色絵牡丹文蓋物 東京国立博物館
昨日の問題に出てきた
「六古窯」でつくられたものは
陶器(土もの)でした
古代から桃山時代まで
陶器の焼成技術は発展しましたが
磁器(石もの)を焼成する技術はありませんでした
磁器は
陶土よりも鉄分などの不純物が少ない
「磁土」(じど)でつくられ
高温で焼成されます
より硬く緻密で 吸水性がなく 白色
光を通すのが特徴で
良質の原料と
高温で焼くための高い技術が必要でした
その技術が朝鮮から取り入れられたのが
江戸時代初期
有田(佐賀県有田町周辺)で初めてつくられました
時代の推移によって様式がかわります
初期伊万里
Pekachu, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
当時の中国の
染付磁器「古染付」(こそめつけ)の影響をうけています
古九谷様式(こくたにようしき)
Daderot, CC0, via Wikimedia Commons
国内向けの色絵磁器
柿右衛門様式(かきえもんようしき)
ヨーロッパ向けの輸出磁器として発達
オランダ東インド会社によって輸出され
人気となります
マイセンやチェルシー デルフトなどの
主要な窯で柿右衛門様式の写しが製作され
欧州磁器の発展に影響をおよぼしました
江戸時代
近くの伊万里港から積み出されたため
「伊万里焼」と呼ばれるように
江戸後期になると
有田以外でも
全国で磁器の生産が始まりました
他の様式を含め
6月にもう少し詳しく取り上げました
2級Q.253
出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021
参考図書
改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 幻冬舎 2013