」
ハッとして辺りを見回すと、目の前 にバ-ナビ-の姿があった。
「え……と……。タイガ-は?!」
咄嗟に出た自分の言葉にびっくりし て、しまった!!と焦りながら、そ れ以上何も言えなくなった。
きょどってるカリ-ナを見ながら、 クスクス笑うバ-ナビ-に彼女はム ッとして、「何がおかしいの??」 と詰め寄る。
「虎徹さんなら、楓ちゃんと、すぐ に戻りますよ。」
「あっそう……。」
思わず真っ赤になった顔に焦る。
バ-ナビ-には、私の気持ちがバレ ているんだわ。嫌だな。
その場があまりにも、気まずい。
「あれ-?!ブルーローズ?!よぉ -!!」
背後から、明るい声が聞こえ、振り 向くと、虎徹と楓だった。
「こんばんは。ブルーローズさん。 」
楓がにこりと笑う。
「あの、素顔の時に、その……、ヒ -ロ-の時の呼び方をされると困る んだけど……。」
顔をひくひくさせ、小声で二人に言 うと、楓は、「あっ。ごめんなさい 。」と素直に謝った。
虎徹も頭に手を回しながら、気まず そうに言う。
「いやぁ、気を使わなくて悪かった な。んで、何て、呼べばいいんだよ ?」
「はぁ?!、なんってって……、何 で、いちいち 聞くのよ!!」
本当に、何かとムカつく!!
カリ-ナは、膨れっ面で虎徹を睨ん だ。
「そんな、怒るなよ。普段はブルー ローズとしか呼んでないから、本名 が分からねぇんだよ。」
「……私の本名を知らないの?!」
これには、かなりショックだった。
「確か、カリ-ナさん、ですよね? 」
バ-ナビ-が、にっこりと笑い、横 から口を挟んだ。
「……そう、だけど……。」
タイガ-が本名を知っててくれると 、嬉しかったのになぁ。
カリ-ナの曇った顔に、虎徹とバ- ナビ-はそれぞれ困っていた。
その時、楓がカリ-ナの手を取り、 「あの、良かったら、これから、ご 飯を食べに行くんですけど、一緒に 行きませんか?」と笑った。
「楓ちゃん……。」
カリ-ナが戸惑っていると、「なぁ 、そうだよな。それがいい。カリ- ナ……ちゃん、も、一緒に、ご飯食 べようぜ!!」
慌てながら、虎徹が言う。
「そうですね。カリ-ナさん。一緒 にどうです?」
バ-ナビ-まで笑ってくれて……、 カリ-ナは大人げない態度の自分を 恥ずかしいと思い、素直にうんとは 言えず、ただ、頷いた。
徒歩で5分と経たない所にイタリア ンの洒落たレストランがあり、そこ でディナーの予約をしているようだ った。
「え?!こんなオシャレなとこで食 事をするの?私、普段着で来たのに ……。」
虎徹はカリ-ナをじっと見て、何か いいたげにしている。
彼女はその視線に気付くと、顔を赤 らめ、目線を背けた。
「別にいいんじゃねぇか。おまえは いつも可愛いし。」
「え……?!」
一瞬、何か聞いてはいけない事を聞 いてしまったような気持ちになり、 頭がパニックになった。
今、タイガ-は私を可愛いって言っ たよね?!
初めて虎徹から女として認められた ようで、顔がニヤケてしまう。
「お父さんとお母さんがデ-トで行 ったお店って、ここなの?!」
楓が、虎徹の手を掴み、嬉しそうに はしゃいでいる。
え?!タイガ-が亡くなった奥さん と来たお店?
瞬時に、顔が青ざめ、血の気が引い ていくような感じがした。
「うん。まぁな。オレとおまえの母 さんが何か食べたくなると必ず来て いた店だ。楓にも食べさせてやりた くてな。」
「嬉しい!!お父さんとお母さんが 食べていたスパゲティーをずっと食 べてみたかったんだ。」
虎徹親子の無邪気なやり取りを見て いると、胸が締め付けられそうにな る。
凄く、ほほえましい光景なのに…… 。
[2へ続く〕