Q.321
中国の山水画《谿山行旅図》の作者は?

① 王維

② 夏珪

③ 范寛

④ 呉彬

 

谿山行旅図

絹本墨画淡彩 206.3×103.3㎝
北宋(10世紀前半~11世紀前半)
国立故宮博物館(台北)

 

 

 

 

答え ③ 范寛(はんかん)

 

 

范寛(960頃~1030頃)は

北宋初期山水画家キラキラ

 

自然そのものを師として 山中に入り

自然観察に基づいて山水画を描きましたビックリマーク

 

 

《谿山行旅図》(けいざんこうりょず)は

范寛の代表作音譜

 

中央部 部分

 

 

山頂を下から仰ぎみる形式の「高遠山水」目

 

前景 中景 後景と三分割されていますが

後景に画面の3分の2を使った

迫ってくるような迫力ある作品ですキラキラ

 

 

長年 范寛作と伝えられていた名品で

 

900年を経た近年になってようやく

画面の右下の方

小さく描かれた駄馬の隊商のそばに

小さな落款があることが発見されていますびっくりサーチ

 

谿山行旅図 部分 落款

 

わかりますか?

何とくな名前があるように見えますね音譜

 

 

 

 

昨日は(618~907)の時代の問題でしたね

 

唐の滅亡後
五代十国(907~960)の分裂・動乱の時代が

半世紀ほど続きます

 

その混乱を収め、中国を統一したのが

(960~1279)ですビックリマーク

 

960~1127年の北宋の時代に

(1127~1279年が南宋)

 

范寛はじめ山水画家が活躍し

水墨山水画が大きく発展しましたキラキラ

 

 

宋 1111年頃 地図

1111年頃の宋

玖巧仔, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ3 中国の美術と工芸 アジアの芸術史 造形篇I 金子典正編 幻冬舎 2013