現代美術のまとめです
1980年代~2000年代まで 駆け足です
◇1980年代の美術
1980年代以降の美術 「現代美術」
◆インスタレーション
制作物(もの)より制作過程(こと)を重視
空間的な作品体験を生み出す表現方法
川俣正
画廊や美術館の制度化された空間から出て
外部空間で展開
クリスチャン・ボルタンスキー
ビデオや写真を使い 死や記憶をテーマ
《心臓音のアーカイブ》豊島
《シャス高校の祭壇》
◆ネオ・エクシュプレッショニズム(新表現主義)
日本では「ニューウェイブ・ペインティング」
イタリアでは「トランスアヴァンギャルディア」
感情発露のような具象絵画
70年代のコンセプチュアル・アートの反動
ゲルハルト・リヒター(ドイツ)
ジグマーポルケ(ドイツ)
アンゼルム・キーファー(ドイツ)
ジュリアン・シュナーベル(アメリカ)
◆グラフィティ
スプレーやマーカーで描く落書きの総称
NY発祥
ヒップホップ音楽の影響
ストリート出身
ジャン=ミシェル・バスキア
キース・ヘリング
バリー・マッギー(米)
バンクシー(英)
◆パブリックアート
屋外の公共的空間に恒久展示される作品
町おこしなどの起爆剤として期待されるが
不興を買うことも
多くの議論を必要とする
リチャード・セラ 《傾いた弧》
◆メディア・アート
先端メディア技術を使った作品
〈インタラクティブ・アート〉
作品と鑑賞者の間に相互作用やコミュニケーションが生じることを意図した作品
マシュー・バーニー
◆シミュレーショニズム
既存の大衆的イメージを積極的に流用
アプロプリエーション(盗用・流用)・アートとも呼ばれる
シンディ・シャーマン「セルフ・ポートレイト」
《無題#153》
ジェフ・クーンズ 《ウサギ》
リチャード・プリンス
バーバラ・クルーガー
◆現代写真
「芸術としての写真」が盛んに
写真家の登場
ダゲールの写真発明から150年
ダグ&マイク・スターン(双子)
デイヴィッド・ホックニー
メイプルソープ
荒木経惟
森山大道
杉本博司
時間をテーマとしたシリーズ作品「ジオラマ」「劇場」「海景」
《シネマラ・ドーム、ハリウッド、1993》
宮本隆司
建築物を中心に都市の変貌や崩壊 再生を撮影
◇1990年代の美術
◆リレーショナル・アート
「関係」を重んじる芸術作品の総称
作品の内容よりも制作過程で生じる周囲との接触による関係を重視
ニコラ・ブリオーとハンス・ウルリヒ・オプリストが提唱
著書『関係性の美学』
リクリット・ティラヴァーニャ
展覧会場に屋台を設営し観客に食事をふるまう
フェリックス・ゴンザレス=トレス
《無題(偽薬)》
◆マルチカルチュラリズム(多文化主義)
さまざまな文化の多様性を尊重 融合 共存
非西洋圏からのアーティスト登場
「20世紀美術におけるプリミティヴィズム」展(MoMA)
「大地の魔術師たち」展(ポンピドゥーセンター)
日本から河口達夫 河原温 宮島達男 勅使河原宏が参加
マイノリティ=他者への視点
ジェンダー
性や人種の問題に取り組む表現
ナン・ゴールディン
ピピロッティ・リスト
身体や女性としてのアイデンティティをテーマ
「アゲインスト・ネイチャー:80年代の日本美術」展
日本の若手作家のグループ展
1989年のサンフランシスコ近代美術館から全米7都市を巡回
日本の現代美術の動向をリアルタイムで海外へと紹介した最初の事例
森村泰昌
宮島達男
大竹伸朗
椿昇
船越桂
ダムタイプ
◇2000年の美術
◆スーパーフラット(超平面)
村上隆が提唱
伝統的な日本絵画と現代の日本のマンガやアニメーションにみられる平板な構図を
日本美術の優位性として海外へ戦略的に発信
キャラクターやフィギュアプロジェクトなどの作品を展開
スーパーフラット建築
伊藤豊雄 妹島和世
◆マイクロポップ
美術評論家の松井みどりが提唱
マイナーな創造性に着目
これまでの知識の組み合わせで新しい独自の美学をつくり出す表現
奈良美智
《深い深いみずたまりⅡ》
杉戸洋
落合多武
島袋道浩
野口里佳
現代中国
方力鈞(ファン・リジュン)
中国社会の不条理や不安感を皮肉に表現(シニカル・リアリズ)
《シリーズ2 No.3》
蔡國強(ツァイ・グオチャン)
火薬を用いたプロジェクト
艾未未(アイ・ウェイウェイ)
岳敏君(ユ・ミンジュン)
Cameron Norman from Toronto, ON, Canada, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:A-maze-ing_Laughter_wide_2013.jpg
笑えますね~
参考図書
美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社