本日で、911から10年、311から半年が経ちます。

911をマンハッタンの西45丁目で、311を東京で、どちらも直接的な被害は特に無かったものの、二つの出来事を間接的とは言えない距離で体験しました。

マッサージセラピストとして、911は未だ学生でしたが、311は東京でサロンを開いて3年が経とうとしていました。

もう10年以上前になりますが、Swedish Institute College of Health Science(スウェディッシュインスティテュート)に入学する直前に、あるシャーマンの言葉をたまたま本で見つけました。

そこには、「マッサージは祈りである。」と書かれていました。

その時は、どうも、イメージでは祈りながらマッサージしている姿を連想して、何となくピンと来なかったのです。
というのも、これから解剖学や生理学や体の仕組みを勉強して、メディカルマッサージを身につけたいと思っていたので、お祈りと、セラピー(治療)としてのマッサージというのが上手く繋がりませんでした。

NYのマッサージの短大に入学後は本当に大変でした。沢山の医学用語、特に骨と筋肉の名前は三十路をとっくに過ぎた私の脳みそには厳しかったです。そして、脊柱側湾、皮膚炎、糖尿病など、日本語では漢字から意味が解るものも、一つづつ覚えていかなければいけません。

がんばってようやく最後のセメスターにこぎつけた時に、911のテロ事件が起こりました。

ワールド・トレード・センターの近くに住むクラスメートと連絡が取れないということで、クラス内は異様な雰囲気だったこともあります。(彼女は従兄弟の家に避難していたということで、無事でした。)
講義を続けるかどうかという話し合いが担当の先生と生徒の間で持たれたり、空いている教室には瞑想ルームも作られました。

毒ガスマスクが売れに売れ、抗生物質を持ち歩く人、郵便物や水に混入されるかも知れない毒薬のうわさ、あちこちに貼られたMISSING PERSONの大量の張り紙。

ニューヨーク中が悲しみに包まれていました。

今後、どうなるんだろうという不安。今まで体験したことのない緊張感。いつまたどういった手段で起きるかも知れない恐怖。きっとみんながこんな気持でいたと思います。

こんなに苦労したんだから何事も起こらずスウェディッシュインスティテュートを卒業させてほしい!というのがその時の私の切実な思いでした。

それと同時に、自分がマッサージセラピーを選んだ事は正しい選択だったと思ったのです。

それは、何があっても、言葉の通じないところでも世界中でこの技術を使って人の役に立てる。どんな状況であっても、自分の手さえ使えれば、マッサージはできる!と思ったのです。

幸い、無事に卒業することができ、マッサージセラピストとして沢山の経験をし、2008年に日本に帰国しease NYの日本支店を立ち上げました。

それから3年経とうとした時に311が起こりました。

幸い、昼のマッサージクラスが終わり生徒さんもクライアントさんも居なくて一人でサロンで植木を抱えながら、揺れを耐えていたのですが、特に主だった被害はありませんでした。

その次の日にはease NYの創設者である森脇が日本に来て、月曜日の3月14日から二人で4ハンズセラピーをさせて頂きました。

クライアントさんのお身体は何時もと違った緊張感とあまり眠れていない状態でした。

皆さん、森脇との再会を楽しみに随分前からご予約を頂いていました。震災直後にも関わらず、キャンセルは2件のみでした。

10日間のセッションで多くのクライアントさんのお身体を施術させて頂きながら、私はマッサージセラピーをする事が喜びであり、幸せである事に改めて気付きました。

癒しの仕事と言われますが、クライアントさんだけでなく私自身深く癒されていたのだと感じました。

クライアントさんのコンディションに集中して施術すること。

やっと、あのシャーマンの言った「マッサージは祈りである。」という意味が解った気がしました。

祈りは宗教的儀式だけでなく、どこにでも存在するものなんだと思います。

prayer(祈る人)は祈ることで気持ちが癒されるのではないでしょうか。

悲しみや、不安、恐怖などを、人は祈ることで心が救われていく/癒されていくのではないかと思います。だから、祈るのではないでしょうか?

体や心を癒し、楽にして、元気にするマッサージセラピー。

これからもマッサージセラピーを通じで沢山の人達のお役に立てていけたら、幸せです。

911から10年、311から半年。祈りを捧げます。