工芸・デザインの復習です
◆アーツ・アンド・クラフツ
1880年代 イギリス
手仕事を重視した総合的な芸術・社会改革運動
ジョン・ラスキン（美術評論家）の中世を理想とする考えに共感
ウィリアム・モリス
エドワード・バーン＝ジョーンズ
◆グラスゴー派
1890年代後半
スコットランドのグラスゴーで活躍したデザイン集団
幻想的曲線 世紀末的妖しさの装飾性
アーツ・アンド・クラフツからは拒絶される
ロンドンの雑誌『ステュディオ』を通して ウィーン分離派から熱狂的支持
マクドナルド姉妹
チャールズ・レニー・マッキントッシュ
ウィロー・ティールーム ドアデザイン
◆アール・ヌーヴォー
19世紀末
フランス語で「新しい芸術」
植物文様や有機的曲線の多様
浮世絵版画からの影響
ミュシャ
ロートレック
ガウディ
エミール・ガレ テーブル 1900
◆ユーゲントシュティール
ドイツでのアール・ヌーヴォーの名称
1896年ミュンヘンで創刊『ユーゲント』にちなんだ名
芸術雑誌を通じて普及
ベーレンス 自邸
◆分離派
1890年代
ドイツとオーストリアの革新的作家たち
アカデミーに対抗して分離したグループ
フランス印象派に倣い 画家独自の協会と展覧会運営
〈ドイツ〉
ベルリン分離派
ミュンヘン分離派
マックス・リーパーマン
ローヴィス・コリント
当時の象徴主義の作家たちも活躍
〈オーストリア〉
ウィーン分離派
工芸や建築を含む総合芸術 装飾的
クリムト中心
ワーグナー 「芸術は必要にのみ従う」 ウィーン郵便貯金局
ヨーゼフ・ホフマン
オルブリヒ（ドイツ工作連盟創立にも参加） 分離派館
Gryffindor, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Secession_Vienna_June_2006_007.jpg
◆ドイツ工作連盟（DWB）
1907年 ミュンヘンで結成
総合デザイン集団
インダストリアル・デザインの必要性
製品の質の向上 産業と芸術の融合
ムテジウス
オルブリヒ ワーグナーの弟子
ホフマン
ペーターブルックマン社
ベーレンス AEG用電気やかん
グロピウス
工場と事務所のモデル建築
ファグス工場（アールフェルト）1911-12
ブルーノ・タウト
ガラスのパヴィリオン 1914
◆アール・デコ
1910年代～30年代
アール・ヌーヴォーの流れに
幾何学的モチーフや流線型を多用
名前は 1925年の「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」 通称「アール・デコ博覧会」に由来
カッサンドル グラフィックデザイン
ポワレ シャネル 服飾デザイン
ラリック 宝飾ガラス工芸
◆バウハウス
建築家 グロピウスが 1919年ワイマールに設立
美術・工芸・デザインを統合した教育と研究
美しさとともに 合理性 機能性 工業生産をめざす
ナチスの圧力により閉鎖へ
アルバース
ミース・ファン・デル・ローエ
《バルセロナチェア》1929
◆デ・ステイル
20世紀はじめ
オランダの造形運動
モンドリアン
新造形主義
自然を根源的な原理まで遡った垂直線と水平線の構図に
青 赤 黄 白 黒の色の組み合わせ
ドゥースブルフ 同名の雑誌刊行
リートフェルト シュレーダー邸
Daderot, CC0, via Wikimedia Commons
◆ロシア構成主義
ロシア革命後（1917）の抽象芸術運動の構成主義
ウラジミール・タリトンの鉄板や木片を使ったレリーフが「構成」と呼ばれたことがきっかけ
色と形だけの画面構成
リシツキー
タイポグラフィ・システムの創出 雑誌刊行
ロトチェンコ
多くの分野で活躍
《労働者クラブのインテリア》1925
◆日本の工芸・デザイン
六古窯（ろっこよう）
中世日本（平安後期～室町時代）に展開 陶器
常滑焼（愛知県）
信楽焼（滋賀県）
越前焼（福井県）
瀬戸焼（愛知県）
丹波焼（兵庫県）
備前焼（岡山県）
17世紀初め～
有田焼（佐賀県） 磁器
初期伊万里
柿右衛門
古伊万里
民藝・古典復興
大正～昭和初期
・帝展の一部門となるよう尽力
・民藝運動（柳宗悦が提唱）
・桃山時代を主とする古典復興（産業工業）
戦後
・1948年走泥社の結成
用をもたない造形的作品も多く創られる
・80年代 「土を素材にした」現代美術 大型化 インスタレーション化
・90年代 「土から陶へ」かたちの意味や必然性
金重陶陽
加藤唐九郎
荒川豊蔵 《志野波に千鳥絵鉢》
秋山陽
中島晴美 円筒と球体の連鎖
グラフィックデザイン
明治以降 「図案」として発達
1930年代 グラフ誌『NIPPON』（日本工房）
1951年 日本宣伝美術協会 発足
1959年 日本デザインセンター設立
原弘
亀倉勇作 東京オリンピック ロゴ・ポスター
河野鷹思
田中一光
栗津潔
横尾忠則
《劇団状況劇場「腰巻お仙－忘却篇」の為のポスター》 1966年
参考図書
美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社