周地球円盤粒子から月の形成
原始地球にラグランジュ惑星「テイア」が正面衝突して、地球のマグマとテイアのマグマが混ざり合って飛び散ったこと。月はもっと地球に近いところで出来て、徐々に地球から遠ざかっており、月が出来たときは地球の1日は7時間だったこと。は書きましたが、衝突で飛び散ったマグマの粒子が1つの月に集積するところをまだ書いてなかったので、まとめました。
これは、国立天文台の小久保教授が天文月報1999年6月号に発表した内容を簡単にまとめたものです。
周地球円盤粒子の運動方程式は
ここで、Gは重力定数、miは粒子の質量、xiは粒子の位置、M+は地球の質量。Nは粒子数で10000個で計算。
(1)粒子はロッシュ限界の外側まで飛び散っている。
(2)粒子の円盤が形成されて収縮する。
(3)ロッシュ限界内は重力不安定になり渦巻きを形成する。
(4)ロッシュ限界の外側に月の種が形成される。
(5)月の種はロッシュ限界内にある粒子を集積する。
(6)月の種は成長しながら外側に移動して月になる。
土星の輪は衝突でできた周土星円盤粒子ですが、ロッシュ限界よりも外側まで飛び散らなかったので、大きな月が形成されないで周土星円盤粒子のまま残ったようです。
ロッシュ限界は
ここで、ρ+は惑星の密度、ρは月形成物質の密度、R+は惑星の半径
シミュレーションでも分かる通り、月と一緒にラグランジュ衛星もできており、それが月の表側に側面衝突すると表面が解けて平らになり海と呼ばれる部分が多くなります。また、表側の密度が高くなるので、月の表側だけを地球に向けて公転しています。