物語りが始まる街~ミラノ | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

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出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

「物語りが始まる街~ミラノ」


イタリアに遊学する切っ掛けとなったのは今から30年前、モナコのモンテカルロからイタリアはミラノに向かう為に乗り込んだ列車の1等コンパートメントで同室となったイタリア人のファミリーと仲良くなったのが始まりである。 お互い言葉はブロークンな英語とイタリア語・・・殆ど通じなかったね。まぁ、身振り手振りのボディランゲージで何とかなったが、兎に角、訳分からないまま盛り上がり、ミラノに到着した時点でヴィーノ(ワイン)で絶好調、そのまま家に招待され暫くお世話になった。 その家族は
パパは自転車選手、ママは画家、弟は自転車選手見習い、娘は家具会社のセクレタリーでモデルも兼業していた。 その娘とLOVE*haert*  ノービザでの滞在は当時は1ヶ月、一年後の再会を約束して帰国、一年間肉体労働で働き、金を貯め、語学を勉強、ビザを取得し、片道航空券でイタリアはミラノへ。 迎えに来ていた彼女の隣には男が? 彼女の一言「Lui e il mio fidenziato./彼は私の婚約者」・・・

一年間の僕の必死の努力は何だったのだろう?昼・夜働き、予習、復習しっかり勉強イタリア語、朝・昼・夜も三度の自炊、週に一度のリラックスは日曜毎の一番風呂~銭湯通いは嬉し、恥ずかし週3日、栄養つける駅前スーパー

3枚1000円輸入牛のステーキパック、これで元気に一週間、頑張れ働け、もっとやれ、やっと貯めたぞ200万、待っててくれたか愛しの彼女、Ti amo.もっとで、もう直ぐだ、着いたら男が出来ていた。・・・という事で僕の淡いイタリア人女性との恋愛はあっけなく幕が降りたのである。・・・その後、フィレンツィエへ移動して学校へ、それから何回、ミラノへと足を運んだ事だろう。 霧の街、ミラノ、高級ブラ
ンドブティックが立ち並ぶモンテナポレーネ通り、ドゥオーモ広場からスカラ座へ抜ける巨大アーケードのガレリア、街を行き交う人々は皆お洒落で映画の出演者の様だ。あの存在感はいったいどこからかもし出されるのだろうか? 僕もそのシーンにトリップだ。 ここから始まった物語、30年間の間に様々な事があった。ほぼ1年毎にミラノに訪れている。 何かが始まる予感を常に感じる。建物は昔のままの姿だ。

雨に濡れた石畳も当時の記憶を埋め込んだまま

僕の靴の底で光っている。変らぬ街の様子がリアルに過ぎ去った過去を呼び起こし僕の頭の中で走馬灯の様に駆け巡る。・・・相も変らず行き交う人々は映画のシーンから抜け出た俳優達の様に個性溢れる装いで闊歩する。

僕もその中に埋もれていく。

物語りはミラノから始まる。・・・