《渓山清遠図巻》（部分）
12世紀後半～13世紀前半（南宋） 紙本墨画
46.5ｘ889.1㎝ 国立故宮博物館（台北）
全体はこちらで確認を
9メートル近い作品です
北宋の後の南宋（1127-1279）の時代は
宮廷画家が活躍します
皇帝の整備した画院では
徹底した写実性や洗練された形式美
詩的な情緒が追求され
その画風は「院体」と呼ばれました
夏珪（生没不詳）は南宋において活躍した
院体山水画の大成者です
自然景の一部を
片方に寄せた辺角構図をとって
たっぷりの余白
明快な構図と細緻な再現性の
山水画を手がけました
《風雨舟行図》
13世紀 南宋 ボストン美術館
北宋画とは違う
簡略化された景観や余白によって
鑑賞者は想像力をかきたてられました
夏珪の作品は 室町時代の
足利将軍家コレクションの中枢を占め
山水画を描く際の手本にもなっています
雪舟（せっしゅう／1420～1506）は
明代に中国へ渡り
本格的な水墨画を体得
雪舟 自画像
絹本着色 藤田美術館 重要文化財
夏珪に倣った代表作
《山水長巻》（毛利博物館）を描いています
《四季山水図（山水長巻）》 部分
1486年 39.7ｘ1592㎝
こちらも長いですね～
全体はこちらで確認を
.jpg){kind=small}
（PCですと画像の上で2回クリックすると大きく見ることができます）
この作品は
自身を庇護した周防の大内家に献上しています
日本では北宋画よりも
親しみやすく洗練された形式美の南宋画が人気を集めました
夏珪と雪舟についての問題は
春にも出てきました
2級Q/223
出題：知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021
参考図書
続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018
芸術教養シリーズ3 中国の美術と工芸 アジアの芸術史 造形篇I 金子典正編 幻冬舎 2013