続 ポケット | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

「続 ポケット」


11月9日付けブログより

・・・ スタッフと共に会社の車を自ら運転して来ていた。 都市高速に乗りオフィスに戻る。近くの駐車場に車を預けオフィスに戻った。1時間から2時間雑務をこなし、某F大学の教授達との会食の為、郊外にあるイタリアレストランに車で出かけた・・・続く・・・  

 この時点で胸騒ぎがしていた。「もしかしたら・・・」「きっとどこかにあるだろう・・・」

食事の時も頭の片隅に不安がよぎる。・・・マンションの駐車場に戻り、徹底的に探した。「ない!ない!」かなり焦ってきた。 確かに朝出かけるときに確認して持っていった。 ETCのカードもそこから取り出した。会社の駐車場でプリペイドカードもそこにしまったよな。・・・自宅マンションに戻る。落ち着け! 先ずはカバンからだ。ひっくり返してみる。「ない!ない!!」 次は身に着けている服の全てのポケットに手を直接入れて探してみる。「ない!ない!ない!!!」「・・・まさか?」 会社に電話してみる。僕の机からトイレまで探してもらう。「ない!ない!ない!!」ガーン 本当にないみたいだ。ここで事の重要性に頭がグラグラしてきた。 免許証とガソリンカード、駐車場のプリペイドカード。保険のカードが入ったカードケースがないのだ。

もう、夜の23時過ぎである。ブルーになってもしょうがない。明日は午後からテレビのレギュラーの日、午前中で全てやらなければいけない。翌日の土曜日は車を運転しなければいけない。安定飛行していた飛行機が予想しない乱気流に呑み込まれてしまう、エアーポケット状態だ。 ぐらぐらしている状態は黙って落ち着いて待つしかないのだ。

翌日、早めにバスでオフィスへ。 昨日、今日やるべき事のシュミレーションをした通りにスタッフに指示をする。T君へはガソリンカードを止めるように連絡をたのむ。出勤してないK嬢には免許証の再交付用の写真をプリントしてもらうように頼まなければ・・・、それから昨日、大学の講演に同行したM君には傍の駐車場に行ってもらってプリペイドカードを止めて貰う様に頼む。もし、誰かそのカードを使用する人がいたら拾った人間に違いないので車のナンバーを控えた上で、連絡してもらうように言ってくれと指示をだす。 僕は今から最寄の交番に行って届けを出して書類を書いて貰わなければならない。それを持って自動車試験所に再発行の手続きに出かけなければいけない。 午後からテレビのレギュラーだ。間に合うかなぁ?・・・

駐車場に行くM君に会社の名刺を持っていくように言う。 「僕ので良いですか?」 
「いいよ。」・・・「何これ? えっ!! あっ!!何で?ありました。」 「えっ!! 何で!!」 M君のスーツの裏ポケットから僕のカードケースが出てきたのだ。渡した覚えも渡された覚えも双方ともないのだ。 昨日からブルーだった僕の心はバラ色に変った。 一人、浮かぬのはM君である。・・・大丈夫だよ。何の疑いももってないし、不思議な事だけど、ブログネタも出来たし。、、、「有難う。」


ぐらぐらと揺れ続けた身体も心も乱気流から抜けて、もとの静かな安定飛行に戻った。 エアーポケットは突然予期せぬ時にやってくる。しっかりと安全ベルトをしてないとね。