《弥勒下生経変相図》
1350年 169.7x90.9㎝
新王院(高野山)
高麗(918-1392)は
新羅崩壊後の三国時代の混乱を収拾し
朝鮮半島を統一した王朝です
KJS615, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:History_of_Korea-Goryeo_Period-1389_CE.gif
高麗の美術は
度重なる戦争で 多くが失われており
日本に伝来する仏画によって
その特徴をみることができます
高麗では仏教が国家的崇拝を集め
経典を総集した『大蔵経』(だいぞうきょう)が
刊行されます
各種経典にあるように
浄土は想像を絶するきらびやかな世界
その世界を再現するため
美麗をつくした「高麗仏画」が制作されました
赤・青・緑の3色と 金彩を基調に
豪華な装飾や
細緻な文様で彩られ
深い神秘性を特質とします
《阿弥陀如来坐像》
1306年 根津美術館(東京)
《観経十六観変相図》
14世紀 高麗 西福寺(福井)
(こちら平成9年に盗難にあったままのよう…)
画像ではそれぞれの美しさがわかりにくいですが
当時はさぞ美しかったでしょうね~
高麗の次となる朝鮮王朝(1392-1910)では
儒教が尊ばれ
図画署(とがしょ・トファソ/宮中画家の組織)も設けられます
中国の文化を規範として
本格的な水墨山水も描かれました
《夢遊桃源図》 安堅
天理図書館
安堅(あんぎょん/生没年不詳)は
北宋の画風を継承した繊細な山水画風を確立
朝鮮絵画様式の基礎をつくりました
出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021
参考図書
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ4 朝鮮半島・西アジア・中央アジア・インド アジアの芸術史 造形篇II 金子典正編 幻冬舎 2013