「幸せと思う瞬間・・・」
今の時代では早婚だ。
25歳になる直前だった。
今から約25年前、コックの見習い中の僕は仕事を辞め、バックパッカーとして欧州を歩いている時にスペインで知り合った日本人女性と結婚した。
彼女の故郷である東北のある田舎町で形ばかりの披露宴を行った。式はなし、写真館で貸衣装の紋付羽織袴と白無垢の衣装を着て、パチリと数枚のアルバムに収まっただけ、そのまま、走って数分の寿司屋の2Fが会場だった。・・・宴の途中に二人で抜け出し、列車を乗り継いで成田空港に向かった。
それから数週間、知り合った地、ヨーロッパを旅した。
帰国後、彼女は医療事務の仕事を病院で再開、僕は無職のまま、髪結いの亭主となった。
・・・彼女の月に一度の給料日、僅かな給金から2000円だけを引き出し、近くの中華屋でビール一本で二人で乾杯、固焼きそばと餃子が肴だった。最後に一杯のチャンポンを二人で分けて、お腹も心も満たされた。・・・
・・・僕は先の見えない未来の夢をポジティブに語り彼女は嬉しそうに微笑んでいた。
職も無く、お金もない僕だったが、夢だけは無限にあった。
現実には日々悶々とした状態だったと思う。でも、月に一度の乾杯が僕たちの幸せの瞬間だった。
・・・大きな幸せて何だろう?、。
幸せを大小で計る事自身、矛盾しているように感じる。