在来線高速化に貢献する弾性ポイントの構造が良く分かる特許を見つけたので、紹介します。

在来線の特急車両は130km/hのスピードが出ますが、駅や信号所を通過する度に90km/hまで減速する必要があり、所要時間が長くなっています。原因はN形普通ポイントのリードレールとトングレールの間に隙間がある為です。

弾性ポイントはこの隙間を無くして、リードレールとトングレールを一体にして、折れ曲がる部分のレール底部(図2の20)を削ってレールがしなる様にしたものです。

【従来の技術】従来より前記ポイント部が弾性ポイントの場合、ポイント部後端の固定部においては、対向する基本レール1とトングレール2間が狭いため図6で示すように両端が前記両レール1、2の各内向底部10、20に係止する係止段部30、31を有する1個の座金3をボルト4、ナット5により締結している。このためトングレール2のみを交換する場合には、ナット5、ボルト4、座金3を外して新トングレールに交換し、さらに基本レール1を微動しつつ基本レール1およびトングレール2間を調整し、座金3、ボルト4、ナット5による再締結をしなければならず、容易かつ迅速に作業することができなかった。
 また従来より前記ポイント部にはトングレ
ール2の横たわみを減らすために2本のトングレール2、2を控え棒9′(図1の仮想線で示す)で連結しているが、従来の控え棒9′はまくらぎ11とまくらぎ11の間に配置されており、バラスト突き固め作業に支障をきたし、容易かつ迅速に作業をすることができなかった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は分岐器のポイント部における修復作業を容易かつ迅速にすることを課題とするもので、トングレールの交換、バラスト突き固め作業を容易かつ迅速にできるようにすることを課題とするものである。

【課題を解決するための手段】本発明は弾性ポイントのポイント部後端の固定部における床板上に載置された基本レールとトングレールとの間に一対の締結用のバネクリップを千鳥上に配置し、一方のバネクリップで前記基本レールの底部を締結し、他方のバネクリップで前記トングレールの底部を締結することを特徴とするものである。
 このためトングレールを交換するには、基
本レールに対する一方のバネクリップの締結をそのままの状態にし、他方のバネクリップを外し、新トングレールに交換した後、他方のバネクリップで新トングレールを締結する。
 また本発明は弾性ポイントのポイント部に
配置された一対のトングレールを控え棒で連結し、しかも前記控え棒をまくらぎの上方に位置させることを特徴とするものである。
 このため複数のまくらぎ間には支障物がな
く、容易かつ迅速にバラスト突き固め作業をすることができる。
 さらに本発明は弾性ポイントのポイント部
後端の固定部における床板上に載置された基本レールとトングレールとの間に一対の締結用のバネクリップを千鳥上に配置し、一方のバネクリップで前記基本レールの底部を締結し、他方のバネクリップで前記トングレールの底部を締結し、また弾性ポイントのポイント部に配置された一対のトングレールを控え棒で連結し、しかも前記控え棒をまくらぎの上方に位置させることを特徴とするものである。
 このため前記と同様にトングレールの交換
作業およびバラスト突き固め作業を容易かつ迅速にすることができる。
 

 

マンガンクロッシングとは、高マンガン鋼を使用した一体鋳造で製造されるクロッシングです。

 
相模鉄道も弾性ポイントに交換していると聞いて、二俣川駅の横浜寄りを確認して来ました。リードレールに継ぎ目が有って分かり難いのですが、トングレールの変形部分のレール底部が削れており、確かに弾性ポイントになっていました。