Q.331

有田焼について述べた文として、最もふさわしいものは?

① 須恵器を焼いた窯で焼かれたやきもの、初めは灰色だったが、やがて赤褐色の器を焼くようになった

② 日本初の磁器で、製作年代や様式から、初期伊万里、柿右衛門などに分けられる

③ ろくろを使わない手づくねによる抹茶専用の茶碗で、少量生産で茶人の好みが反映されている

④ 京都郊外の窯で焼かれ、絵画と書の世界をやきものに投入した

 

 

有田焼 色絵牡丹文蓋物

色絵牡丹文蓋物 東京国立博物館

 

 

 

 

答え ② 日本初の磁器で、製作年代や様式から、初期伊万里、柿右衛門などに分けられる

 

 

昨日の問題に出てきた

六古窯でつくられたものは

陶器(土もの)でしたビックリマーク

 

古代から桃山時代まで

陶器の焼成技術は発展しましたが

磁器(石もの)を焼成する技術はありませんでした

 

 

磁器は 

陶土よりも鉄分などの不純物が少ない

「磁土」(じど)でつくられ

高温で焼成されますキラキラ

 

より硬く緻密で 吸水性がなく 白色

光を通すのが特徴で

 

良質の原料と

高温で焼くための高い技術が必要でした

 

 

その技術が朝鮮から取り入れられたのが

江戸時代初期ビックリマーク

 

有田(佐賀県有田町周辺)で初めてつくられましたキラキラ

 

 

 

時代の推移によって様式がかわります目

 

初期伊万里

初期伊万里焼

Pekachu, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kyushu_Ceramic_Museum_0548-59_Sometsuke-Rokakusansuimon-Sara.JPG

 

当時の中国の

染付磁器「古染付」(こそめつけ)の影響をうけていますキラキラ

 

 

 

 

古九谷様式(こくたにようしき)

有田焼 古九谷様式

Daderot, CC0, via Wikimedia Commons

 

国内向けの色絵磁器キラキラ

 

 

 

 

柿右衛門様式(かきえもんようしき)

有田焼 柿右衛門様式


ヨーロッパ向けの輸出磁器として発達キラキラ

 

オランダ東インド会社によって輸出され

人気となります音譜

 

マイセンチェルシー デルフトなどの

主要な窯で柿右衛門様式の写しが製作され

欧州磁器の発展に影響をおよぼしましたキラキラ

 

 

江戸時代

近くの伊万里港から積み出されたため

伊万里焼と呼ばれるようにビックリマーク

 

 

江戸後期になると

有田以外でも

全国で磁器の生産が始まりましたキラキラ

 

 

 

他の様式を含め

6月にもう少し詳しく取り上げましたウインク

2級Q.253キラキラ

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ2 飾りと遊びの豊かなかたち 日本の芸術史 造形篇II 栗本徳子編 幻冬舎 2013